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フェノール樹脂【フェノールじゅし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

フェノール樹脂
フェノールじゅし
phenolic resin
フェノール類とアルデヒド類との縮合によって得られるプラスチックの総称。フェノールホルムアルデヒドの反応で得られるものが最も一般的であり,最も古く工業化された合成高分子である。両者の縮合反応は古くから研究されていたが,工業化は 1909年に,L.H.ベークランドが縮合物に適当な充填剤を加え,高温高圧成形により硬化させることに成功し,これに「ベークライト」という商品名をつけ生産を始めてからである。製法としては,フェノールとホルムアルデヒドから酸の作用でノボラック樹脂をつくりこれに橋かけ剤を加えて加熱して固化する方法と,アルカリの作用で生成する初期縮合物 (レゾール) を加熱加圧して固化する方法,の2つがある。熱硬化性樹脂としては尿素樹脂とともに最も多くつくられている。比重約 1.3で,成形したものは光沢があり,熱,電気の絶縁性がよい。電気器具の部品その他の成形品として使用されるだけでなく,積層板,塗料などに広く使用されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

フェノール‐じゅし【フェノール樹脂】
フェノール類とアルデヒド類との縮重合により合成される熱硬化性樹脂。絶縁性・耐水性・耐薬品性などにすぐれ、電気部品・接着剤などに使用。初めて作られた合成樹脂で、ベークライトと称した。石炭酸樹脂

出典:小学館
監修:松村明
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栄養・生化学辞典

フェノール樹脂
 フェノール類とアルデヒドを酸もしくはアルカリの存在下で縮合させて製造する樹脂.諸種の優れた特性をもち,電気器具,機械部品,事務用品,食器などに汎用されている.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

フェノールじゅし【フェノール樹脂 phenol resin】
フェノール類(フェノール,クレゾールキシレノールなど)とホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られる熱硬化性樹脂。フェノール・ホルマリン樹脂,石炭酸樹脂ともいう。1907年アメリカのL.H.ベークランドによって発明された最も古い合成樹脂で,09年にベークライトbakeliteの名で商品化された。 フェノール樹脂はその製法によって次の2種類にわかれる。(1)フェノールを酸触媒のもとでホルムアルデヒドと反応させ,フェノールが若干個縮合した熱可塑性,溶剤可溶の樹脂(ノボラックnovolacという)をまずつくる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

フェノールじゅし【フェノール樹脂】
フェノール類とアルデヒド類を縮合重合させて得られる樹脂の総称。ベークライトはこの一種で、フェノールとホルムアルデヒドからつくる。熱硬化性で、接着剤・ボタン・電話機などに使われる。石炭酸樹脂。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

フェノール樹脂
ふぇのーるじゅし
phenolic resin
石炭酸樹脂ともよばれ、フェノール類(主としてフェノールとクレゾール)とホルムアルデヒドとの反応によって生成する熱硬化性樹脂であり、合成樹脂(プラスチック)のうちでもっとも古いものである。[垣内 弘]

歴史と発展

1907年7月にアメリカのベークランド(ベルギー生まれ)がフェノールとホルムアルデヒドによる合成樹脂の成形法について有名な「加熱と加圧」方法特許を申請した。この技術によって最初の完全な合成高分子材料として幅広く応用することが可能となった。彼が商品名として「ベークライト」Bakeliteを登録し、この名称はいまでも使われている。現在では新しい合成高分子材料が非常に伸びてきているが、1980年ごろまではこの樹脂が多量に生産されていた。いま身近に目にするフェノール樹脂製品は黒色のソケット、スイッチなどの配線器具、お椀(わん)のような食器などだが、そのほかに接着剤、積層板、砥石(といし)用樹脂、シェルモールド用樹脂(鋳造工業に用いられる)やブレーキ用樹脂として多量に消費されている。1990年代以降は、ガラス繊維や電子材料として多量に使われている。その生産量は、年産24.2万トン(2002)である。[垣内 弘]

製造法

フェノール類とホルムアルデヒドを加熱して低分子量(分子量1000以下)の粉末または粘い液体の初期反応物をつくり、必要に応じてパルプや木粉などのフィラー(充填(じゅうてん)材、filler)を加えて十分に混合したのち、型の中で加熱硬化させる。フェノールとホルムアルデヒド(ホルムアルデヒドの水溶液すなわちホルマリンを使用する)との反応は、反応系が酸性か塩基性(アルカリ性)かによって初期反応生成物が異なる。
 反応系が酸性の場合、初期反応生成物の一つであるノボラックnovolakは、ヘキサメチレンテトラミン(HMTA)を架橋剤として、ノボラックに対して10%ぐらい添加し、フィラーとして木粉やパルプ粉末を混練して150~160℃の加熱・加圧下で硬化させる。HMTAは115℃以上で熱分解してホルムアルデヒドとアンモニアになる。このホルムアルデヒドがノボラックを架橋し網状構造の硬化物を与える(二段法)。反応系が塩基性の場合の、初期生成物として得られるレゾールresol(ベークライトAともいう)の硬化は、架橋剤を必要とせず、多くは先述のフィラーの存在下で一段で130~200℃の加熱・加圧で硬化する。ガラスフェノール樹脂積層板にはレゾールを用いる。[垣内 弘]
『工業調査会編・刊『プラスチック技術全書15 フェノール樹脂』(1971) ▽村山新一著『プラスチック材料講座 フェノール樹脂』(1978・日刊工業新聞社) ▽本山卓彦・永田宏二著『接着剤』(1988・工業調査会) ▽梶原鳴雪監修『無機・有機ハイブリッド材料の開発と応用』(2000・シーエムシー) ▽松本明博著『フェノール樹脂の合成・硬化・強靭化および応用』(2000・アイピーシー)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

フェノール‐じゅし【フェノール樹脂】
〘名〙 フェノール類とアルデヒド類の重縮合により得られる樹脂。フェノールホルムアルデヒド樹脂が代表的。難燃性で、機械強度が高く、電気および熱の絶縁性、耐水・耐化学薬品性などにすぐれ、成型品、電気部品、接着剤に広く用いられている。石炭酸樹脂。〔現代日本技術史概説(1956)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

フェノール樹脂
フェノールジュシ
phenol resin

フェノール類とアルデヒドの縮合反応で得られる熱硬化性樹脂クレゾールキシレノールを主原料としたものを,とくにクレゾール樹脂,キシレノール樹脂ということもある.酸性触媒下の縮合反応では,初期からメチレンでフェノールが連結した生成物が得られ,この初期生成物をノボラックとよび,いろいろな成形品に用いる.アルカリ触媒の存在下による反応では,初期にメチロール基に富むレゾールを生成し,積層剤として用いられる.レゾールも加熱により脱水してメチレンあるいはジメチレンエーテル結合をつくり,架橋硬化する.フェノール樹脂のアルコール溶液または水溶液は,フェノール樹脂接着剤として知られており,加熱により硬化,接着する.木材用としてとくに屋外や水中で用いられる材料の接着に用いられる.また,油溶性フェノール樹脂ときり油とを加熱混合したワニスは,フェノール樹脂塗料とよばれる.速乾性で塗膜の耐薬品性,耐水性がすぐれている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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