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ビロード

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ビロード
パイル織物の一種ポルトガル語の veludoまたはスペイン語の velludoの転訛語で,ベルベット velvetと同義語。天鵞絨とも書く。 13世紀イタリアの元ベルッティ Velluti家の発明に由来し,イタリア語でベルート vellutoと呼び,特に 14~16世紀にかけて,ルネサンスの代表的な服飾材料としてイタリアで生産され,ヨーロッパ各国に広まった。日本ではスペイン,ポルトガルの南蛮船渡来 (16~17世紀) 以降輸入され,豊臣秀吉の政策によって天正 16 (1588) 年京都の西陣で初めて生産された。主として絹,レーヨン,ポリエステル木綿などで織られ,服地,服飾品,室内装飾などに用いられる。

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世界大百科事典 第2版

ビロード
輪奈(わな)織の一種で,ベルベットvelvetに同じ。天鵞絨の字を当てる。語源はポルトガル語のveludoにあるといわれ,日本には16世紀ころスペイン,ポルトガルの南蛮船によって舶載された。その遺例として米沢上杉神社の上杉謙信所用と伝える緋地花唐文様のみごとなビロードのマントがある。日本では京都において織製されはじめたのは,《本朝世事談綺》によると正保・慶安(1644‐52)のころ,《西陣天狗筆記》によると元禄(1688‐1704)のころと記されており,いずれか判然としないが,江戸時代前期にはその織法が試みられたものと思われる。

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大辞林 第三版

ビロード【veludo】
表面が毛羽・輪奈わなでおおわれた、滑らかな感触のパイル織物。本来は絹。江戸初期に西洋から輸入され、のち京都で織り出された。ベルベット。 天鵞絨とも書く

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ビロード
びろーど
天鵞絨とも書き一名ベルベットという。添毛(てんもう)織物の一つで、織面に輪奈(わな)を出し、ときにはそれを切断して羽毛のようになった織物である。ビロードとは、ポルトガル語のベルードvelludo、スペイン語のベルードvelludeの転訛(てんか)した語といわれている。また天鵞絨の文字は、白い天の鳥という意味をもち、その品質をよく表している。
 ビロードの発祥地はよくわからないが、中世においてすでに地中海沿岸で生産されていた。イタリアではフィレンツェ、ミラノ、ジェノバなどの諸都市において生産され、とくにフィレンツェのウエルテ一家は著名であった。またジェノバは16、7世紀にとくに興隆した土地で、フランスやイギリス、その他の国々へ盛んに輸出されていた。フランスのリヨンの生産は1480年以後といわれる。とくにビロードのもつ柔軟な手ざわり、深みのある色調が喜ばれ、ヨーロッパ諸国の帝王をはじめ、紳士淑女が好んで用いてきたものであった。日本へビロードが輸入されたのは、天文(てんぶん)年間(1532~55)にポルトガル商船がもたらしたものであるが、慶安(けいあん)年間(1648~52)になってオランダ製品を模して織り始めた。そのとき製織技法がわからず、たまたまビロードの中に輪奈をつくるための銅線が残されていたので、これをもとにして製法を考案したといわれる。つまり輪奈の有線ビロードであり、針金を横に織り込んで輪奈をつくり、その輪奈の先を切って毛羽を立てたもので、針金の寸法によって毛羽の長短ができるわけである。綿ビロードの生産は、江戸末期から始まり、コール天は1894年(明治27)に至って生産開始をみるに至り、別珍(べっちん)は大正時代の初めから始まった。
 ビロードを大別すると、経毛(たてげ)ビロードと緯(よこ)毛ビロードに分けられるが、日本では経毛のものがほとんどで、これをビロードと総称しており、緯毛のもののおもなものに別珍(べっちん)(別名、綿ビロード・唐天(とうてん))がある。この添毛を使ったものは、糸の種類、仕上げにより、布面の光沢が強いものや落ち着いたものまで、いろいろの種類があり、地合いの透いてみえる薄地のものから、相当厚地のものまである。繊維は絹であったが、それに類似の人絹・ナイロンを使い、下級品には、木綿・スフも使われる。色調は濃紺(のうこん)、黒、えび茶、白などが多いが、ときには玉虫効果を表したものもある。用途は、婦人子供服地、帽子、肩掛け、室内装飾、椅子(いす)張りなど。[角山幸洋]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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事典 日本の地域ブランド・名産品

ビロード[染織]
びろーど
近畿地方、滋賀県の地域ブランド。
長浜市で製作されている。起源は江戸時代に遡るという。絹糸針金を織り込んで輪奈をつくり、先をカットして毛羽を立てる織物。やわらかな肌触り深みのある色調を特徴とする。軽くて温かく、着心地がよい。和装のコート地などに利用される。滋賀県伝統的工芸品。

出典:日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」
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