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トリニトロトルエン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

トリニトロトルエン
trinitrotoluene
爆薬の一つ。6つの異性体があるが,用いられるのは2,4,6-トリニトロトルエンで,TNTと略称される。化学式は C7H5N3O6 。淡黄色柱状晶。融点 80.7℃。 1863年に J.ウィルブランドによって発見された。トルエンに濃硝酸濃硫酸を作用させてつくる。兵器用爆薬 (炸薬) として使われ,また硝酸アンモニウムと混ぜて工業爆薬として使われる。蒸気は有毒。 TNT当量は核兵器のエネルギーを示す単位としても使われる。

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世界大百科事典 第2版

トリニトロトルエン【trinitrotoluene】
TNTの別名で知られる高性能爆薬で,第2次大戦中に大量に使われ,日本ではトロチルtrotyl,茶褐薬などとも呼ばれた。以前はピクリン酸(下瀬火薬)が主要炸薬として用いられたが,いくつかの欠点をもつためTNTにとって代わられた。トリニトロトルエンには2,3,4‐,2,4,5‐,2,4,6‐などの異性体があるが,爆薬に使われるのは2,4,6‐トリニトロトルエンで,他の異性体を分離精製して用いられる。淡黄色の結晶で,結晶比重1.654,融点80.89℃である。

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大辞林 第三版

トリニトロトルエン【trinitrotoluene】
トルエンに硝酸と硫酸との混合物を作用させて得られる化合物。化学式 C6H2CH3(NO23 普通、六種の異性体のうち 2 、 4 、 6 トリニトロトルエンをさす。これは淡黄色針状結晶で爆薬として広く用い、 TNT と略称される。褐色火薬。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

トリニトロトルエン
とりにとろとるえん
trinitrotoluene
TNTの別名で知られる高性能軍用爆薬。日本ではトロチル、茶褐薬などともよばれた。TNTは1863年ドイツのウィルブラントJulius Wilbrand(1839―1906)によってつくられた。1920年代まではピクリン酸(下瀬(しもせ)火薬)が主要軍用爆薬として存在したが、いくつかの欠点をもつために、それらの欠点のないTNTと併用された。
 炸薬(さくやく)として使われるTNTは、2,4,6-トリニトロトルエンで、他の異性体を分離精製して用いられる。淡黄色の結晶。発火点は475℃、アルカリが加わると低くなる。吸湿性はなく、水に不溶で、濃硫酸、濃硝酸および多くの有機溶媒に溶ける。示差熱分析における分解温度は250℃、爆速は比重1.6で毎秒6900メートルである。摩擦および打撃に対しては比較的鈍感で、安定性もよい。ピクリン酸と異なり、重金属と反応して摩擦、打撃に非常に敏感な金属塩をつくることもない。
 融点が80.8℃と低いので、砲弾などに溶填(ようてん)することが容易で、炸薬としてもっとも多く使われてきた。単独でも使われるが、他の爆薬と混合しても用いられる。二成分含TNT爆薬の例としてはペントライト(PETNとの混合物)、シクロトール(ヘキソーゲン=RDXとの混合物)、アマトール(硝安との混合物)、オクトール(オクトーゲン=HMXとの混合物)、トリトナール(アルミニウムとの混合物)などがある。RDX60%、TNT40%および少量のワックスからなるコンポジションBも第二次世界大戦中に大量に使われた炸薬の一つである。
 製造が比較的容易なこともTNTの一つの特長である。トルエンと硝酸を原料とし、濃硫酸および発煙硫酸を副原料として3段階のニトロ化反応を経て製造される。[吉田忠雄・伊達新吾]

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精選版 日本国語大辞典

トリニトロトルエン
〘名〙 (trinitrotoluene) トルエンのニトロ化合物。分子式 C6H2(CH3)(NO2)3 淡黄色柱状晶。トルエンを混酸でニトロ化してつくる。加熱、衝撃、摩擦などにより爆発する。鈍感で毒性が少なく、金属に作用しないので爆弾の炸薬として用いられるほか、硝酸アンモニウムを混ぜ、アマトール・工業爆薬としても用いられる。略称TNT。

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デジタル大辞泉

トリニトロトルエン(trinitrotoluene)
トルエンニトロ化した化合物。黄色の柱状結晶。爆薬。TNT。

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