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ガンス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ガンス
Gance, Abel
[生]1889.10.25. パリ
[没]1981.11.10. パリ
フランスの映画監督,劇作家,俳優。シナリオ作者から映画監督になった (1911) 。 1915年,前衛映画の先駆的作品『チューブ博士の狂気』 La Folie du Dr. Tubeを発表。『戦争と平和』J'accuse (18) および『鉄路の白薔薇』 La Roue (21~24) で世界的な一流監督となる。後者の画期的な表現方法は日本映画にまで影響を与えた。彼はまた『ナポレオン』 Napoléon (27) で現在のシネラマ原型ともいうべきトリプル・エクラン (3面スクリーン) の新技術を開発した。トーキー以後は『楽聖ベートーベン』 Un grand Amour de Beethoven (36) 以外に注目すべき作品もないが,56年トリプル・エクランに似たマジラマ,次いで変化する枠どりのポリビジオンの試作を行なった。 81年に F.コッポラのプロデュースで『ナポレオン』の復元版が公開された。

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デジタル大辞泉

ガンス(Abel Gance)
[1889~1981]フランス映画監督。特にサイレント時代にすぐれた作品を発表し、グリフィスと並ぶ映画芸術の開拓者とされる。作「鉄路の白薔薇(しろばら)」「ナポレオン」など。

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世界大百科事典 第2版

ガンス【Abel Gance】
1889‐1981
フランスの映画監督。パリに生まれパリで死去。《戦争と平和》(1919),《鉄路の白薔薇》(1923),《ナポレオン》(1927)の3巨編でサイレント映画の歴史に不滅の足跡を残し,〈映画におけるビクトル・ユゴー〉とも〈ヨーロッパのD.W.グリフィス〉とも呼ばれた。《戦争と平和》《鉄路白薔薇》では32コマ(サイレント映写で2秒)から1コマまでの極端に短く刻んだカットを編集してせん光のような効果を出し,〈観客と映画とが一体となって興奮する一種発作的感情の激発〉(飯島正)をあおる〈フラッシュ・カッティング〉の技法を創始した。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ガンス【Abel Gance】
1889~1981 フランスの映画監督。サイレント期、「鉄路の白薔薇」では激烈な映像リズムによる感情表現、「ナポレオン」では三面映写幕の大型視覚効果など、映画芸術に偉大な功績を残した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ガンス
がんす
Abel Gance
(1889―1981)
フランスの映画監督。パリに生まれる。初め演劇を志し、俳優となり、前衛芸術家たちと交わる。1911年映画に出演し、シナリオを書き、ついで監督となる。1915年フランス最初の前衛映画『チューブ博士の狂気』を制作し、特殊レンズによる対象の変形が人を驚かせた。第一次世界大戦末期、反戦映画の大作『戦争と平和』(1918)を発表して、論議の的となったが、ヒューマニズムの賛歌としての芸術性が高く評価された。ガンスの映像のモンタージュがもっとも音楽的に処理され、サイレント映画の芸術性を最高度に発揮した傑作は『鉄路の白薔薇(ばら)』(1923)である。老機関士の苦悩に満ちた半生を描いた。また『ナポレオン』(1927)は3個のスクリーンを用いて、後年のシネラマの技術を早くも開拓した記念碑的作品であった。トーキー以後も監督を続けたが、特筆すべき作品はなく、1981年11月10日パリで不遇の生涯を閉じた。彼の映画芸術樹立の不朽の功績は、第二次世界大戦後に再認識された。[飯島 正]

資料 監督作品一覧

チューブ博士の狂気 La folie du docteur Tube(1915)
戦争と平和 J'accuse(1918)
鉄路の白薔薇 La roue(1923)
ナポレオン Napolon(1927)
世界の終り La fin du monde(1930)
偽れる唇 Le matre de forges(1933)
椿姫 La dame aux camlias(1934)
楽聖ベートーヴェン Un grand amour de Beethoven(1936)
バルテルミーの大虐殺 La reine Margot(1954)
悪の塔 La tour de Nesle(1955)
ナポレオン アウステルリッツの戦い Austerlitz(1959)

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