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ヌクレオチド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヌクレオチド
nucleotide
塩基+糖+リン酸の構造をもつ化合物。核酸を構成する構造単位であり,また遊離の形で細胞質にあるヌクレオチドは,エネルギー代謝や物質の中間代謝で役割を果す。塩基はプリンおよびピリミジン塩基で,糖はリボースデオキシリボースの2種があるが,まれにリビトールのような多価アルコールのものなど,例外もある。核酸塩基,糖,リン酸が1個ずつ結合したものはモノヌクレオチドで,遊離のものとしてアデノシン一リン酸,グアノシン一リン酸などがある。リン酸基が2個以上結合したものはアデノシン二リン酸,アデノシン三リン酸などと呼ぶ。モノヌクレオチド2個がリン酸基部分で結合し合ったジヌクレオチドとしてはNADFADなどの酸化還元補酵素がある。2分子以上のモノヌクレオチドが規則的に重合したものをオリゴヌクレオチド,非常に多くのモノヌクレオチドが重合して高分子化合物となったものをポリヌクレオチドという。核酸はポリヌクレオチドである。

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デジタル大辞泉

ヌクレオチド(nucleotide)
ヌクレオシドの糖部分に燐酸(りんさん)が結合した化合物核酸はこれが多数重合したポリヌクレオチドで、補酵素の構成成分にもなっている。アデニル酸グアニル酸など。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

ヌクレオチド
 塩基,ペントース,リン酸からなる物質で核酸の構成単位.アデニル酸,シチジル酸,グアニル酸,チミジル酸ウリジル酸デオキシアデニル酸デオキシグアニル酸など.ATP,ADP,GTP,GDP,デオキシグアノシン三リン酸,デオキシアデノシン三リン酸,チミジシ三リン酸,ウリジン三リン酸などもヌクレオチド.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ヌクレオチド【nucleotide】
核酸の構成単位にもなる低分子生体物質。塩基と糖がN‐グリコシド結合したものをヌクレオシドnucleosideと呼び,ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合したものをヌクレオチドと呼ぶ。塩基部分はプリン塩基,またはピリミジン塩基で,糖部分がリボースのものをリボヌクレオチドribonucleotide,デオキシリボースのものをデオキシリボヌクレオチドdeoxyribonucleotideと呼ぶ。これらは重合して,前者はRNA,後者はDNAを形成する。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ヌクレオチド【nucleotide】
ヌクレオシドの糖の水酸基にリン酸がエステル結合したもの。核酸の構成単位。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヌクレオチド
ぬくれおちど
nucleotide
ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合したものの総称。リボヌクレオチドでは糖の2'位、3'位、5'位にリン酸のついた異性体があり、デオキシリボヌクレオチドには3'位、5'位の異性体がある。ヌクレオチドが3'位と5'位で縮合した、すなわちリン酸が相隣るヌクレオシド間の3'位と5'位の間をジエステル結合によって結び付けた重合体を、ポリヌクレオチドという。天然の核酸を酵素的に分解すると、用いた酵素の性質によって3'位または5'位の異性体が選択的に生成される。リボ核酸(RNA)をアルカリで加水分解すると、2'位と3'位の異性体の混合物としてヌクレオチドが得られる。このとき、中間体として2'位と3'位の環状リン酸が形成されるが、諸種のリボヌクレアーゼの作用も同様に環状リン酸を中間体として生ずることが知られている。5'位のリン酸に、さらにリン酸、ピロリン酸が縮合したものを、それぞれヌクレオシドジリン酸、トリリン酸とよぶ。ジリン酸(ADP)、トリリン酸(ATP)をはじめとするこれらの化合物は、高エネルギーリン酸化合物としてエネルギー代謝に直接関与する。また、酸化還元反応の補酵素NAD(ニコチン(酸)アミドアデニンジヌクレオチド)やFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)、あるいは基転移反応に関与する諸物質(補酵素AやCDPコリンなど)中でも、これらのヌクレオチドが構成成分になっている。
 ヌクレオチドの生合成は、ピリミジン系ではまず塩基環ができてからグリコシド結合が形成されるのに対し、プリン系ではリボース-5-リン酸にグリシンその他の分子が順次結合して塩基部分ができあがる。デオキシリボヌクレオチドは、リボヌクレオチドの糖部分の還元によって生成する。このほか、特殊なヌクレオチドとして3'5'-環状AMP(アデノシン一リン酸)が特異な情報活性を示すことが報告されている。ヌクレオチドの糖とリン酸との間の結合を加水分解して無機リン酸とヌクレオシドを生成する酵素をヌクレオチダーゼという。[景山 眞]

食品

食品に含まれるヌクレオチドはうま味を呈する成分として重要である。その代表的なものがカツオのうま味の主成分の5'-イノシン酸とシイタケのうま味の主成分の5'-グアニル酸である。この両者のうま味成分は、酵母や微生物を原料に、ナトリウム塩として製造され、核酸系調味料とよばれている。主成分であるグルタミン酸ナトリウムに少量(5~12%)の核酸系調味料を配合すると強いうま味が出る。これを複合調味料とよび、一般にだし用として普及している。[河野友美・山口米子]
『水野義久・光延旺洋著『合成化学シリーズ ヌクレオシド・ヌクレオチドの合成』(1977・丸善) ▽林浩平著『現代の栄養学』(1986・三共出版) ▽山田秀明編『酵素の新機能開発』(1987・講談社) ▽ウォルフラム・ゼンガー著、西村善文訳『核酸構造(上)』(1987・シュプリンガー・フェアラーク東京) ▽C・R・パターソン著、村地孝監訳『ヒューマン バイオケミストリー』(1990・化学同人) ▽藤田敏郎他著『日本人の食習慣の特徴と疾患』(1992・第一出版) ▽谷吉樹著『応用微生物学』(1992・コロナ社) ▽有坂文雄著『スタンダード 生化学』(1996・裳華房) ▽藤野安彦編、片山真之・片山洋子著『食品・栄養のための生化学』(1996・産業図書) ▽木本英治著『ヌクレオチドの分子栄養学』(1997・開成出版) ▽三浦謹一郎編『構造生物学』(1998・朝倉書店) ▽P・リッター著『リッター生化学』(1999・東京化学同人) ▽D・ヴォート他著、田宮信雄他訳『ヴォート基礎生化学』上下(2000・東京化学同人) ▽林淳三監修、木元幸一・後藤潔編著『生化学――人体の構造と機能』(2003・建帛社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ヌクレオチド
〘名〙 (nucleotide) ヌクレオシドの糖部分が燐酸エステルになったもの。核酸はヌクレオチドが多数重合したポリヌクレオチドである。〔生物と無生物の間(1956)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

ヌクレオチド
ヌクレオチド
nucleotide

ヌクレオシドのリン酸エステルの総称.核酸はヌクレオチドの重合体であり,ポリヌクレオチドという.ヌクレオチドを単量体として表すときにはモノヌクレオチドといい,2個以上10個程度までの重合体をオリゴヌクレオチドという.構成糖の違いによりリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドがあり,また,リン酸基の結合位置の相違により5′-,3′-または2′-リボヌクレオチドとよぶ.ヌクレオシド5′-二リン酸の代表的なものは,ADP,GDP,CDP,UDPであり,ヌクレオシド5′-三リン酸では,ATP,GTP,CTP,UTP,dATP,dGTP,dCTP,TTPがよく知られている.そのほか,補酵素作用のあるNAD,NADP,FMN,FADなどもヌクレオチドとよばれることがある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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