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フィードバック

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

フィードバック
feedback
系の出力側の一部を入力側に戻すこと。帰還ともいう。 1934年,H.S.ブラックにより増幅器についてその原理が述べられた。のちにその負帰還の安定性の理論が,ハイファイアンプ,自動制御系,人間工学などに広く応用されるようになった。特にフィードバック制御は自動制御の基本である。図はフィードバック増幅器を示し,ここで AV'0/V0 をトランジスタなどの能動素子を含む増幅回路の増幅度,βを抵抗,容量,インダクタンスなどの受動素子だけから成るフィードバック回路の帰還率とし,全体の増幅度 V'0/VSA' とすると,A'=A/(1-Aβ) となる。 |1-Aβ|<1 のときを正帰還といい,A'>A となり,増幅度は帰還回路によって増大する。 |1-Aβ|=0 のとき A' は無限大となり,これは回路が発振状態にあることに等しい。 |1-Aβ|>1 のときを負帰還といい,A'<A となり,増幅度は減少する。このとき |Aβ|≫1 (この条件は普通は満足される) であれば A'≒-1/β となる。βは安定な回路素子のみから構成されるので,負帰還増幅器の増幅度 A' は安定である。また信号の波形は忠実に増幅される。機械システムではワットの蒸気機関にある調速機が回転速度をフィードバックして蒸気量を調整する仕組みとして利用され,自動制御技術の始りとされている。フィードバックを人工物,生体,社会に共通するメカニズムとしてとらえる総合的な学問分野としてサイバネティクスがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

フィードバック
制御工学の基本技術。アウトプットの結果をインプット側に還元し、システム全体の調節を図ること。フィードバックによってアウトプット側の誤差を少しでも少なくすることができればシステムは安定するし、逆の場合は発散(不安定となりやがて壊れる)する。ロボットでフィードバック制御を可能にするためには、プロセッサー(情報処理装置)、センサー(情報入力装置)、アクチュエーター(駆動装置)が必要。この3つがうまく連携して安定稼働することにより、ロボットの統制の取れた運動を実現することができる。
(築地達郎 龍谷大学准教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

フィードバック(feedback)
[名](スル)
ある機構で、結果を原因側に戻すことで原因側を調節すること。電気回路では出力による入力の自動調整機能、生体では代謝内分泌の自己調節機能など。
物事への反応や結果をみて、改良・調整を加えること。
顧客や視聴者など製品・サービスの利用者からの反応・意見・評価。また、そうした情報を関係者に伝えること。「現場からのフィードバックを設計に反映させる」「アンケートの結果を担当部門にフィードバックする」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

フィードバック
 フィードバック制御ともいう.生体のある機能が発現すると,その結果としてその機能に制御が起こることがある.このように,結果によってもたらされる当該過程の制御.たとえば,ある一連の反応の産物がその反応過程の特定の段階を阻害したり活性化したりすること.また,ある刺激によってホルモンが分泌されると,そのホルモンが刺激の伝達を抑制したりする現象もフィードバックという.

出典:朝倉書店
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流通用語辞典

フィードバック【feedback】
元来は制御工学の用語。システムの目的を追求するために、そのアウトプット情報を使用して、インプットをコントロールする働きのことをいう。経営においては、過去の結果から問題点を把握し、逐次的修正を繰り返すことによって、適正な企業行動をとることができるようにするための働きを意味する言葉として使用されている。

出典:(株)ジェリコ・コンサルティング
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ナビゲート ビジネス基本用語集

フィードバック
あるシステムにおいて出力された結果を入力側に戻すこと。教育の分野においては、ある人の行動や発言に対し、それらを周囲がどう見ているか(評価)を返してやることをいう。ある人の言動に対しフィードバックがあることで、その人は自分の言動に関するデータを得ることができ、自分の言動を客観的に把握できるようになる。本人は、プラスのフィードバックを得るとその行動を促進させるが、マイナスのフィードバックを得るとその行動にブレーキをかける方向に作用する。

出典:ナビゲート
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世界大百科事典 第2版

フィードバック【feedback】
本来は制御工学や通信工学の用語。帰還ともいう。N.ウィーナーサイバネティックスの中心概念の一つとして取り上げてから一般的にも使用されるようになった。例えば入力をある割合で増幅し出力する増幅器のように,入力によって出力が決まるシステムで,出力(の一部,あるいは出力に関連して決まる作用)を入力に加え,出力に影響を与えることをいう。またこのようにすることをフィードバックをかける,このようになっていることをフィードバックがかかっているなどという。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

フィードバック【feedback】
( 名 ) スル
入力と出力のあるシステムで、出力に応じて入力を変化させること。増幅器や自動制御などの電気回路に多く使われる。帰還。
心理学・教育学で、行動や反応をその結果を参考にして修正し、より適切なものにしていく仕組み。
転じて、結果を原因に反映させて自動的に調節していくこと。 「消費者の声を生産者に-する」

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

フィードバック
ふぃーどばっく
feedback
制御系などで、系の出力の一部を入力に戻して出力を制御すること。帰還ともいう。フィードバックの方法には単一ループによるもののほかに、多くのループを用いる多重型や、電気特性が一様に分布したループによる分布型がある。
 出力の一部を入力に戻すとき、その方向(極性)は入力と同じか逆方向に加えるが、それを正(ポジティブ)または負(ネガティブ)のフィードバックとよぶ。系に正のフィードバックを加えると、外部からみた利得は増大する。負のフィードバックを加えると、外部からみた利得は減少するが、系の特性は改善される。正のフィードバックは発振回路や跳躍回路のほか分布帰還型レーザーに、負のフィードバックは広帯域増幅回路や自動制御システムに用いられる。[岩田倫典]

社会科学・社会工学への応用

フィードバックとは、ある原因から生み出された結果がその原因に反作用をもたらすことによって、原因自体が自動的に調整され、より望ましい結果が導かれる過程をいう。そして、この過程をシステム化した状態、つまり入力した指令(原因)がある回路を通して伝達されて一定の出力(結果)をもたらすと、その効果がただちに別な回路を通して制御装置に伝えられて指令そのものを調整するという過程を反復的、連続的に保障している機構をフィードバック・システムという。フィードバックはもともと電気工学上の原理について用いられてきた用語だが、制御とともにサイバネティックスの基本概念の一つともされ、現在では広く社会科学、社会工学においても社会過程の分析や設計にこの概念が適用されている。社会や組織のなかの中枢機関で、ある意思決定が行われ、それが執行に移される過程で、そのなかの関係諸部門や諸階層からその決定の内容や実施方法に関する意見や提案が中枢機関に送られ、決定の実効性をより高めるという、意思決定過程におけるボトム・アップbottom-upとか参加的意思決定の考え方は、社会過程におけるフィードバックの概念と深く関連している。この過程の自動化を図ろうとする志向は、一方では社会内部、組織内部での民主化、他方では社会管理、組織管理の効率化への関心と結び付いている。[石川晃弘]
『N・ウィーナー著、池原止戈夫他訳『サイバネティックス』第二版(1962・岩波書店) ▽J・アネット著、増山英太郎他訳『フィードバックと人間行動』復刊版(『現代の心理学2』1985・岩崎学術出版社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

フィード‐バック
〘名〙 (feedback)
① 電気回路で出力したものの一部を入力の側にもどすこと。帰還。
② 社会学・心理学・教育学の用語。ある方式を補強修正するため、一定の行動を行なった後、その結果の反応をみて行動を変化させること。転じて、動作や行為などにおいて、その結果を原因にてらしあわせ、原因を調整していくこと。〔原子と椎茸と(1954)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

フィードバック
フィードバック
feedback

出力の一部が入力側に戻って入力に加わり,出力に影響を及ぼすことで,帰還ともいう.入力と出力との比,つまり増幅率をμとし,出力のうち入力にフィードバックされる部分の比率,すなわち帰還率をβ,フィードバックのないときの増幅率を μ0 とすれば,μ0β > 0のときを正フィードバック,μ0β < 0のときを負フィードバックという.また,増幅率μは,

で示される.β > 1/μ0 のときは負性抵抗を生じて発振する.このようなフィードバックは,自動制御系や計測装置などいろいろな電子装置に取り入れられている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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