Rakuten infoseek

辞書

ハングル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ハングル
hangǔl
朝鮮語の表記に用いられる文字。音素を表わす要素の組合せでつくられる音節文字である。要素は,母音字 10,子音字 14ある。世宗 25 (1443) 年李朝第4代の王世宗のときに考案され,同 28年に「訓民正音」の名で公布された。当時は母音字 11,子音字 17あったがその後数が減って現在にいたっている。訓民正音がつくられたことによって,『竜飛御天歌』『釈譜詳節』『月印千江之曲』などが編纂刊行された。なお,諺文 (おんもん) とも呼ばれるが,漢字に対して卑下したを含むので,現在朝鮮ではハングル (大いなる文字) の名称を用いる。元朝 (1271~1368) のパスパ文字にヒントを得てつくられたとの説がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」

ハングル
朝鮮半島で主に使われる表音文字。「大いなる文字」を意味する。現在は10の母音、14の子音を組み合わせて表記する。固有の文字がなかった朝鮮半島では中国から伝来した漢字が使われたが、庶民層には理解できない人も多かった。このため、朝鮮時代の名君・世淑1397~1450)のもとで、簡単で庶民も分かりやすい文字として考案され、1446年に「訓民正音」として公布された。ただ朝鮮時代のエリート層には漢字より一段低い文字と見なす傾向が強く、女文字を意味する「アムクル」などとも呼ばれた。「ハングル」の名称は、崔の恩師でハングル研究の先駆者とされる周時経(1876~1914)が1910年前後に使い始めたとされる。日本の植民地支配からの解放後、北朝鮮では韓国以上に漢字の廃止が徹底して進められた。
(2010-03-31 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ハングル
《〈朝鮮語〉。大いなる文字の意》朝鮮固有の文字。1443年、李朝第4代世宗の命でつくられ、1446年「訓民正音」の名で公布。母音字11、子音字17を定め、これらの組み合わせで音節を表した。その後の音韻変化で、今は母音字10、子音字14からなっている。かつては諺文(おんもん)と卑称されたが今は言わない。朝鮮民主主義人民共和国ではチョソンクルと呼び、この24字に濃音5、複合母音11を加える。朝鮮文字

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ハングル【hang(■1)l】
朝鮮の国字。〈大いなる文字〉という意味であり,また〈訓民正音〉ともいう。かつては諺文(オンムン’ənmun)ともいい,日本でなまって〈おんもん〉と呼んだが,今日ではこの呼称は用いられない。
[構成]
 子音字母14,母音字母10からなる音素文字であるが,音節ごとに組み合わせた形で文字として用いられるので音節文字の性格も備えている。字母は1字で1音を表すが,現代語の喉頭化音(濃音)は子音字母を重ねて表し,母音で始まる音節を示す字母’と音節末のとは同じ字母の〈〉である(以下〈 〉内にハングルを示す)。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ハングル
朝鮮語。大いなる文字の意
朝鮮語の表記に用いられる音節文字。一〇の母音字母と一四の子音字母を組み合わせて音節を表す。1446年、朝鮮王朝第四代世宗が「訓民正音」として公布。諺文オンモン。朝鮮文字。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界の主要言語がわかる事典

ハングル【ハングル】
hangǔl(朝鮮)
チョソン(朝鮮)の国字。朝鮮語の音韻を分析してつくられた文字体系で、音素を表す字母(子音字母14種類、母音字母10種類)を組み合わせ、音節単位で文字をつくる。朝鮮語の音節は初声(子音)、中声(母音)、終声(子音)に分けられ、つくられる音節文字の種類は3000近くになる。1446年、李朝第4代の世宗(せいそう)の時代に、漢字(の音)を使ったそれまでの表記に代わるものとして考案され、フンミンジョンウム(訓民正音(くんみんせいおん))の名で公布された。漢字に対して長い間オンモン(諺文(げんぶん))の卑称で呼ばれたが、20世紀に入って「大いなる文字」「一つの文字」を意味するハングルの呼称が登場、やがて一般化した。◇朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)ではチョソングル(朝鮮文字)と呼ばれ、韓国と若干異なる。

出典:講談社
(C)Kodansha.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ハングル
はんぐる
朝鮮の国字。文字制定当時は「訓民正音」という名でよばれたが、ほどなく漢字漢文に対して「諺文(オンモン)」という卑称でよばれるようになった。李(り)氏朝鮮王朝末期の開化期の民族意識の高揚とともに「国文」とよばれ、さらに国語学者周時経が「ハングル」(han=大いなる、gr=文字)と命名し、今日に至っている。現在は韓国(大韓民国)でハングル、北朝鮮でチョソンクルとよんでいる。この文字は、1443年李朝第4代国王世宗の命によってつくられ、1446年に『訓民正音』という書物の形で公布されたもので、当時の朝鮮語の音韻を分析し、抽出された音素に該当する文字を人工的につくりだした、世界の文字史上画期的なものである。この文字は子音字と母音字とからなる音素文字であると同時に、音節単位でまとめて表記するという音節文字的性質も備えている。また、そこに、音節を初声(頭子音)、中声(母音)、終声(末子音)の三つの構成要素に分けるという、当時の中国音韻学ではみられなかった音節構造の新しい把握がみられる。制定当時は子音字17、母音字11で合計28字であったが、その後の音韻変化などの結果、現在は子音字14、母音字10の計24字である。子音字の制字原理は、中国音韻学の子音分類(調音位置による分類といってよい)のそれぞれに、基本字を音声器官の象形によって定め、そのなかの調音様式の違いによる変種は加画および並書(へいしょ)という方法でつくりだされる。母音字は、性理学的原理を記号化することによって三つの基本字を定め、それを対照的に組み合わせることによって他の母音字がつくられている。その組合せの対照性は、当時この言語に存在した母音調和を形成する2系列の母音の対立と一致する。文字創製後、この文字により仏典、経書その他多くの書物が刊行された。朝鮮民族はこの文字に強い誇りをもっており、韓国では世宗の訓民正音公布を記念し、10月9日を「ハングルの日」とし、祭日に定めている。[梅田博之]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ハングル
〘名〙 (han-gɯr 「大いなる文字」の意) 朝鮮固有の文字。李朝第四代の世宗によって制定され、一四四六年「訓民正音」として公布された。アルファベットのような表音文字でありながら、漢字の原理を取り入れ、母音字と子音字を組み合わせて音節単位に書くのが特徴で縦書きも横書きもできる。子音字は、口、歯、などの調音器官にかたどったものが基本となっている。制定当時は母音字一一、子音字一七の計二八字であったが、現在では母音字一〇、子音字一四の二四字が用いられている。なお、朝鮮民主主義人民共和国ではチョソンクルといい、さらに濃音字五、複合母音字一一を加えて合計四〇字が用いられる。朝鮮文字。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ハングル」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ハングルの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.