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バイシェーシカ学派【バイシェーシカがくは】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

バイシェーシカ学派
バイシェーシカがくは
Vaiśeṣika
インドの正統バラモン哲学派の一つ。カナーダを創始者とする。この学派では,現象世界を実体属性,運動,普遍,特殊,内属の6種の範疇によって説明し,主体としての自我であるアートマンの存在を認めると同時にベーダ聖典を権威とするが,この理論の研究とヨーガの実践とによって究極の目的である解脱が達成されるとする。この学派の根本経典は『バイシェーシカ・スートラ』であり,またプラシャスタパーダはこの哲学思想をさらに発展させ『パダールタダルマ・サングラハ』という綱要書を著わしている。

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デジタル大辞泉

バイシェーシカ‐がくは【バイシェーシカ学派】
《〈〉Vaiśeṣikaの訳》インド六派哲学の一。実体・性質・運動・普遍・特殊・内属の六句義原理)を立て、無数の微塵(みじん)(原子)の結合から世界の現象を説明する。前1世紀ごろカナーダによって創始された。勝論(かつろん)。

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世界大百科事典 第2版

バイシェーシカがくは【バイシェーシカ学派 Vaiśeṣika】
インド哲学の一派。漢訳仏典では勝論(かつろん)と訳され,勝論学派とも呼ばれる。開祖はカナーダ(別名カナブジュ,カナバクシャウルーカ。紀元前後?)と伝えられる。この派の根本テキスト《バイシェーシカ・スートラ》は彼の作であることになっているが,実際には2~3世紀ころに現在の形に整えられたものである。4~5世紀ころに学匠プラシャスタパーダが現れ,〈スートラ〉に対する注釈的綱要書《句義法綱要》(別名《プラシャスタパーダ・バーシャ》)を著し,バイシェーシカ説を一応の完成の域に高めた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

バイシェーシカがくは【バイシェーシカ学派】
インドの六派哲学の一。実体・性質・運動・普遍・特殊・内属の六つの原理(句義)を立てて世界の現象を説明し、この六句義の知によって真の解脱げだつに達すると説く。紀元前一世紀頃カナーダが創唱。勝論かつろん。衛世師。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

バイシェーシカ学派
ばいしぇーしかがくは
Vaieika
インド六派哲学学派の一つ。紀元前後に成立し、一種のカテゴリー論を展開した。開祖はカナーダ(別名カナブジュ、カナバクシャ)であると伝えられている。この学派の根本経典『バイシェーシカ・スートラ』は彼の作であることになっているが、実際には、2~3世紀ころに現在の形に編纂(へんさん)されたものである。5世紀ころに学匠プラシャスタパーダが現れ、『句義法綱要』(別名『プラシャスタパーダ・バーシヤ』)を著し、この派の学説を明晰(めいせき)に整備した。この派は、「語の意味するところ」を原義とする句義についての説を展開した。普通は、実体、性質、運動、普遍、特殊、内属の六句義がたてられるが、後世、無を加えて七句義とすることもあった。また、『勝宗十句義論(しょうしゅうじっくぎろん)』は孤立した異説を唱え、六句義に、普遍かつ特殊(漢訳語で倶分(くぶん))、有能、無能、無を加えた十句義をたてた。実体は、地、水、火、風、虚空(こくう)、方角(空間)、時間、アートマン(自我)、意(思考器官)の9種に分類される。性質は、色、味、香、触、数、量、別異性、結合、分離、かなた性、こなた性、重さ、流動性、粘着性、音声、知識、楽、苦、欲望、嫌悪、努力、功徳、罪障、潜在的形成力の24種に分類される。運動は、上昇、下降、屈、伸、進行の5種に分類される。文法的な要素との関連でいえば、おおよそ、実体は名詞に、性質は形容詞に、運動は動詞に対応する。
 この派の一つの大きな特徴は、あらゆる物事を、徹底的に基体と属性、あるいは限定されるものと限定するものに分析し、その相互の関係を精密に研究、規定することにある。この基本姿勢は、ウッディヨータカラ(7~8世紀)やバーチャスパティミシュラ(9世紀)などの学匠を通して、姉妹学派であるニヤーヤ学派の知識論に決定的な影響を及ぼした。10世紀のウダヤナにおいて両派はほぼ完全に融合し、ナビヤ・ニヤーヤ(新ニヤーヤ)学派の形成の基礎が築かれた。[宮元啓一]

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