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カルマン渦【カルマンウズ】

デジタル大辞泉

カルマン‐うず〔‐うづ〕【カルマン渦】
流体中で柱状物体を適当な速度で動かしたとき、物体の左右両側に発生する、交互に反対回りの米国の航空学者Theodore von Karmanが理論的に解明

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世界大百科事典 第2版

カルマンうず【カルマン渦 Kármán’s vortex street】
流体中を適当な速度範囲で運動する柱状体の背後にできる,回転の向きが反対の2列の渦。この渦が交互に発生して,図のような配置をとることは20世紀初め,イギリスのH.R.A.マロックやフランスのH.ベナールによっても観察されていたが,1911年T.vonカルマンが完全流体の場合について渦の安定・不安定を理論的に導いたことからこの名がある。その理論によれば,渦列の幅をh,列内の渦間隔をlとしたとき,h/l=0.281で,しかも図に示したような配置のもの以外は不安定となる。

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大辞林 第三版

カルマンうず【カルマン渦】
柱状の物体を、流体中で適当な速さで動かしたとき、この物体の両側に交互に生じる、反対向きのうずの列。物体の後方に規則正しく並ぶ。アメリカのカルマン(T. von Karman1881~1963)によって理論的にとらえられた。カルマン渦列。カルマン渦動列。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

カルマン渦
かるまんうず
Von Krmn vortex street
柱状の物体を流体中で適当な速度で動かすと、物体の左右両側から交互に反対向きの渦を発生し、規則正しい渦の列ができる。この現象はフランスのベナールによって実験的に研究された(1908)が、ハンガリー出身のアメリカの航空学者カルマンによってその本質が理論的に解明された(1911)ので、カルマン渦とよばれている。渦列の間隔をh、一つの列の中の渦どうしの距離をaとすると、理論的にはh=0.281aとなることが予想され、実際にもh/aはだいたい0.3である。
 渦の放出によってエネルギーが消費されるので、運動する物体は流体から抵抗を受ける。また渦を放出するごとに、その反作用として物体には横向きの力が働く。水中で棒を動かすとき、棒が左右に振動するのはそのためである。細い棒や針金に強い風が当たると、カルマン渦の放出により、それと同じ振動数の音が発生する。これはエオルス音とよばれる。風の吹くとき電線が嗚るのはその例である。弾性のある棒のようにそれ自身振動しうる柱状物体に流れが当たるとき、カルマン渦の発生の周期と物体の固有振動の周期が一致すると、共鳴によって振動は激しくなる。北アメリカのタコマ峡湾の吊橋(つりばし)が完成後まもなく暴風によって崩壊した事件(1940)は、このカルマン渦の発生によるものとして有名である。[今井 功]

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