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ゲルマン人【ゲルマンじん】

世界大百科事典 第2版

ゲルマンじん【ゲルマン人 Germanen[ドイツ]】
インド・ヨーロッパ語族に属する言語を用いる群小部族集団の総称。言語系統としては,ケルト人やイタリキと親近関係にあるともされている。ゲルマンという呼称の由来は不詳であるが,この語が文献上最初にあらわれるのは,前80年ころ,ギリシアの歴史記述家ポセイドニオスが,前2世紀末におけるゲルマンの小部族,キンブリ族Cimbriとテウトニ族Teutoniのガリアへの侵寇を叙述した記録においてである。もっともそれ以前,前4世紀の末に,マッシリア(マルセイユ)にいたギリシア人航海者ピュテアスが,ノルウェーやユトランド半島に出向いた際の記録の一部が残っているが,そこではまだそこに住んでいた民族について,ゲルマンという呼称は使われていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ゲルマン人
げるまんじん
Germanenドイツ語
インド・ヨーロッパ語族のうちゲルマン語派に属する言語を話す民族の総称。現在のデンマーク人、スウェーデン人、ノルウェー人、アイスランド人、アングロ・サクソン人、オランダ人、ドイツ人などがこれに属するが、これら民族の祖先と考えられる、民族大移動以前の古ゲルマン人をさす場合が多い。ユトランド半島とそれに隣接する北および北ドイツ、スカンジナビア半島の中・南部が、紀元前二千年紀中葉のゲルマン人の原住地と考えられるが、前一千年紀の中葉ないし前3世紀ごろまでに、西方ではオランダからライン川下流域まで、東方ではウィクセル(ビスワ)川流域から、ドナウ川北岸、ドニエプル川下流域まで広がり、北ゲルマン、西ゲルマン、東ゲルマンの三つのグループを形成するようになった。
 カエサルの『ガリア戦記』やタキトゥスの『ゲルマニア』など古典古代の叙述家たちの記録により、紀元前後のゲルマン人の社会構造や政治組織について、若干具体的に知ることができる。このころゲルマン人がすでに定着農耕を営んでいたことは疑問の余地がないが、農耕とともに牧畜の占める比重がかなり大きかったと考えられる。階層的には自由人、半自由人、奴隷に分かれ、自由人の上層部は政治的特権と大土地所有を基礎にして、豪族層を形成していた。政治的には、キーウィタースとよばれる小単位に分かれ、キーウィタースはさらに1ないし数個のパーグスに分かれていた。キーウィタースの上にゲンス(部族)とよばれる組織体があったが、タキトゥスの時代にはこれは政治上の単位ではなく、一種の祭祀(さいし)団体であったと考えられる。キーウィタースの政治体制は、まだかなり強く原始民主制の名残(なごり)をとどめており、全自由民の構成する民会が戦争、平和などの重大事項を決定したが、他方、豪族層への政治権力の集中化も相当進んでいた。世襲王制をとるキーウィタースと、民会で選出されるプリンケップスに統治されるキーウィタースとがあったが、後者の場合も、プリンケップスに選ばれるのは豪族に限られ、両者の相違はそれほど大きなものではなかった。
 4世紀以降フン人の西進による圧迫に触発されて、ゲルマン系諸民族は大移動を開始し、ローマ領内の各地に建国するが、その過程で軍事指揮権を中核とした王権の強化・確立と、政治単位としての新しい部族形成が行われた。民族移動期に登場する、フランク、バンダル、東・西ゴート、ランゴバルドなどの部族は、いずれもこのような新しく形成された部族である。[平城照介]
『タキトゥス著、泉井久之助訳註『ゲルマーニア』(岩波文庫) ▽カエサル著、近山金次訳『ガリア戦記』(岩波文庫) ▽増田四郎著『西洋封建社会成立期の研究』(1959・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典

ゲルマン‐じん【ゲルマン人】
〘名〙 ゲルマン民族に属する人々。ゲルマン。
※大増補改訂や、此は便利だ(1936)〈下中彌三郎〉「ゲルマンじん Germans 人 アリアン人種の一支族、主として西欧地方に分布し、其気風習俗はスカンヂナヴィヤ半島、及びイギリス、ドイツ等に伝はる」

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