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テセウス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

テセウス
Theseus
ギリシア神話の英雄アテネアイゲウスが,デルフォイからの帰途トロイゼンに立寄ったおりに,ピッテウス王の娘アイトラと一夜の交わりをもちもうけた子とされるが,実の父はポセイドンともいわれる。トロイゼンで育ち,16歳になったときアイゲウスが残していった剣とサンダルを大岩の下から取出し,この証拠の品を持って,途中多くの悪者たちを退治しながらアテネに行き,アイゲウスの妻になっていたメデイアの妨害を排し,父に認知された。そのあとクレタに行き,怪物ミノタウロスを退治して,帰国後アテネの王位についたが,以後も無二の親友ペイリトオスとともに,まずスパルタからヘレネをさらってきてアイトラに預け,次に冥府にペルセフォネをさらいに行って,ハデスに捕えられ,ヘラクレスに解放されてようやく上界に帰還するなど,多くの冒険をした。アマゾンの女王アンチオペと結婚して,息子ヒッポリュトスをもうけたが,のちに再婚したミノス王の娘ファイドラ讒言を信じ,無実のこの息子を死にいたらしめたとされ,最後にはスキュロス島で,リュコメデス王により殺されたという。

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デジタル大辞泉

テセウス(Thēseus)
ギリシャ神話の英雄。父王アイゲウスの死後、アテナイ王となり、アッティカ地方の町村を一国家に統合した。クレタ島迷宮にひそむ怪物ミノタウロスを討ったほか、アマゾン征伐・冥府下りなどの業績が伝えられる。
[補説]作品名別項。→テセウス

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テセウス【Thésée】[歌劇]
リュリ作曲の歌劇序曲と5幕。1675年パリで初演。キノー脚本。アテナイ王テセウスを主人公とする作品。叙情悲劇の代表作として知られる。フランス語の読みに従い「テゼ」ともする。

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世界大百科事典 第2版

テセウス【Thēseus】
ギリシア伝説で,アテナイの英雄。アテナイ王アイゲウスとトロイゼンの王女アイトラの子。ヒッポリュトスの父。トロイゼンで生まれ育った彼は,若者となってから,父が岩の下に隠しておいた刀とサンダルを取り出してアテナイを訪れ,父からわが子と認められた。当時アテナイは,クレタ島の迷宮(ラビュリントス)に住む牛頭人身の怪物ミノタウロス餌食に毎年14人の少年少女を送ることを強いられていたが,彼はみずからその数に加わり,彼に恋したクレタ王ミノスの娘アリアドネAriadnēから,迷宮内で道に迷わぬよう糸球の策を授けられて,みごとミノタウロスを退治した。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

テセウス【Thēseus】
ギリシャ神話で、アテナイの国民的英雄。アテナイ王アイゲウスの子。亡父の後を継いでアテナイの王となり、アッティカ地方を統一。ミノタウロス退治・アマゾン国遠征・半人半馬ケンタウロスたちとの闘いなどヘラクレスと同様数多くの冒険・武勇譚が伝わる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

テセウス
てせうす
Theseus
ギリシア神話の英雄。アテナイ(アテネ)王アイゲウスの子。ポセイドンの子とする説もあった。アイゲウスはデルフォイの神託を伺っての帰路、トロイゼン王ピッテウスの客となるが、ピッテウスに酒を飲まされて酔ったままその娘アイトラと寝かされた。やがてアイトラは懐妊する。アイゲウスは帰国するとき、もし男子が生まれたなら父の名を教えずに育て、成人したら、かねてより隠しておいた剣とサンダルを大岩から取り出させて父の名を教え、さらにそれを証拠にアテナイまでくるよう言い残した。青年になったテセウスは、剣とサンダルを取り出してアテナイに向かうが、安全な海路をとらずに危険の多い陸路を選び、途中旅人を苦しめる山賊や野盗をことごとく退治した。父の妻となっているメデイアの悪事を退けて初めて父子対面となった。テセウスは、その後ミノタウロス退治のため自ら貢ぎ物となる男女に混じってクレタ島へ赴き、彼に恋したアリアドネの助けにより大功をたてた。アテナイの王位についてからは、アッティカを統一して国家の基礎を固めたが、のちに王位から追放されると、スキロス島に亡命、この地の王に殺されたと伝えられる。
 彼の武勇を伝える物語はヘラクレスの伝説に酷似しており、焼き直しと考えられるところがある。つまりドーリス系の英雄ヘラクレスに対抗して、アテナイの国民的英雄としてテセウスの伝説が発達したらしく、さらに彼の伝承の背後には実在の人物が存在していたかもしれないが、その真相は明らかではない。[伊藤照夫]

伝承上の事績

伝承によれば、アテナイの歴史上重要な業績がテセウスに帰せられている。すなわち、彼は王位につくと、アッティカにある村や町を合併し、アテナイを首都とする国家に統一した(いわゆるシノイキスモス)。この事績は後世シノイキア祭として長く祝われた。しかし、アッティカがある時期小国に分裂しており、のちに統一されたことは確実視されているが、いつ、だれにより、いかなる歳月をかけて統一されたか不明である。今日の有力説に従えば、統一にはかなりの年月を要し、完成したのは紀元前8世紀、エレフシスの合併はさらに1世紀遅れたと考えられる。
 また、テセウスは、専制を廃し、市民を貴族、農民、工人に分け、この区分に立脚した民主政をつくり、アテナイの国家成立に重要な役割を果たしたとされるほか、イストミア祭、パンアテナイア祭を開催したと伝えられる。なお、前5世紀の初め、ペルシア戦争後、アテナイの将軍キモンはスキロス島で彼の骨なるものを発見、アテナイに持ち帰り、埋葬したとも伝えられ、毎月8日にテセウスの祭が行われたといわれる。
 テセウスに関する史料は、プルタルコスの『英雄伝』に所収されている「テセウス伝」が重要である。[真下英信]
『太田秀通著『テセウス伝説の謎』(1982・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典

テセウス
(Theseus) ギリシア神話のアテナイの英雄。アテナイ王アイゲウスの子で、ヒッポリュトスの父。クレタ島の迷宮に住む牛頭人身怪物ミノタウロス退治や女族アマゾンの国の征服など数多くの冒険譚がある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

テセウス
Theseus
ギリシア神話の英雄
クレタ島の怪物ミノタウロス退治で有名。アテネ建設のといわれ,女族アマゾン,半人半馬のケンタウロスと闘うなどの冒険が伝えられる。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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