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バルト【ばると】

日本大百科全書(ニッポニカ)

バルト(Roland Barthes)
ばると
Roland Barthes
(1915―1980)
フランスの批評家、記号学者。11月12日シェルブール生まれ。1962年、高等学術研究院研究指導教授。1976年コレージュ・ド・フランス教授。レビ・ストロース(文化人類学)、ラカン(精神分析)、フーコー(哲学)らと並び称される、いわゆる構造主義(文学)の代表者。
 マルクス主義とサルトルの影響のもとに文学形式の社会的責任を説く『零度のエクリチュール』Le degr zro de l'criture(1953)以来、ほとんどつねに批評の最先端を歩み、記号論的関心に貫かれた多彩な批評活動を展開。ブレヒト劇を熱烈に支持し、戦闘的な劇評を書き、ヌーボー・ロマンを擁護し(『エッセ・クリティック』1964)、ブルジョア社会の神話に痛烈な批判を加えた(『神話作用』1957)。テーマ批評(『ミシュレ』1954、『ラシーヌ論』1963)、記号学(『記号学の原理』1964、『モードの体系』1967)を手がけ、新旧批評論争を行い(『批評と真実』1966)、物語の構造分析を推し進め、古典的テクストを読み直し(『新=批評的エッセー』1972)、テクスト理論を実践する(『S/Z』1970、『サド、フーリエ、ロヨラ』1971、『テクストの快楽』1973)。
 1966年、来日。斬新(ざんしん)な日本文化論『表徴の帝国』(1970)を発表。晩年には、『文学の記号学』(1978)で述べているように、記号学的批評と創作の一体化を企て、一種の自叙伝『彼自身によるロラン・バルト』(1975)、一種の恋愛小説『恋愛のディスクール・断章』(1977)、一種のプルースト的小説『明るい部屋』(1980)を書いている。ほかに、映像論、音楽論を含む『自明の意味と鈍い意味』L'obvie et l'obtus(1982)、『言語のざわめき』Le bruissement de la langue(1984)、『記号学の冒険』L'aventure smiologique(1985)などがある。[花輪 光]
『宗左近訳『表徴の帝国』(1974・新潮社/ちくま学芸文庫) ▽佐藤信夫訳『彼自身によるロラン・バルト』(1979/新装版・1997・みすず書房) ▽花輪光訳『言語のざわめき』(1987/新装版・2000・みすず書房) ▽花輪光著『ロラン・バルト――その言語圏とイメージ圏』(1985・みすず書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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