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ケミカル・コントロール【けみかるこんとろーる】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ケミカル・コントロール
けみかるこんとろーる
chemical control
広義には化学物質を用いて作物の病害虫や雑草を防除し、また作物の成長(生長)を制御することをいう。すなわち、chemical control of diseases and insect-pests(病害虫の薬剤による防除)、chemical control of weeds(雑草の薬剤による防除)、chemical control of growth(成長の化学物質による制御)をさす。しかし、日本ではchemical control of growthだけをとくにケミカル・コントロールということが多い。これは、化学物質を用いて作物の生育を栽培上望ましい生育相に変えたり、各種の災害から保護するため、積極的に作物の生育を制御しようとする農業技術である。
 内容的には、休眠の打破と延長、発芽の促進と抑制、植物体の矮化(わいか)、落葉促進と防止、発根促進、花芽分化の促進と抑制、抽薹(ちゅうだい)(とう立ち)の促進と防止、開花期の促進と抑制、着果の促進と抑制、単為結果の促進、種子形成の阻害、葉色や果色の増進、果実の成熟促進と抑制などのほか、乾燥や霜害に対する抵抗性の増進などが対象になる。
 使用される化学物質は主として合成植物ホルモンであるが、他の化学物質も用いられる。現在、実際に使用されている代表的なものとしてジベレリンがある。ジベレリンはブドウ(デラウェア)の無種子化、熟期促進のほか、カキの落果防止、セロリの生育・肥大促進、キュウリの果実肥大、ナスやイチゴの着果数の増加、シクラメン、プリムラなど花類の開花促進などに用いられている。このほか、ムギなどの節間(せっかん)伸長を抑制して倒伏を軽減したり、果実類の熟期促進、着色促進などに用いるエチレン剤(エスレルなど)、発根促進、苗・挿木の活着促進、トマト・ナスなどの着果増進、果実の肥大促進に用いるオーキシン剤(インドール酪酸、4‐CPA剤など)、植物の老化防止、着花・新梢(しんしょう)の発生促進、花振い(開花しても受精が行われない状態)防止に用いるサイトカイニン剤(ベンジルアミノプリンなど)、タマネギ・ニンニク・ジャガイモなどの萌芽(ほうが)抑制に効果のあるオーキシン拮抗(きっこう)剤(マレイン酸ヒドラジト)、徒長(作物の茎や葉が弱く伸びること)の防止や矮化に効果があるジベレリン生合成阻害剤などがある。[梶原敏宏]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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