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ゼンガー事件【ゼンガーじけん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ゼンガー事件
ゼンガーじけん
アメリカにおける新聞の自由,言論・表現の自由を確立するうえで重要な事件。 1732年イギリス本国からニューヨーク植民地に赴任した総督 W.コズビーは,市民の諸権利を無視して暴政をしき,唯一の新聞『ニューヨーク・ガゼット』は買収され,御用新聞になっていた。市民たちは 33年 11月5日,『ニューヨーク・ウィークリー・ジャーナル』 New York Weekly Journalを創刊し,コズビー批判の論陣をはった。その編集者がドイツ生れの印刷業者 J.ゼンガーである。コズビーは,同紙が治安妨害の中傷記事を掲載したという口実で,その7,47,48,49号の焼却を命じ,34年 11月 17日ゼンガーを逮捕し,さらにゼンガーを援助しそうなニューヨーク在住の弁護士たちの登録を抹消した。しかし,フィラデルフィアから駆けつけた弁護士 A.ハミルトン (1676~1741) により,35年8月4日の裁判で,ゼンガーは無罪をかちとった。

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世界大百科事典 第2版

ゼンガーじけん【ゼンガー事件】
植民地時代の18世紀アメリカのニューヨークで,《ニューヨーク・ウィークリー・ジャーナルNew York Weekly Journal》紙(1733年11月5日創刊)を出していたゼンガーJohn Peter Zengerがイギリス本国政府任命の総督を批判してひき起こした筆禍事件(言論裁判)。総督W.コスビーは,《ニューヨーク・ガゼット》を御用新聞として使っていたため,本国政府およびコスビーの政策に不満な住民有力者たちは,ドイツ系移民の印刷者ゼンガーを援助してこの新聞を出させた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ゼンガー事件
ぜんがーじけん
植民地時代のアメリカで起こった名誉毀損(きそん)事件。1734年、ニューヨークの新聞発行者ゼンガーJohn Peter Zenger(1697―1746)が『ニューヨーク・ウィークリー・ジャーナル』紙上で総督府の政治批判を行ったため、治安妨害を理由に逮捕された。ドイツ生まれのゼンガーは、1710年にアメリカに渡り、『ニューヨーク・ガゼット』紙が総督の御用紙であることに対抗、アレグザンダーJames Alexander(1691―1756)らの支持を得て33年前述の『ジャーナル』を発刊、コズビーWilliam Cosby(1690―1736)総督を攻撃した。裁判では、事実を報道する権利を主張したハミルトンAndrew Hamilton(1676―1741)の弁護により、ゼンガーの無罪が認められた。名誉毀損における刑事裁判で、報道内容が事実に基づくことを立証することにより、初めて無罪を確定したこの事件は、アメリカにおける言論出版の自由の歴史上もっとも重要な事件とされている。[鈴木ケイ]
『磯部佑一郎著『アメリカ新聞物語』(1971・ジャパンタイムズ)』

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