Rakuten infoseek

辞書

Infoseek辞書サービス終了のお知らせ

コークス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

コークス
coke
粘結炭を約 1000℃で乾留してその揮発分の大部分を石炭ガスとして放出したあとに残る固体燃料。灰分を含んだ多孔質炭素質で,骸炭ともいう。製鉄用コークスは大部分,製鉄会社が自家生産し,溶鉱炉に用いられて,鉱石の溶解に必要な熱を供給し,鉱石の還元に必要な一酸化炭素を発生する。また内の荷を支えつつ通風に必要なすきまをつくることなどにも利用される。鋳物用コークスキューポラ (立て型炉) で銑鉄を主とする地金を溶解して鋳物をつくるときの,溶解熱源として使われる。またカルシウムカーバイドを製造する際の炭材として使うものをカーバイド用コークスという。半成コークス石炭低温乾留で得られる炭化物。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

コークス(〈ドイツ〉Koks)
石炭を高温乾留して得られる、多孔質で硬い炭素質の固体。火つきは悪いが無煙燃焼し、火力は強い。製鉄その他の鋳物やカーバイド製造の原料燃料などに用いる。骸炭(がいたん)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

コークス【coke】
石炭または石油から生産される炭素を主要成分とする固体で,燃料,鉄鉱石の還元,炭素材料の製造などに用いられる。ふつう単にコークスといえば,石炭の高温乾留で得られるものをさし,石炭の低温乾留で得られるものは半成コークスsemicokeあるいはコーライトcoaliteと呼ばれる(乾留)。半成コークスは火つきがよく燃えやすい家庭用無煙炭として利用されたが,現在,石炭の低温乾留はほとんど行われていない。また,石油から得られるコークスは,とくに石油コークスと呼ばれる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

コークス
こーくす
coke

広義には有機物を、空気を遮断して加熱(乾留)したとき、揮発分が出たのちに残る炭素質の物質の総称。狭義には石炭の高温乾留によって生成する団塊状の炭素質物質をさし、低温乾留によるものは低温コークスといって区別することが多い。

 コークスが初めて工業的規模で用いられたのは製鉄用で、おもに溶鉱炉の燃料としてであった。ヨーロッパでは14世紀ごろすでに、水車を動力、木炭を燃料とする溶鉱炉が出現していたが、森林資源の枯渇を招いたために、石炭を代替燃料とする試みが各地で繰り返された。しかし石炭は溶鉱炉内で軟化溶融したり、粉化するために通気性が悪化して、安定操業は困難であった。あらかじめコークス化したのち溶鉱炉に入れる方式を開発したのはイギリスのA・デービー父子で、1735年に初めてコークスのみによる製鉄に成功した。当時のコークス製造は、野原に石炭を積み上げて粉コークスなどで覆い、火をつけて蒸し焼きにする原始的な方法で、ガスやタールは大気中に放散されていた。イギリスのW・マードックは鉄製レトルトを用いて石炭ガスを利用する方式を考案し、1811年にはロンドンに街灯がともった。その後、都市ガス製造を主目的とする各種のコークス炉が開発されたが、当時、タールやコークスはあまり価値のない副産物にすぎず、これらが化学工業原料としてもてはやされるようになったのは19世紀末になってからである。

 日本では第二次世界大戦後、ガス化学工業の原料が石油系に転換したために、現在のコークス炉の主製品は冶金(やきん)用(製鉄用および鋳物用)コークスに限られている。製鉄用コークスは灰分・硫黄(いおう)分が低く、強度の高いものが要求されるために、原料炭の種類・性状には制約があるが、戦後の日本ではアメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界各国から輸入した多くの銘柄炭を多種配合することによって、安価でかつ良質のコークスを製造している。この際、軟化溶融性に富む国内炭(三池(みいけ)、夕張(ゆうばり)炭など)が優れた粘結材として作用するために、輸入炭の銘柄選択の自由度が大きくなる利点があった。しかし、国内炭の生産は1961年(昭和36)をピークに急激に減少し、2000年(平成12)に生産が終了したため、国内炭の利用はなくなった。現在の製鉄用コークスは、灰分11~12%、硫黄分1%以下、発熱量1グラム当り7000カロリー程度で、固く、粉化しにくいものが用いられている。溶鉱炉内におけるコークスの役目は、熱源、還元ガス源、通気維持材の三つであり、前二者は気体あるいは液体燃料で代替できるが、三者を兼ね備えた燃料はコークス以外にはない。溶鉱炉製銑法が続く限りコークスの需要はなくならないと考えられているのは、この理由による。

[宮津 隆]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

コークス
〘名〙 (Koks) 強粘結性瀝青炭の高温乾留で得られる多孔質、無煙の炭素質固体燃料。冶金用コークスとガスコークスとがあるが、前者は膨張度が低くて強度が大きく、溶鉱炉での製鉄に用いる。膨張度が高くて強度の小さいものは、水性ガスの製造などに用いる。なお、低温乾留によってもこれに似た固体燃料が得られるが、これは半成コークスあるいはコーライトなどと呼んで、練炭などの原料とする。石炭コークス。コーク。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「石炭を『コークス』と云、猛烈の熱を生じ、鋼鉄等を熔すには、此『コークス』を用ふ」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

コークス
コークス
coke

石炭熱分解(乾留)により生成する粘結性をもつ塊状の炭素質物質.通常は,製鉄用高炉で鉄鉱石の還元に使用されるコークスをさし,その製造用炉をコークス炉とよぶ.コークス中の固定炭素は約90質量% で,残りが灰分である.強粘結性の歴青炭が良質のコークスを与えるが,高価で資源的制約があるため,実際には,歴青炭以外に,褐炭無煙炭を含む数十種類の石炭を配合して原料に用いる.コークス炉内では,石炭は15~20 h をかけて1200~1300 ℃ に加熱され,溶融物,セミコークスを経て十分な機械的強度をもつコークスが製造される.コークスの生成割合は60~70質量% で,そのほかに,ガス(コークス炉ガス)とタール(コールタール)とが,それぞれ20~30,3~5質量% 発生する.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

コークス」の用語解説はコトバンクが提供しています。

コークスの関連情報

関連キーワード

エイリク・ベラス ラルセンエイリク・ベラス ラルセンシャニー デービスジェレミー ウォザースプーンジェレミー ウォザースプーン重複保険アルノー トゥルナン濃度(化学)王 濛アポロ・アントン オーノ

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.