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デフレーター

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

デフレーター
deflator
各種の経済変量の時系列の時比較を行う場合,その経済変量が貨幣タームで表現されていれば,その貨幣価値の変動を除去する (これを実質化という) 必要が生じてくる。デフレーターとは,これらの経済変量の物価変動を除去するために用いられる物価指数をさす場合が多い (物価デフレーター) 。実質化の方法は,時価表示の時系列をそれに対応する物価指数で割ることによって求められるが,これをデフレートするという。国民総生産 GNPなどの国民所得統計では,名目値実質値で割り事後的にデフレーターを求める場合があり,これをインプリシット・デフレーターという。

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知恵蔵

デフレーター
国民所得統計の名目値(時価表示)を実質値(不変価格表示)に換算するのに用いられる物価指数で、パーシェ型指数で計算される。一般的に、GDPデフレーターが用いられることが多い。GDPデフレーターは、消費や投資など需要項目ごとに実質値を求め、その合計(=実質GDP)で名目GDPを除したもの。例えば、需要項目が2つの品目から成り立つと仮定し、それぞれの品目の名目値をX1、X2、それぞれのデフレーターをP1、P2とすると、この需要項目の名目値(X)はX1+X2、実質値(XR)はX1/P1+X2/P2となる。全体のデフレーター(P)はX/XRで計算され、P1とP2から直接的に求められるのではない。このことから、全体のデフレーターをインプリシット(暗示的)・デフレーターということもある。全般的な物価水準を表すGDPデフレーターは、1998年度以降マイナスを続けており、デフレ経済の象徴の1つ。なお、国内の物価水準の判断には、GDPデフレーターよりも、原油や一次産品価格など価格の変動が激しい輸出入物価の影響を除いた国内需要デフレーターの方が適当な指標であるとする見方もある。
(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

デフレーター(deflator)
国民総支出などの経済量を異なった時点で比較するとき、その間の価格変動による影響を除いた実質値を割り出すために用いられる物価指数価格修正因子

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世界大百科事典 第2版

デフレーター【deflator】
経済学においては,しばしば国民総生産(GNP),消費,投資等の集計量が用いられる。これらの量については名目値と実質値が存在する。集計量でない一つの,たとえばミカンについていえば,前者はミカンの〈価格×数量〉に,後者はミカンの〈数量〉に対応する。したがって前者を後者で割れば価格に等しい。集計量の場合についても,それに含まれる財のいわば平均の価格と数量に対応するものをそれぞれ一つの数値で近似的に表すと便利である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

デフレーター【deflator】
物価指数の一。国民総生産などの経済量の異時点間にわたる比較をする際、基準時からの価格変動による影響を取り除くための指数。価格修正因子。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

デフレーター
でふれーたー
deflator
ある経済量の金額表示の値(名目値)から、物価上昇分を除去(これをdeflateとよぶ)して実質値を得るために用いる物価指数のこと。名目値は、ある時点における取引価格で表した経済価値であり、そのなかには数量と価格の両方の変動が含まれる。ここから価格変動の要因を取り除き、実質値を求めるために考案された概念がデフレーターである。三者の間には以下の関係が存在することになる。

 デフレーターの代表は、国民経済計算(「GDP統計」ともよばれる)におけるデフレーターである。いま、財(商品)iの基準時(比較の基準となる時点)の価格、比較時(t時点)の価格を、それぞれp0iptiとし、その財の基準時の購入量、比較時の購入量をq0iqtiとすると、実質値は下記の式の左辺のように表現でき、右辺のように分解できる。

 右辺の第1項は、比較時における各財の価格と数量を掛け合わせたものの合計なので名目値となる。右辺の第2項はデフレーターであるが、パーシェ指数の考え方に基づく物価指数となっている。GDP統計におけるデフレーターがパーシェ指数の考え方に基づくのは、以上の関係からである。
 さらに、国内総生産(GDP)全体のデフレーター(GDPデフレーター)については、民間最終消費支出などの需要項目ごとに実質値と名目値を推計し、名目値の合計(名目GDP)を実質値の合計(実質GDP)で割ることで求められている。こうしたデフレーターをインプリシット・デフレーターimplicit deflatorとよぶ。
 さて、前述の式の右辺第2項のデフレーターは、固定基準年方式に基づくパーシェ指数である。また、両辺の基準時の金額で除すと、下記の式のとおり、左辺は固定基準年方式に基づくラスパイレス指数、右辺の第1項は基準時で評価した金額指数となる。このような固定基準年方式におけるラスパイレス指数とパーシェ指数の関係から、実質の需要項目の合計が実質GDPに等しいという加法整合性が成り立っていた。

 一方で、固定基準年方式のラスパイレス指数とパーシェ指数は基準時から離れるほど物価水準などを過大あるいは過小に推計する傾向がある。デジタル化の進展に伴い、2000年代初頭になるとパーシェ指数であるGDP統計のデフレーターの下方バイアス(結果として実質GDPの上方バイアスを生む)が問題視されてきた。また、GDP統計の国際基準においても連鎖方式のデフレーターが推奨され、アメリカ、カナダ、イギリスなどで導入が相次いだ。
 以上のことから、内閣府は、2004年(平成16)12月8日に公表された2004年7~9月期の四半期別GDP速報の2次速報から連鎖方式のデフレーターを導入した。この結果、固定基準年方式における加法整合性が成立しなくなり、実質の需要項目の合計と実質GDPの間にずれ(開差とよばれる)が生じることとなった。なお、基準時(2018年時点では「2011年」)においては名目と実質が等しいとみなして推計しているので、実質の需要項目の合計は実質GDPに等しい。
 GDPデフレーターはよく総合的な物価指数とよばれるが、国内における総合的な物価指数としては国内需要デフレーターのほうがふさわしい。ここで国内需要とは、民間最終消費支出、民間住宅投資、民間企業設備投資、民間在庫変動、政府最終消費支出、公的固定資本形成、公的在庫変動の合計である。GDPはこの国内需要に輸出を加え、輸入を差し引いて計算される。ここで、原油価格の高騰などで輸入デフレーターが上昇する一方、国内需要デフレーターや輸出デフレーターが十分に上昇しないと、国内需要デフレーターは上昇してもGDPデフレーターは下落する。こうした状況は2000年代に発生し、原油価格など投入コストが上昇しても、国内で長引いたデフレーション(デフレ)によってそれを十分に転嫁できず、企業収益や賃金にしわ寄せがおきていた。したがってGDPデフレーターは、価格転嫁が十分に行われているかどうかの尺度とみなすことができる。[飯塚信夫]

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精選版 日本国語大辞典

デフレーター
〘名〙 (deflator) 経済諸量の時系列分析で、実質的な価格変動を算出するために用いる価格修正因子。

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