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シリア王国【シリアおうこく】

世界大百科事典 第2版

シリアおうこく【シリア王国】
セレウコス1世が創建した王国。前305‐前64年。ヘレニズム時代の,プトレマイオス朝エジプト,アンティゴノス朝マケドニアとならぶ強国のひとつ。セレウコス王国とも呼ぶが,前300年オロンテス河畔にアンティオケイア(アンティオキア)を建設し首都としてより,終始北シリアを王国の核心部分としたのでこの名がある。
[歴史]
 セレウコス1世はアレクサンドロス大王の死後バビロニアの総督となり,前312年地歩を確立(セレウコス朝暦第1年),大王の後継者たち(ディアドコイ)の争いの渦中で勢力を拡大し,西は小アジアから東はインド国境におよぶ広大な領土を獲得した。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

シリア王国
しりあおうこく
Syrian Kingdom

紀元前3世紀初頭から前63年まで続いたマケドニア系セレウコス朝によるシリア中心の王国をさす。前323年にアレクサンドロス大王が死ぬと、この地は彼の部将たちの奪い合いの対象となったが、イプソスの戦い(前301)によってアンティゴノスを破ったセレウコス1世と、プトレマイオス1世とが、エレウテロス川を境界として北(セレウコスのシリア)と南(コエレ・シリア)に分割した。セレウコスはそのころオロンテス河畔にアンティオキアを設立し、やがてそこを首都とした(前300)。彼は小アジアやギリシア方面への進出をねらい、西方重視政策の一環として、ティグリス河畔のセレウキアから遷都したのである。前201年にはアンティオコス3世がコエレ・シリアをも征服、さらにパレスチナへ進出する一方、王政下にあったフェニキア海岸の諸都市も平定し、貴族政下に置いた。しかし、前2世紀中葉からはユダヤのマッカベイ朝の反乱をはじめとする土着系諸王朝(パルティア、コマゲネ、イトゥレア、ナバテア、アルメニア、ポントスなど)の出現、諸都市の独立(前126年のティルスなど)、内乱のために、シリア王国は弱体化した。結局、東方に進出したローマの将軍ポンペイウスのために滅亡した。それ以後、シリアはローマの属州となった。

 セレウコス朝はシリアを中心とした地方を中央集権化することなく、土着勢力を臣従させ、その上層部に自治を依嘱した。そのかわり、各地にギリシア型の都市を設立し、東西交易と軍事的、政治的支配の拠点とした。シリアは都市化政策の中心として、少なくとも8都市が新設または再建されたほか、六つの屯田兵入植地が設立された。新設されたものとしてはアンティオキアのほかセレウキア・ピエリア、アパメアなど、古くからの都市を再建した例としてはベロエア(アレッポ)、エピファニア(ハマー)などがある。

 シリアは古くから肥沃(ひよく)な土地として開発されていたが、セレウコス朝下においても、ぶどう酒、ナッツ、プラム、ナツメヤシなどの果実、穀物、タマネギなどの野菜の生産が盛んであり、麻布やウール地などの衣料品およびパープル(深紅色)染色、ガラス製造(とくに前1世紀の吹きガラスの発明)などの産業が発達した。また、シルク・ロードとアラビアなどからくる隊商路の一端にある地方として、交易による富は莫大(ばくだい)であり、シリアや周辺の隊商都市(パルミラ、ペトラ、ダマスカスなど)が栄えた。

[小川英雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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旺文社世界史事典 三訂版

シリア王国
シリアおうこく
Syria
前304〜前64
アレクサンドロス大王のディアドコイ4王国の1つ,マケドニア系のセレウコス朝の支配した王国
西アジアの大部分を占め,東はインダス川から西は地中海,北は中央アジアから南はペルシア湾に及ぶ。創建者はセレウコス1世で,セレウキアなどを中心として繁栄した。しかし,バクトリアパルティアの独立や,ユダヤ人のマカベア朝の反乱が起こり,その後も内紛が続き弱体化し,古代ローマのポンペイウスに滅ぼされた。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

シリア王国
シリアおうこく
セレウコス朝」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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