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トリプシン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

トリプシン
trypsin
膵臓より分泌される強力な蛋白分解酵素。摂取した蛋白が胃液ペプシンの作用を受けると,次いでこのトリプシンの作用を強く受ける。膵臓でつくられる酵素は,活性のないトリプシノーゲンという,トリプシンの酵素前駆体で,このトリプシノーゲンが膵液に含まれて十二指腸に分泌され,腸液中のエンテロキナーゼという酵素によって活性化されて,トリプシンとなる。また,このトリプシン自体がトリプシノーゲンを活性化する働きをする。

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デジタル大辞泉

トリプシン(trypsin)
消化酵素の一。膵臓(すいぞう)から分泌され、腸内で活性化され、たんぱく質加水分解してペプトンポリペプチドにする。

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栄養・生化学辞典

トリプシン
 [EC3.4.21.4].膵液に含まれるプロテアーゼの一つ.トリプシノーゲンはその前駆体.ペプチド結合の中の塩基性アミノ酸のカルボキシル側のペプチド結合を加水分解する.エステラーゼ作用ももつ.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

トリプシン【trypsin】
消化酵素の一つで,タンパク質分解酵素。膵臓から不活性のトリプシノーゲンtrypsinogenとして十二指腸内に分泌され,エンテロキナーゼにより分子の端が切断されてトリプシンとなり,pH8.0付近で活性をもつ。トリプシン自身もトリプシノーゲンを活性化するほか,他の不活性の酵素前駆物質を活性化する。腸内で食物中のタンパク質を分解する。トリプシンはタンパク質分子の端から分解していくのではなく,分子の内部,すなわちポリペプチドの中のアルギニン,リジンのカルボキシル基のところを分解するエンドペプチダーゼである。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

トリプシン【trypsin】
膵液すいえきに含まれる消化酵素の一。腸内で食物中のタンパク質およびその分解産物であるプロテオースやペプトンに作用し、ポリペプチドと少数のアミノ酸を生ずる。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

トリプシン
とりぷしん
trypsin
プロテアーゼ(タンパク分解酵素)の一つ。消化酵素の一つで高等動物の膵液(すいえき)中に存在する。1874年ドイツの生理学者キューネWilhelm Khne(1837―1900)が命名した。膵臓で不活性の前駆体トリプシノゲンがつくられ、膵液中に分泌されて十二指腸に達し、ここでエンテロペプチダーゼあるいはトリプシン自身によって活性化され、トリプシンとなる。このとき、トリプシノゲンのN末端の6個のアミノ酸からなるペプチド(H2N-Val・Asp・Asp・Asp・Asp・Lys)が遊離される。トリプシンは小腸でタンパク質の消化に重要な役割を担っている。すなわち、ペプシンにより胃内で加水分解を受けてできたペプチドは、小腸において、さらにキモトリプシンとトリプシンによって加水分解され、小さなペプチドになる。このペプチドは、さらにカルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼなどの作用で、最終的にはアミノ酸の混合物となって吸収される。
 トリプシンは、ペプチド鎖の途中を加水分解するエンドペプチダーゼの一つで、基質特異性が高く、L‐アルギニンまたはL‐リジンのペプチド、エステルのカルボキシ基(カルボキシル基)側を加水分解する。最適pHは8付近である。pH2~3で安定で、そのまま冷所で数週間の保存が可能である。pH5以上では自己消化で失活し、カルシウムイオンで安定化される。重金属、ジイソプロピルフルオルリン酸(DFP)、トリプシン阻害剤によって阻害される。単純タンパク質からなり、ウシのトリプシンは分子量2万4000の1本鎖ポリペプチドで、等電点pH10.5のアルカリタンパク質である。223個のアミノ酸からなり、その配列順序はカナダの生化学者ウォルシュKenneth Andrew Walsh(1931― )らによって1964年に決められた。
 反応機構に関してはもっともよく研究されている酵素の一つで、活性中心にセリン残基を含むセリンプロテアーゼの一つである。ヒスチジン残基も活性中心に存在する。精製は、トリプシノゲンとしてウシの膵臓から酸抽出し、硫酸アンモニウムで分別してpH8で結晶化し、再結晶を繰り返して精製される。
 なお、膵臓にはトリプシン阻害物質(インヒビター)も存在し、ウシでは56のアミノ酸からなる分子量6155のポリペプチドで、トリプシンを阻害するが、キモトリプシン、カリクレイン、ウロキナーゼは阻害しない。これは大麦などの穀類、大豆などの豆類、そのほかにも存在する。[降旗千恵]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

トリプシン
〘名〙 (trypsin Trypsin) 膵臓(すいぞう)から分泌される蛋白質分解酵素の一つ。黄色から灰黄色の粉末あるいは結晶。水によく溶ける。
※紋章(1934)〈横光利一〉六「ペプシンやトリプシンは豚の腹綿からとるさうぢゃありませんか」

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