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フランス憲法【フランスけんぽう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

フランス憲法
フランスけんぽう
フランスにおける近代的意味での憲法は,1791年の憲法に始り,現行の第五共和政憲法にいたるまでの約1世紀半の間に 10の憲法が制定されている。共和政,王政,帝政と政治形態がめまぐるしく変遷し,それとともに憲法も変っているのが,フランス憲法の特色である。まず革命期には,国民主権原理を前提として制限選挙による議会と国王との権力分立を目指す立憲君主政をとった 1791年憲法,国民公会で作成され普通選挙による議会が権力の頂点に立つなど最も共和主義的色彩が強かったが施行されるにいたらなかった 93年のモンターニュ (山岳党) 憲法,さらにテルミドール反動後制定され総裁政府制をとった 95年の共和暦3年憲法などと変遷した。そして 1804年の憲法 (元老院令) は,ナポレオンを皇帝とし彼に全権をゆだねる第一帝政を樹立した。 1814年憲章 Charteによる復古王政,1830年憲章による七月王政のもと,立憲君主政化した王政のなかで議院内閣制が次第に確立された。 1848年憲法によっていったん共和政 (第二共和政) が成立したが,1852年憲法で再び帝政 (第二帝政) がしかれた。第三共和政憲法は統一した法典ではなく,75年に制定された3つの法律から成り,1940年のビシー政権樹立まで存続した。この憲法のもとで民主的な議院内閣制が確立された。 44年のフランス本土解放後,第四共和政が成立し,46年 10月の憲法が制定された。この憲法はだいたい第三共和政憲法と傾向を同じくするが,不完全な両院制,社会権の保障,国際主義などに特色があった。第四共和政の崩壊後に制定された現行第五共和政憲法は,58年9月 28日の国民投票によって承認され,「1958年 10月4日憲法」として施行された。この憲法の最も基本的な特色は執行権の強化とそれに伴う国会の地位の低下である。国民の直接選挙によって選ばれる大統領に強大な権限が与えられ,大統領は首相を任命または罷免し,閣議を主宰する。当初大統領の任期は7年であったが,2000年国民投票が行われ5年に短縮された。大統領は重要問題を人民投票に付すことができ,国家の緊急事態に際しては緊急措置権により必要な措置をとることができる。これに反し,議会は権限を縮小され大統領や政府に対する有効な抑制手段をもたない。この憲法では,憲法上の機関としてこのほかに憲法審査院,経済社会評議会,司法官職高等評議会,高等法院などがおかれている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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