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シャノン【しゃのん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

シャノン(Claude Elwood Shannon)
しゃのん
Claude Elwood Shannon
(1916―2001)
アメリカの電気工学者、数学者。情報理論の創始者。4月30日ミシガン州のゲイロードに生まれる。1936年ミシガン大学を卒業後、マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院で電気工学、ついで数学を専攻、1940年に数学の学位を得た。当時MITには電気工学科に微分解析機で著名なブッシュ、数学教室に後年サイバネティックスの提唱者となったウィーナーがいた。1938年の修士論文で、リレー(継電器)接点回路網の解析に初めてブール代数を応用した。ここで、接点の開閉を論理変数の値0と1に対応させ、回路網の1対の端子が導通しているか否かを論理式によって表した。この理論は、計数型回路の設計をそれまでの経験的な技法から工学に発展させた点で画期的なものであった。1941年にベル・テレフォン研究所(後のベル研究所)に入り、第二次世界大戦中は通信の雑音や暗号解読などの研究に従事した。
 1948年、『通信の数学的理論』A Mathematical Theory of Communicationと題する長大な論文を研究所の雑誌に発表した。この論文は、情報を数量的に扱う方法を考察して「情報量」の定義を与え、この概念を用いて通信の基本問題を論じたもので、通信の効率化をはじめ情報伝達におけるさまざまな問題がどのようにして理論的に取り扱われるかを明らかにした。論文の最初に情報伝送における通信系のモデルを提示、次に「情報源を確率過程として」とらえ、その確率分布に関して統計熱力学と同じ形の「エントロピー関数」を導入し、これによって情報量を定義した。これは、1928年のハートリーRalph V. L. Hartley(1888―1970)による選択の自由度による定義の直接の拡張であった。そして雑音のない通信路における符号化定理を与え、条件付きエントロピー、相互情報量、通信路容量などの概念を導入、雑音のある通信路を通して情報を伝送する場合の「シャノンの第二符号化定理」を導いた。本論文には、これら情報理論の基本概念や諸定理が与えられていただけでなく、データ圧縮の基礎理論である「速度‐ひずみ理論」の最初の考察が含まれていた。以後、研究を積み重ね、忠実度規範が与えられたときの源符号化の理論(1959)、多重通信路の出発点となった二方向通信路(1961)、オートマトン理論に関する研究などで重要な成果をあげた。1957年以来、MIT教授(電気工学、数学)、ベル・テレフォン研究所の顧問を兼ねた。1985年フランクリン賞受賞。2001年2月4日死去。[常盤野和男]
『C・E・シャノン、W・ウィーヴァー著、長谷川淳・井上光洋訳『コミュニケーションの数学的理論』(1969・明治図書出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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