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ギルド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ギルド
Gildo
[生]?
[没]398. タバルカ
ムーア人 (→ベルベル人 ) の反乱の指導者。ローマ帝国の属州アフリカで反旗をひるがえした兄弟のフィルムスをローマ軍とともに鎮圧,その功により,ローマから将軍に任じられた。しかし帝位簒奪者エウゲニウスに対するテオドシウス1世の支援を拒絶し,テオドシウス死後,397年にアフリカで反乱,イタリアへの糧道を断った。 398年元老院より公敵とされ,ローマから派遣された兄弟のマスケゼルのため鎮圧,処刑された。

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ギルド
gild; Gilde; corporation
ヨーロッパの中世に起り,近代まで続いた都市の住民,キリスト教徒および商人手工業者の共同・同業組合組織。その組織,起源および目的についてはさまざまであるが,保護ギルド,宗教ギルド,商人・手工業ギルドに大別される。その本質は,生業原理に基づく同業者の共存共栄のための団結である。そのうちの商人・手工業ギルドについては 10世紀中頃から,国王や大諸侯の保護下に商人集落が形成される過程で商人ギルドが現れ,11世紀末から 12世紀にかけてコミューン運動を指導し,自治都市制の確立に貢献した。組合規約とその監督機構をそなえ,ギルド成員以外の市民や周辺農村の農民による同種職業を禁止する一方,ギルド成員間の自由競争を排除した。また各ギルドは親方,職人,徒弟の身分的階層制をもち,経営主たる親方のみがギルドの固有メンバーである。初期には大商人のギルドしかなかったが,13~14世紀には手工業者や小商人も新しいギルドを結成して,それまで大商人が独占してきた市政への参加を実現した場合も少くない (フランドル,西部ドイツ,北イタリアなど) 。中世末期以来,農村工業の展開や都市人口の増加に伴い,ギルドは閉鎖性を強め,保守的な特権団体として,自由な商品生産の発達を阻害する原因となった。中世ヨーロッパに興った大学も,その性格においてギルドの一種である。自由主義経済思想の普及に伴い,営業の自由の原理に基づいて,18~19世紀には廃止されていく。

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デジタル大辞泉

ギルド(guild)
中世ヨーロッパの都市で発達した商工業者の独占的、排他的な同業者組合。商人ギルドは11世紀に、手工業ギルドは12世紀に成立。13~14世紀には各都市の政治・経済を支配したが、16世紀以降衰退。
MORPG(複数参加型のオンラインゲーム)などで、プレーヤーが集まってるグループ。

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世界大百科事典 第2版

ギルド【guild】
一般的には中・近世ヨーロッパにおける商工業者の職種ごとの仲間団体をさすが,このような同職仲間的な団体は,広く前近代の日本,中国,イスラム社会,インドにもみられる。ドイツ語ではギルドGilde,ツンフトZunft,インヌングInnung,フランス語ではコンパニオナージュcompagnonnage,イタリア語ではアルテarteとよばれる。日本では,同職組合,同業組合と訳されている。
【ヨーロッパのギルド】
 すでに古代ローマに,コレギウムとよばれる同職団体が存在したが,ギルドのヨーロッパにおける起源は,7~8世紀にさかのぼり,ゲルマン民族共通の歴史的背景をもっていた。

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ギルド【Gildo】
330ころ‐398
後期ローマ帝国の軍人。ムーア人で,372年兄フィルムスが蜂起した時,ローマ側について戦い,385年ころアフリカ軍司令官,さらに388年にはテオドシウス1世からアフリカ総軍司令官という異例の顕職を授けられた。おもに穀物売却により巨富を築いたが,テオドシウスの死後,東・西ローマ政府間に生じた不和を利用しての保身を考え,397年東帝のみを正当な主君と認めたため,ローマ元老院から公敵と宣せられた。ギルドはローマ市への穀物供給を停止して対抗したが,スティリコ派遣の征討軍に敗れ,398年7月処刑された。

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大辞林 第三版

ギルド【guild】
中世ヨーロッパの都市に行われた特権的同業者組合。一一世紀に商業ギルドが成立、一二世紀に手工業者による業種別の同職ギルドが派生。都市統治の実権も握ったが近代産業の成立とともに衰退。 → ツンフト
同業組合。協会。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ギルド
ぎるど
gildguild英語
GildeZunftドイツ語
guildeフランス語
西ヨーロッパの中世において、商人や手工業者などの自営業者が、キリスト教の友愛精神に基づき、生活のさまざまな面で相互に助け合うために結成した身分的な職業団体である。初期の商人組合の場合は、商人だけではなく、各種の手工業者も参加していたが、のちになって同種の手工業者ごとに同職組合が結成される。自発的な団体結成が普通であるが、都市の領主の影響力も認められる。ドイツ語ではツンフトともいう。なお、中国にも行(こう)や作(さく)とよばれる同業者の団体があった。[寺尾 誠]

起源

ローマ帝国やビザンティン帝国の地域的な商人、手工業者の強制団体に起源を求める説、北欧の義兄弟誓約関係の説などは、それぞれの地域には多少妥当しても、一般的には当てはまらない。また荘園(しょうえん)団体説のように、農村における荘園法の下での手工業者団体が都市に移植されたという説もあまり支持されていない。中世ヨーロッパの封建社会が整えられていくなかで、血縁的要素の、より少ない地縁的共同体として、中世都市が成立、発展する。その共同体の公権力である都市当局が、封建領主から自治の権力を徐々に獲得していく一方、商人や手工業者が自らの家父長的家政経営を物心両面で守る目的で、友愛的な相互扶助団体を自発的に結成したのである。それは中世都市に固有な身分的職業団体である。すでにカロリング時代の法令に誓約団体の存在が確認されている。それらの団体形成はフランク国家への危険とみなされていた。だが本格的にギルドが結成されていくのは、中世都市の成立が始まる11世紀以降である。
 イギリスでは11世紀前半にケンブリッジなど3都市の友愛団体に関する法令がある。フランスでは12世紀に入ると、パリ、ルーアン、シャルトルに手工業者のギルドが存在しているし、ドイツでも11世紀末にマインツ、12世紀に入るとウォルムス、ウュルツブルク、ケルンに記録がある。そのほか北欧、南欧、東欧にもギルドの結成はみられ、13世紀以降ギルドの全盛時代を迎えた。時期的にみて先行したのは、商人ギルドで、のちに各職種別の同職ギルドが成立していく。[寺尾 誠]

商人ギルド

中世都市は各地方の間の交易に刺激されておこってきたから、最初に結成されたギルドは、それぞれの都市の対外的な交易の独占のためのものであった。国王や諸侯によって保証された商業の独占営業権により、他所者(よそもの)やギルドに属さぬ者との競争を避けるための団体であった。そこには遠隔地との商業を営む商人たちが加盟したが、それ以外に小売商人や手工業者も加わっている。ただし、後者はしだいに独立して同職ギルドを結成していくが、過渡期には商人ギルドと同職ギルドの両方に加盟していたこともある。そのうち都市の手工業が繁栄するにつれ、同職ギルドが独立した意味をもち、商人ギルドがかつて誇った勢力を失っていく。また小売商人さえ独自のギルドを結成するに至る。商人ギルドが盛んであったのはイギリスで、ヨーロッパ大陸はそれほどではない。[寺尾 誠]

同職ギルド

14、15世紀は都市手工業者の黄金時代として各職種別のギルド(工匠(クラフト)ギルド)が結成された。それは親方、職人、徒弟という身分制の手工業経営の経済的利害を守るとともに、それらの人々の社会生活、宗教生活の相互扶助をも目的としていた。もっとも重要な経済政策は、手工業者を外部からの競争からだけではなく、仲間同士のそれからも守るためのものであった。各成員が加盟にあたり守ることを誓う誓約条項には、技術や労働時間、製品価格や賃金などの規定、仕事場における生産手段や従事者の数の制限、品質検査、職人・徒弟の修業のための制度などが詳しく盛られ、それへの違反に対しては裁判や処罰の権限が都市当局によりギルドに認められていた。なお都市当局との関係は個々に異なるが、商人などの都市貴族が有力な勢力であるところでは、14世紀に同職ギルドの連帯によるツンフト革命が試みられ、場合によると都市当局の交代が実現した。また、これと並行して、中世後半の人口減少による市場の縮小のため、同職ギルドの完全成員権をもつ親方層が、徒弟期間の延長や職人が親方になる資格を得るための親方試作品masterpieceの要求の引上げ、親方になるときに支払わなければならぬギルド加盟金の値上げを実施した。このため職人たちはしだいに相互扶助や経済的利害の防衛を目的として結社をつくって対抗した。こうした職人団体は「職人ギルド」ともよばれる。
 古い商人ギルドも、雑貨商、毛織物商、呉服商、ぶどう酒商、小売商、油商、塩商などに分化し、同職(工匠)ギルドも、パン屋、魚屋、肉屋、粉屋、果実商、靴屋、鍛冶(かじ)屋、皮革業者、仕立屋、指物師、大工、石工、左官、車大工、船大工、床屋、風呂(ふろ)屋、金細工師、画工、運送屋、園芸師、ブドウ栽培業者、ぶどう酒醸造業者、ビール醸造業者など多種の分化を遂げる。そのほか、宗教的ギルドと世俗的ギルドの分け方もある。[寺尾 誠]

組織と事業

完全な成員権をもつのは、身分制の家政経営の長である親方層であり、それも加盟成員の承認と加盟希望者の誓約により効力あるものとされる。後世になると親方数が制限されたり、親方資格の入手が困難にされた。ただし親方に雇用されている職人やそこで教育されている徒弟も、ギルド制度の下に置かれており、彼らの労働条件はもちろん、社会生活、宗教生活もギルドに規制されていた。親方、職人、徒弟の家族も同様である。
 なおギルドは、長老や参審員、執事などの役員を選出し、事業の遂行を任せたが、成員権をもつ者の集会を定期的に開き、役員の選出のほか、誓約条項の改正、新規加盟の承認、冠婚葬祭などの相互扶助を審議する。なお、成員は加盟金以外に年々の会費や礼拝用のろうそくなどを納入しなければならない。仲間の病気、死亡、不幸などに対しての相互扶助はもちろん、ギルド成員以外の者への慈善、都市のさまざまな施設への寄付、成員の宴会など、多様な活動が行われた。[寺尾 誠]

近世以降の歴史

すべての都市にギルドが組織されたわけではない。中世の後半以来中世都市に対抗して成立していった農村の小都市や市場町においては、商人も手工業者もギルドを結成しない場合が多い。彼らは、ギルドが都市当局に周辺の農村での商工業を禁止したり制限する独占政策をとらせたのに反対し、むしろ自由に競争しあう形で、より新しい市場経済を志向したからである。この背景には、ギルド成員の親方たちの伝統的な技術に対し、農村都市の手工業者たちの技術は水車の利用をはじめとする、より進んだものだったことがある。なお、16世紀以降に絶対王政の重商主義政策のなかで、これらのより自由な、ギルド規制の外にたつ手工業経営を、中世的な市場やギルドの制度に組み込もうと試みられたが、それにもかかわらず、17、18世紀と都市のギルドの影響力は衰えていった。
 ただし、この過程は国々により異なる。最終的には19世紀前半に廃止されたとはいえ、農村の側の自由な経済がいち早く圧倒していったイギリスに対し、フランスでは絶対王政の政策がある程度効力をもたらし、18世紀末のフランス革命で、営業の自由とギルド制の廃止が決定された。ドイツは中世都市の影響力がもっとも強く、1869年ようやく全国的な営業の自由の確立によって、ギルド制の長い歴史が終わった。[寺尾 誠]
『高村象平著『西洋経済史』(1971・有斐閣) ▽伊藤榮著『西洋中世都市とギルドの研究』(1968・弘文堂)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ギルド
〘名〙 (guild) 親方、職人、徒弟から成る商工業者の特権的同業団体。中世のヨーロッパの都市において発達し、日本にも同種のものが存在した。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「六十名は、会社仲間〈『ギルヅ』と云同業のもの相結保する会社〉及び、状師等より撰み」

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

ギルド
g(u)ild (イギリス)
Gulde (ドイツ)
gildes (フランス)
ヨーロッパの中世都市の商工業者が組織した同業組合
商人ギルド(merchant gild)と手工業者の同職ギルド(craft gild)の二種に大別される。古くから,防衛や相互扶助の団体・組織(古ギルド)はあったが,ギルドの明確な発生は中世都市の発達と深いつながりがあるとみられる。特に11世紀のいわゆる「商業ルネサンス(商業の復活)」と遠隔地商人の定住化により,有力な商人の仲間組織がまず登場した。この「商人ギルド」は販路・価格の協定,生産・取引きの独占などを定め,一部の富裕商人は都市貴族となり,都市の行政を支配した。「商人ギルド」の特権に対抗して,従来,商人組合の傘下にあった手工業の親方によって,13世紀ごろから職種別のギルド,「同職ギルド(ツンフト)」が結成された。「同職ギルド」は,生産量・技術・価格などを統制し,厳格な徒弟制度をつくって徒弟の職人を養成し,技術保持につとめるとともに,商人ギルドに独占されていた市政参与権を獲得した。ギルドは,イギリス・ドイツ・ネーデルラント・フランドル地方に発達。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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