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コレステロール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

コレステロール
cholesterol
コレステリンともいう。高等動物脂肪の不鹸化物質中より,白色光沢のある鱗片状晶として得られる脂肪様物質。特に脳,神経組織,副腎に多く,肝臓,腎臓などにも含まれる。融点 149℃。水,アルカリ,酸に不溶有機溶媒に溶ける。動物体内で組織脂肪としてリン脂質と結合して存在,また遊離しても存在する。胆汁酸,ビタミンD,性ホルモン副腎皮質ホルモンなどは食物として摂取したコレステロールから合成される。妊娠,ネフローゼ高血圧症糖尿病動脈硬化症などのとき,血中コレステロール量は増加する。生理作用,酸化過程は不明の点が多い。

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デジタル大辞泉

コレステロール(cholesterol)
動物性ステロールの代表的なもの。細胞膜の構成成分で、主に肝臓で生合成される。副腎(ふくじん)皮質ホルモン・ビタミンD胆汁酸などの材料となる。血管壁に多量に沈着すると動脈硬化の要因となる。コレステリン。→HDLコレステロールLDLコレステロール

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

コレステロール
 C27H46O (mw386.66).

 コレステリンは旧称.動物の主たるステロールで,細胞膜,細胞質,血中などに広く分布する.細胞膜の流動性に寄与するほか,ステロイドホルモンや胆汁酸の生合成の原料になる.粥状硬化を起こした組織に蓄積するほか,血中のコレステロール濃度の高い人は虚血性の疾患を起こしやすいことから,高コレステロール血については治療が行われる.ヒト血液の正常値は120〜220mg/dl

出典:朝倉書店
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家庭医学館

これすてろーる【コレステロール】
 コレステロールは、ギリシア語のコレ(chole)とステレオス(stereos)を合わせた造語で、コレステリンと呼ばれることもあります。
 コレは、胆汁(たんじゅう)を表わすことばの接頭語で、ステレオスは固形物という意味です。コレステロールは、最初、人間の胆石(たんせき)の成分中から発見されました。それで、胆汁と固形物を意味することばが使われているのです。
 コレステロールは、脂肪の一種で、おもに肝臓でつくられています。細胞膜成分となり、細胞のはたらきを保ったり、性ホルモンや副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの材料になったりしていますが、胆汁、皮膚、脳の中にもかなり含まれています。
 食品でコレステロールを豊富に含むのは、細胞をつくる素材である卵黄や動物の脂肪です。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

コレステロール【cholesterol】
コレステリンcholesterinともいう。化学式C27H46O,分子量386.7。高等動物の主要なステロールで,すべての体組織に分布し,生体膜の構成成分として細胞機能の維持に重要な役割を果たしている。また各種ステロイドホルモンの前駆体としても重要である。脂肪の消化・吸収に欠くことのできない胆汁酸もコレステロールからの誘導体である。 コレステロールは食事により摂取することができる。この際,腸管に胆汁酸が存在していないとコレステロールの吸収は起こらない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

コレステロール【cholesterol】
生体内に広く分布する脂肪に似た物質。肝臓で生合成される。細胞膜の構成成分であり、胆汁・ステロイドホルモン・ビタミン D の前駆体としても重要。また、老化に伴って血管壁に沈着し動脈硬化症と深く関係する。コレステリン。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

コレステロール
これすてろーる
cholesterol
高等動物の細胞成分として広く存在する代表的なステロイド化合物の一種。コレステリンともいう。有機溶媒には溶けるが、水、アルカリ、酸には溶けない。ステロイド核にヒドロキシ基と二重結合を一つずつもっているのが特徴で、このヒドロキシ基がジギトニン(ジギタリスに含まれるステロイド系サポニンの一種)と特異的に反応し、難溶性の分子化合物をつくって沈殿する。この反応を利用して化学分析が行われる。18世紀末にヒトの胆石中に発見されたのが最初で、動物の体内にのみ存在し、とくに脳や神経組織に豊富である。コレステロールはリン脂質とともに細胞の膜系を構成する主要な成分であり、膜の構造や機能に大きな役割を果たしている。コレステロールはまた、細胞内情報伝達(シグナリング)のプラットホームとよばれている膜のマイクロドメイン、ラフトおよびカベオラの主要構成成分である。通常、遊離の状態で、また高級脂肪酸とのエステルとして存在し、その比率はそれぞれの組織でほぼ一定である。赤血球膜のリン脂質とコレステロールおよびコレステロールエステルの量的関係は、動物種により異なるが、膜の構造を保持し、溶血性毒素の攻撃から守っている。消化管からはコレステロールのまま直接吸収され、排泄(はいせつ)もそのままの形で行われる。生体内ではコレステロールから、ビタミンD、性ホルモン(エストロン、テストステロン)、副腎(ふくじん)皮質ホルモン、胆汁酸などが合成される。
 コレステロールの生合成ではメバロン酸代謝経路においてヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素によりHMG-CoAからメバロン酸が合成される段階が律速段階である。HMG-CoA還元酵素の発現は細胞内コレステロール含量により負のフィードバック制御を受けており、細胞内コレステロールのホメオスタシス(恒常性)が保たれている。[小泉惠子]

食生活との関係

コレステロールは多くは肝臓で合成されるが、一部は食物から摂取される。合成される量はほぼ3分の2、食物からとられる量が3分の1程度で、摂取量が多いと合成量は抑制される。
 コレステロールは体内では、細胞膜の構成成分として存在し、とくに血管壁の保護、赤血球の保護には重要な働きをする。また、コレステロールは体内で性ホルモンや胆汁酸、ビタミンDの原料になる。コレステロールが不足した場合は、脳出血などの疾患をおこしやすく、また貧血も生じやすい。
 一方、血中にコレステロールが多くなると、動脈硬化の原因となる。血中に含まれるコレステロールはリポタンパク質の形で存在する。すなわち、コレステロールは水に溶けにくいので、タンパク質と結合することにより血液とともに運ばれる。リポタンパク質は密度によって分類され、その作用が異なる。低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを肝臓から血中や組織へ運び、逆に高密度リポタンパク質(HDL)は、コレステロールを肝臓へ運ぶ。そのため、HDLコレステロールが少ない人に高コレステロール血症や虚血性心疾患の発症が多いといわれる。日本人のHDLコレステロール平均値は血清1デシリットル中44ミリグラムで、少なくとも40ミリグラム以上含有していることが望ましい。
 血中コレステロール値は、飽和脂肪酸の多い動物性脂肪を多く摂取することによって高くなり、植物性脂肪のうち、リノール酸など不飽和脂肪酸、すなわち必須(ひっす)脂肪酸の多い植物油は、血中コレステロール値を下げる作用がある。また、ペクチンやコンニャクマンナンなどの水溶性の食物繊維を多くとることでも、血中コレステロール値が低下する。シイタケに含まれるエリタデニンにもコレステロール低下作用がある。いずれもコレステロールの腸内排出を促すためである。なお、血中総コレステロール値の標準は、国や年齢によっても異なるが、血清1デシリットル当り130~220ミリグラムが望ましく、240ミリグラム以上は治療対象とされる。[河野友美・山口米子]
『斎藤康・山田信博編『コレステロールをみる・考える』(1999・南江堂) ▽寺本民生著『高脂血症――気になる動脈硬化・コレステロール』(1999・梧桐書院) ▽藤山順豊監修『コレステロールと中性脂肪の基礎知識』(2001/改訂版・2007・日東書院) ▽牧野直子監修『コレステロール・食物繊維早わかり Food & Cooking Data』(2003・女子栄養大学出版部) ▽板倉弘重著『コレステロールの医学――文明病の本態をみる』(有斐閣新書)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

コレステロール
〘名〙 (cholesterol) 高等脊椎動物の体内に含まれるステリンの一種。脂肪のような白色光沢のある鱗片状の結晶。特に、脳、神経組織、副腎に多く含まれている。生体に不可欠な役割を果たすが、血中の濃度が高まると動脈硬化症の原因になる。コレステリン。
※栂の夢(1971)〈大庭みな子〉一「血圧だのコレステロールだの尿に糖の出るのだの」

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化学辞典 第2版

コレステロール
コレステロール
cholesterol

cholest-5-en-3β-ol.C27H46O(386.65).コレステリンともいう.もっとも代表的なステロールで,脊椎動物中に広く分布しており,あらゆる組織の重要な構成成分である.また,多くの紅藻類,褐藻類にも含まれる.市販コレステロールは,ウシの脊髄または羊毛脂から抽出されたものである.精製品は5,6-ジブロミドとして再結晶したのち,エーテル-酢酸中で亜鉛末と処理してつくられる.融点149 ℃ の針状晶.-39°(クロロホルム).血液中に約2 mg mL-1 含まれるが,その70% は脂肪酸エステルとして存在する.肉食性昆虫は必須栄養素としてコレステロールを要求する.クロロホルムに溶かし無水酢酸と硫酸を滴下すると青紫に発色する(リーベルマン-ブルヒァルト反応).ジギトニンと処理すると難溶性のジギトニドをつくる.コレステロールの全合成はR.B. Woodward(ウッドワード)ら,R. Robinson(ロビンソン)ら,およびW.S. Johnsonらによってなされている.また,生合成はK.E. Blockら,F. Lynenら,およびJ.W. Cornforth(コーンフォース)らによって解明された.すなわち,アセチルCoAからスクアレンが生成し,ついで2,3-エポキシスクアレンに酸化され,このものの環化反応でラノステロールが生じる.最後の3個のメチル基の脱離,および二重結合の転位が起こって生合成が完結する.生体内でコレステロールは胆汁酸や性ホルモンおよび副じん皮質ホルモンに代謝され,また一部はコプロスタノールになり糞中に排出される.血液中のコレステロール値が上がると動脈硬化症を起こすといわれている.[CAS 57-88-5]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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