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フロン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

フロン
フルオロカーボン」のページをご覧ください

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知恵蔵

フロン
フロンは、フルオロカーボン類の日本で命名した総称名であり、CFCHCFCHFCPFCなど種々の化合物を包括する。クロロフルオロカーボン(CFC)は、天然には存在しない人工の化合物。フレオンともいうが、デュポン社の商品名である。CFCは、メタン分子やエタン分子の水素(H)を塩素(Cl)とフッ素(F)で置換した化合物。不燃、無毒、液化が容易、しかも不活性などの性質を持ち、冷蔵庫、クーラーなどの冷媒、半導体を洗浄する溶媒、また噴霧剤として世界中で使用され、1985年の1年間で100万t余り生産されたという報告がある。74年ごろから、成層圏に達したCFCが紫外光により分解して生じた、塩素原子が触媒となってオゾン層を破壊し、皮膚がんの発症が高まることが指摘された。そこで、オゾン層破壊を防止するため、85年のウィーン条約、87年の地球規模での取り組みを定めたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の制定により、指定されたCFC(特定フロン)の国際規制が始まった。その結果、95年には先進国でフロンの生産が中止され、代わりに登場したのが代替フロン。主な代替フロンとしてハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)が製造され、前者は塩素を含まずHとFとC(炭素)からできている化合物で、後者はHとFとClとC(炭素)からできている化合物。特定フロンには様々な種類があり、CFC-11やCFC-113などコード名で区別している。11や113のコードは、一の位の数がFの個数、十の位はHの数(この場合は0)に1を足した数、そして百の位は炭素の総数から1を引いた数を表している。従って、CFC-11はCCl(3)F, CFC-113はCCl(2)FCClF(2)になる。HCFCのオゾン層破壊能はCFC類のそれよりも一般に小さく、HFC類はオゾン層を全く破壊しないが、地球温暖化ガスとして作用する。例えば、二酸化炭素の約5000倍の温室効果を及ぼすHCFCもある。97年12月に京都で開催されたCOP3(3rd session, Conference of the Parties to the UNFCCC、地球温暖化防止京都会議)では、HFC、ペルフルオロカーボン(PFC)や六フッ化硫黄〈SF(6)〉は二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素と共に削減が決まったが、特定フロンとHCFCは対象から外された。日本では、2001年6月にカーエアコン、業務用冷凍・空調機器用フロンの回収・破壊を義務付けたフロン回収・破壊法が成立した。また、05年2月に京都議定書が発効し、日本は08年から5年間で90年の温室効果ガス排出量の6%を削減する義務が課せられた。
(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

フロン
フルオロカーボンの日本における慣用名メタンエタンなどの炭化水素水素弗素(ふっそ)塩素置換した化合物の総称。無色無臭・無毒・不燃性で化学的に安定なので、電気冷蔵庫・クーラーの冷媒やスプレー、ウレタンフォーム発泡剤半導体の洗浄剤などに使用。その一種であるクロロフルオロカーボン(CFC)は大気中に放出されると長い時間をかけて成層圏に達し、そこで紫外線によって分解されてオゾン層を破壊する。そのため使用が規制され代替フロンが登場したが、こちらも二酸化炭素よりも温室効果が高いことがわかり規制の対象となっている。フレオン(商標名)。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

フロン
 クロロフルオロカーボン,クロロフルオロ炭素の慣用名.フッ化炭化水素で,冷媒として使われるものの総称.地球環境に大きな影響を及ぼすことから,使用しないようになっている.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

フロン【Flon】
炭化水素のフルオロ置換体であるフルオロカーボン類fluorocarbonに対する日本でのみ用いられている総称名。フレオンFreon(デュポン社の商品名)と呼ばれることもある。フロンには,フッ素と塩素を置換基にもつクロロフルオロカーボン(CFC),フッ素,水素,塩素を含むヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC),フッ素,水素を含むヒドロフルオロカーボン(HFC),すべての水素をフッ素で置換したペルフルオロカーボン(PFC),などがある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

フロン【flon】
クロロフルオロカーボン、フルオロカーボンの日本での慣用名。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

フロン
ふろん
flon
塩化フッ化炭化水素の総称で日本における慣用名。正式名称はフルオロカーボン。フロンは下記の3種に大別される。
(1)クロロフルオロカーボン(CFC:Chloro Fluoro Carbon) 塩素、フッ素、炭素からなる。化学的に安定なため成層圏にまで達し、紫外線によって塩素原子に分解され、これがオゾン層を破壊する。CFC-11、CFC-12、CFC-113、CFC-114、CFC-115の5種がある。
(2)ハイドロクロロフルオロカ-ボン(HCFC:Hydro Chloro Fluoro Carbon) 水素、塩素、フッ素、炭素からなる。塩素を含むが水素も含むため成層圏に達するまでに分解する可能性が高く、CFCに比べオゾン層破壊の性質は弱いとされている。HCFC-22、HCFC-123などがある。
(3)ハイドロフルオロカーボン(HFC:Hydro Fluoro Carbon) 水素、フッ素、炭素からなる。塩素を含んでいないためオゾン層は破壊しないが、高い温室効果を有し、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)も大きい。代替フロンとよばれる。HFC-134aなどがある。
 これまでCFC-12とHCFC-22は電気冷蔵庫、ルームエアコン、CFC-113は大容量冷房の冷媒に用いられていたが、これらのフロンは使用後大気中に放出されるとオゾン層を破壊するといわれ、1987年にその生産・消費量を規制する「モントリオール議定書」が採択され、段階的削減が決定した。同議定書に基づき、フロンのなかでもオゾン層への破壊力の強い特定フロンCFCについては先進国では1996年までに使用は全廃され、開発途上国でも2010年までに全廃されることになった。また、HCFCは先進国で2030年、開発途上国で2040年までに全廃されることが規定された。
 日本でもこの議定書に調印、1988年(昭和63)には「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」(昭和63年法律第53号)が制定され、フロン規制が本格化した。また、2001年(平成13)に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」(平成13年法律第64号)が公布され、対象となるフロン類が冷媒として使用されているカーエアコン搭載の自動車や業務用冷凍空調機器などを廃棄する場合には、同法に基づき、フロン類の適正な回収と破壊処理の実施等が義務づけられた。さらに2013年には同法が改正(法律名も「フロン排出抑制法(正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」)」に変更)され、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策がとられるようになった。
 なお、フロンは自然界には存在しない人工物質で、製造法としてはクロロホルム、四塩化炭素、六塩化エタンなどをハロゲン化アンチモンなどの触媒でフッ化水素と反応させてつくる。

 化学的に安定で、金属を腐食させず、無色無臭、不爆発、不燃性で毒性が低いため、噴霧剤、消火剤、溶媒、液体無水硫酸の希釈剤、ウレタンフォームの発泡剤などに用いられ、フッ素樹脂の原料にもなった。[加治有恒・編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

フロン
〘名〙 (洋語flon) 塩素と弗素のついた低級炭化水素化合物の総称。スプレー用、冷房や冷蔵庫などの冷媒用として広く利用されたが、オゾン層破壊の原因となるため、一九九五年末に生産が打ち切られた。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

フロン
フロン
flon

冷媒,溶媒,噴霧剤などに使用される低沸点のメタン,エタンなどのフッ素置換体の総称.わが国における慣用名.オゾン層の破壊が憂慮され,代替品の開発が進められている.[別用語参照]クロロフルオロカーボンクロロフルオロメタン

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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