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プロラクチン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

プロラクチン
prolactin
ホルモン乳汁分泌ホルモン,黄体刺激ホルモンともいう。下垂体前葉の好酸性細胞より分泌され,乳腺発育させ,乳汁分泌の開始と維持に役立つペプチドホルモン。妊娠中は胎盤からも分泌される。黄体刺激ホルモンといわれるのは,卵巣黄体の維持およびプロゲステロンの分泌を促進するからである。ウシヒツジの下垂体より塩酸酸性アセトンで抽出精製して結晶化される。水に難溶,無水エチルアルコールに可溶。乳汁分泌促進剤として使用。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

プロラクチン(prolactin)
脳下垂体前葉から分泌されるホルモンの一。哺乳類では、黄体に作用してプロゲステロンの分泌を維持し、また乳腺に働いて乳汁の分泌を促す。黄体刺激ホルモン。乳腺刺激ホルモン

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栄養・生化学辞典

プロラクチン
 乳腺刺激ホルモン,泌乳刺激ホルモンともいう.乳腺に作用して乳汁の合成分泌を促進するペプチドホルモン.視床下部の指令によって下垂体が分泌する.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

プロラクチン【prolactin】
脳下垂体前葉から分泌されるホルモンの一つで,PRLと略記。また乳腺刺激ホルモンmammotropic hormone(MTH)ともいう。魚類から哺乳類にいたるすべての脊椎動物でその存在が確認されている。ヒトのプロラクチンは分子量約2万2000,198個のアミノ酸からなる。ヒトにおけるプロラクチンの生理作用として明らかにされているのは,乳汁分泌刺激作用である。乳腺の発育と乳汁の産生にはプロラクチン以外にも多くのホルモンが関与しているが,プロラクチンは発育した乳腺に働いて乳汁分泌の引金ひき,これを維持する作用をもつ。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

プロラクチン【prolactin】
脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモン。哺乳動物の乳腺の発育と乳汁産生を促進するほか多くの作用が知られる。ヒトの分泌不全は乳汁分泌不全を生じ、分泌過剰は無月経・乳汁漏出などを主症状とする。乳腺刺激ホルモン。黄体刺激ホルモン。泌乳刺激ホルモン。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

プロラクチン
ぷろらくちん
prolactin
下垂体前葉から分泌される単純タンパク質のホルモンで、魚類から哺乳(ほにゅう)類まで存在する。泌乳(乳腺(にゅうせん))刺激ホルモン、黄体刺激ホルモンともいう。ヒツジのプロラクチンは、アミノ酸残基198個で、分子量2万3300であり、構造も決定されている。ウシでは分子量約2万5000である。ヒトのプロラクチンはアミノ酸残基191個である。
 プロラクチンは哺乳類では、乳汁分泌を刺激し、ほかのホルモンとの協同作用により乳腺の発達を促す。ネズミやハツカネズミでは、卵巣の黄体を刺激し、黄体ホルモンの分泌を促す。ハトでは、(そのう)上皮を増殖させ、雛(ひな)の餌(えさ)となる嚢乳をつくらせる。カエルの幼生では、変態の抑制、成長促進などの作用を示す。硬骨魚のあるものでは、皮膚の粘液細胞数を増加させ、粘液量も高める。また、プロラクチンは哺乳類、鳥類、魚類の哺育行動を誘起するという。渡り鳥では、渡りの衝動を引き起こすといわれている。イモリの一種での産卵期の水中への移動もプロラクチンによるという。このようにプロラクチンの生理作用は動物種によりさまざまであるが、脊椎(せきつい)動物全般にわたり、水、電解質の代謝に関係し、浸透圧調節に重要な役割を果たしている。たとえば広塩性の魚であるメダカなどで、下垂体を摘出して淡水に移すと、ナトリウムイオン(Na+)の流出により浸透圧が低下し死に至る。しかし、プロラクチンを注射することにより、Na+が保持され魚は生き残る。哺乳類でも、腸や腎臓(じんぞう)での水、電解質の再吸収促進にプロラクチンが作用している。プロラクチンの分泌は、哺乳類では脳の視床下部で合成されるドーパミン(プロラクチン抑制因子)による抑制を受けている。鳥類では、プロラクチン放出因子により分泌は促進される。魚類ではプロラクチン細胞は、脳の調節以外にNa+濃度による直接的分泌支配を受けているという。[高橋純夫]
『日本比較内分泌学会編『成長ホルモン・プロラクチンファミリー』(1996・学会出版センター)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

プロラクチン
〘名〙 (prolactin) 脳下垂体前葉から分泌されるホルモンの一つ。哺乳類では、黄体に作用してプロゲステロンの分泌を維持し、また、乳腺を刺激して乳汁分泌を促す。黄体刺激ホルモン。乳腺刺激ホルモン。〔人体の機能(1952)〕

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内科学 第10版

プロラクチン(下垂体前葉ホルモン)
(3)プロラクチン(prolactin:PRL)
a.化学構造と生合成
 PRLはPRL分泌細胞により分泌される199個のアミノ酸残基からなるペプチドホルモンで,アミノ酸配列がGHに類似しており,プロラクチン遺伝子はGH遺伝子と同一の祖先遺伝子から派生したものと考えられている.
b.作用
 PRLの受容体はGHに類似した1回膜貫通型である.PRLの重要な作用は乳腺の発達と乳汁の産生促進である.女性が妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンとともにPRL分泌が亢進し,胎盤性ラクトゲン(placental lactogen)も加わって乳腺が発達肥大する.出産後,エストロゲンやプロゲステロンの血中濃度が低下し,乳児の吸乳刺激によりPRLの分泌が亢進して乳汁産生が高まる.PRLはゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone:GnRH)分泌の抑制,ゴナドトロピンの性腺への働きを阻害することにより,性腺系の抑制作用を示す.出産後の授乳の持続によりPRL分泌亢進状態が続くと月経の再来が阻止される.
c.分泌調節
 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin-releasing hormone:TRH)はPRLの分泌を促進するが,PRLの分泌を特異的に促進する視床下部ホルモンは明らかにされていない.PRLの分泌を抑制する視床下部因子はドパミンと考えられている(図12-2-4).PRLの基礎分泌に対して視床下部からは促進よりも抑制の力の方が強く働いている.このため視床下部に機能障害が生じると,ほかの下垂体ホルモン分泌が低下するのに対し,PRLの分泌は亢進する.睡眠,運動,ストレス,妊娠,哺乳,原発性甲状腺機能低下症,エストロゲン製剤,ドパミン拮抗薬はPRL分泌を増す.[芝﨑 保]

出典:内科学 第10版
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六訂版 家庭医学大全科

プロラクチン
(内分泌系とビタミンの病気)

 下垂体(かすいたい)からのプロラクチン分泌は、視床下部(ししょうかぶ)で産生されるホルモンによって調節されています。視床下部と下垂体の連絡が断たれると、血中プロラクチン値は、通常、上昇します。プロラクチン抑制の最も主要な因子はドーパミンです。一方、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、エストロゲン、授乳、ストレス、低血糖などはプロラクチン分泌促進作用があります。

 プロラクチン分泌が亢進(こうしん)すると、女性では無月経が起こります。また、男性でも性欲の低下が生じます。

 視床下部・下垂体系の疾患(腫瘍(しゅよう)や炎症)、原発性甲状腺機能低下症では、プロラクチン分泌も刺激されます。いろいろな薬剤(とくにある種の抗精神薬、胃薬、降圧薬の一種)は、プロラクチンを増加させます。エストロゲン製剤やピルなどの経口避妊薬も、プロラクチン分泌を刺激させるため、乳汁(にゅうじゅう)分泌が生じた場合には原因となっていないか注意が必要です。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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化学辞典 第2版

プロラクチン
プロラクチン
prolactin

下垂体前葉ホルモンの一つ.下垂体,妊婦や分娩後の女性の尿,胎盤に存在する.200個前後のアミノ酸残基からなるタンパク質.魚類を用いた下垂体の切除およびプロラクチンの補充実験から,魚類の淡水適応にプロラクチンが不可欠であることが示されている.[CAS 9002-62-4]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
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東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
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