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チボー家の人々【チボーけのひとびと】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

チボー家の人々
チボーけのひとびと
Les Thibault
フランスの小説家ロジェ・マルタン・デュ・ガール大河小説。 1922~40年刊。8部 11巻から成る。伝統的大ブルジョア家庭の2人の息子アントアーヌとジャックの精神遍歴を,20世紀初頭から第1次世界大戦に向って不可避的に進んでいく時代を背景に描く。全編を通じて,精神と肉体運命正義など,人生の根本問題を誠実な態度で追求している。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

チボーけのひとびと【チボー家の人々】
原題、〈フランスLes Thibaultマルタン=デュ=ガールの大河小説。全8部。1922~1940年刊。第一次大戦前から戦中にかけてのフランス社会の混迷を背景に、若い世代の苦悩に満ちた運命を描く。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

チボーけのひとびと【チボー家の人々 Les Thibault】
フランスの作家R.マルタン・デュ・ガール長編小説。1922‐40年刊。20世紀フランス文学の代表的な〈大河小説〉のひとつと目されているこの作品は,8部11巻より成り,作者は完成までに18年の歳月を費やしている。第1部《灰色のノート》,第2部《少年園》,第3部《美しい季節》,第4部《診察》,第5部《ラ・ソレリーナ》,第6部《父の死》,第7部《1914年夏》,第8部《エピローグ》というふうに構成されているこの大作は,20世紀初頭から第1次大戦にかけての十数年を時間の枠組みとしている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

チボー家の人々
ちぼーけのひとびと
Les Thibault

フランスの作家マルタン・デュ・ガールの大河小説。1922~40年刊。『灰色のノート』(1922)、『少年院』(1922)、『美しい季節』(1923)、『診察』(1928)、『ラ・ソレリーナ』(1928)、『父の死』(1929)、『1914年夏』(1936)、『エピローグ』(1940)の八編からなる。敬虔(けいけん)なカトリック教徒で実業家のオスカル・チボーの2人の息子、アントアーヌとジャック、ジャックの友人でプロテスタントの家庭の息子ダニエルの3人の若者を中心に、まず展開されていく。アントアーヌは秀才で将来を嘱望される医師で現実主義者として、ジャックは成功者で典型的なブルジョアの父親に反抗し少年院に入れられる理想主義者として、ダニエルは、母親である美しいフォンタナン夫人の寵愛(ちょうあい)を一身に受ける、ませた享楽主義者として描き出され、『チボー家の人々』最初の6巻では、これら3人の主人公が第一次世界大戦前の典型的なブルジョア家庭で、どのようにしてそれぞれ思春期を経て異なった三つの人格を形成していくかが物語られる。

 しかし第七巻の『1914年夏』になると、焦点は、数年前家出して革命家の群れに投じ、いま歴史の流れを止めようとする反戦主義者として現れるジャックと、すでに医師として一家をなしたが歴史の流れに翻弄(ほんろう)される平凡な市民アントアーヌに絞られ、2人を通じて大戦直前の緊迫した社会の動きそのものが小説の前面にせり出してくる。こうした歴史小説としての結構をはっきりとみせるこの巻のあとに、そのような歴史への批判とでもいった形で『エピローグ』がくる。ここでは、反戦びらをまきながら飛行機事故で墜落したジャックの死後、ダニエルは戦場で身障者となり、アントアーヌも毒ガスのため余命いくばくもないといった、まさに崩壊しつつある大戦中のチボー、フォンタナン両家が描かれる。そしてその全編を貫くのは、ジャックとダニエルの妹ジェンニーとの間に生まれた遺児ジャン・ポールへのかすかな希望がかいまみられるにせよ、いまや歴史への深い懐疑を抱き出した、死を待つアントアーヌの灰色の思念にほかならない。こうして二つの家族の歴史は、そのまま第一次大戦そのものの歴史とぴったり重なり合い、ここにたぐいまれなみごとな歴史小説が完成される。

[渡辺一民]

『山内義雄訳『チボー家の人々』全五巻(1956・白水社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

チボーけのひとびと【チボー家の人々】
(原題Les Thibault) 長編小説。全八部。マルタン=デュ=ガール作。一九二二~四〇年刊。チボー家の次男ジャックと兄アントワーヌの対照的な生き方を通じて、さまざまな青春の群像と、第一次大戦にまきこまれるフランスを描く。第七部「一九一四年夏」によって、一九三七年ノーベル文学賞を受賞。

出典:精選版 日本国語大辞典
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