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ケテン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ケテン
ketene
(1) 一般式 RR'C=C=O で表わされる化合物総称。 R が水素原子の場合アルドケテン,R,R' が水素原子でない場合ケトケテンと称する。一般に不安定で,酸化されやすい。アルドケテンは無色,ケトケテンは黄色で,アルドケテンより酸化されやすい。ケテンはカルボン酸の分子内無水物とみなされる化合物で,R-C(H)R'-C(OH)=O の ( ) 内の H と OH が H2O としてとれたものであるため,容易に付加反応を起し,カルボン酸の誘導体を生成する。また適当な条件下で重合させるとラクトン形の二量体を生成する。 (2) 狭義には前式で R と R' が水素原子のもの,つまり CH2CO をさす。実験室ではアセトンの熱分解で得られるが,工業的には酢酸の熱分解により製造される。刺激臭のある無色の気体。沸点-41℃。きわめて反応しやすい。酢酸と反応して無水酢酸,水と反応してカルボン酸,アルコールと反応して酸アミド塩化水素と反応して酸塩化物を生じる。ケトン二量体を経て,アセト酢酸エステルデヒドロ酢酸などの工業的製造の原料となる。

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世界大百科事典 第2版

ケテン【ketene】
2価の基C=C=Oをもつ化合物の総称。狭義には水素2原子が結合したCH2=C=Oをいう。水素1原子および1個の炭化水素基R(アルキル基またはアリール基)が結合したものをアルドケテンaldoketene,2個の炭化水素基R,R′が結合したものをケトケテンketoketeneという。IUPAC命名法ではCH2=C=Oをケテンとし,他はその誘導体とみなして,たとえば(CH3)2C=C=Oはジメチルケテン,C6H5-CH=C=Oはフェニルケテンのように置換基の名を冠して命名する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ケテン
けてん
ketene
広義では、一般式 =C=O(R、R'は炭化水素基)で表される化合物の総称である。脂肪酸の分子内無水物の形の化合物であり、C=C結合は付加反応をおこしやすく、付加反応により脂肪酸誘導体を与える。
 狭義では、一般式のR=R'=Hの化合物をケテンという。ケテンCH2=C=Oは無色の刺激臭をもつ有毒な気体で、蒸気を吸うと肺気腫などの疾患をひきおこすおそれがあり、その毒性は、ホスゲンやシアン化水素に匹敵する猛毒である。分子量42.0、沸点零下41℃。実験室においてはアセトンを500~1000℃で熱分解すると生成するが、工業的にはリン酸を触媒として800℃において酢酸を熱分解する方法により高収率で合成している。
 ケテン類は一般に不安定な化合物で反応性に富み、また、きわめて重合しやすく、2分子が重合してジケテンになる。
 工業的には酢酸をリン酸系触媒により熱分解させてケテンを発生させ、もう1分子の酢酸との反応により無水酢酸を製造する際の中間体として重要である。このほかに、アセト酢酸エステル、デヒドロ酢酸などをつくる原料として利用される。[廣田 穰]
『日本化学会編『実験化学講座21 有機合成3 アルデヒド・ケトン・キノン』第4版(1999・丸善)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

ケテン
ケテン
ketene

】次の一般式で表される化合物の総称.一般的な合成法としては,ケトン,カルボン酸などの熱分解による方法,α-ハロアシルクロリドを亜鉛により脱ハロゲンする方法などがある.一般に反応性に富み,付加反応によりカルボン酸誘導体にかわり,重合反応も起こしやすい.【】母体となる化合物CH2=CO,C2H2O(42.04)をケテンとよぶ.実験室的にはアセトンの熱分解により,工業的には酢酸の熱分解でつくられる.常温で気体.

CH3COCH3 → CH2CO + CH4

CH3COOH → CH2CO + H2O

融点-151 ℃,沸点-56 ℃.2分子からジケテン(ケテンダイマー)が容易に生じる.ジケテンは熱分解によりケテンに戻る.

ケテンはヒドロキシ基,アミノ基,メルカプト基を有する化合物と反応してアセチル誘導体を与える.[CAS 463-51-4]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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