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パラドックス

デジタル大辞泉

パラドックス(paradox)
《「パラドクス」とも》「逆説」に同じ。

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世界大百科事典 第2版

パラドックス【paradox】
一般に正しいと思われていることに反することがらをいう。〈背理〉〈逆理〉〈逆説〉などともいわれる。語源的には,ギリシア語のpara(超えた,外れた,反した)とdoxa(考え,通念)の合成に由来する。一般に正しいと思われていることがらは必ずしも一定したものではなく,社会や時代によって異なる。したがってある社会でパラドックスと考えられることも別の社会ではパラドックスではない。コペルニクス理論が普及するまでは〈地球は動く〉ということはパラドックスとして扱われたであろう。

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大辞林 第三版

パラドックス【paradox】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

パラドックス
paradox
正当な推論方法に基づきながら,一般に認められている結論とは反対の,あるいは自家撞着する結論にいたる説をいう,論理学用語。逆説,逆理とも訳し,今日では二律背反も含めることが多い。古代ギリシアのエレアゼノンが提出した「飛ぶ矢は飛ばない」「アキレウスはカメに追いつけない」などのパラドックスは有名(→ゼノンのパラドックス)。主として実存に関する問題を扱う宗教や実存主義哲学(→実存主義)などでは,悟性的記述をこえるため,逆説的な表現によってしか真理が告げられないこともあり,その積極的な意義を肯定しなければならない。たとえば「色即是空」とか「無が存在の根拠」というような文である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

パラドックス
ぱらどっくす
paradox
ある命題とその否定命題が、ともに論理的に同等と思われる論拠をもって主張されているとする。これらの二つの命題が成り立つと結論する推論のなかに誤りが含まれていることを明確に指摘することができないとき、これら二つの命題を、パラドックス、逆理または逆説という。以下にその有名な例をあげる。
 エピメニデスEpimenidesのパラドックス(前6世紀ごろ)は、表現はいろいろあるが、たとえば「クレタ人はうそつきであるとあるクレタ人はいった」という命題をいう。「クレタ人はうそつきである」という小命題が正しければそのクレタ人はうそをいったことになり、小命題がうそであればそのクレタ人はうそをいっていないことになり、いずれにしても全体の命題は成立しない。
 エレアの哲学者ゼノンのパラドックス(前5世紀)は数個あるが、そのなかの二つをあげる。〔1〕俊足のアキレスがカメを追いかけても、カメに追い付くことはできない。なぜなら、アキレスが元のカメのいた所まできたときには、カメはなにがしか前進している。次にまたアキレスがそのときカメのいた所まできたときには、カメはまたなにがしか前進している。したがって、アキレスはカメに追い付くことはできない。〔2〕飛んでいる矢は、各瞬間において一定の位置を占める。すなわち、矢は各瞬間においてその位置で静止している。ゆえに矢は運動することができない。
 次は、集合概念についてのパラドックスである。〔1〕G・カントルのパラドックス(1899)。「Sはすべての集合の集合である」という命題があるとする。Sをすべての集合の集合、TをSの部分集合の全体のつくる集合とすれば、Tの濃度はSの濃度より大きい。同時にT⊂S(TはSの部分集合)であるから、Tの濃度はSの濃度より大きくない。したがって、この命題は成立しない。〔2〕B・A・W・ラッセルのパラドックス(1903)。「自分自身を元として含まない集合の集合」。自分自身を元として含まない集合の全体のつくる集合をNとする。このとき、N∈NとすればNNが、NNとすればN∈Nが導かれて矛盾がおこる。ここで、a∈A,aAはそれぞれ、「aは集合Aの元である」「aは集合Aの元でない」を表す。
 また、リチャードJ. A. Richardのパラドックス(1905)も有名で、いろいろあるが、その一つは「100字以内で定義できない最小の自然数」は、現にこの文によって100字以内で定義されているという種類の逆理で、エピメニデスの逆理が伝承されている。[西村敏男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

パラドックス
〘名〙 (paradox)
① 一見、不合理であったり矛盾したりしていながら、よく考えると一種の真理であるという事柄。また、それを言い表わしている表現法。逆説。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「俗人の考ふる全智全能は、時によると無智無能とも解釈が出来る。かう云ふのは明かにパラドックスである」
② 論理学で、ある命題と、それの否定命題が共に成り立つと結論され、その推論の中に誤りがあることを明確に指摘できない二命題。逆説。
③ 常理に反する説で、その説に反する正当な論拠を見いだしがたいもの。逆説。
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉再会「詭辯はよし給え。つまらんパラドックスは自分で自分を不幸にするやうなものだ」

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