Rakuten infoseek

辞書

カリカチュア

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

カリカチュア
caricature
風刺,寓意ユーモアを内容とする絵画,記述などの総称,もしくはその表現手法。特に絵画をさすことが多い。語源はイタリア語の caricaturaで「誇張されたもの」「ゆがめられたもの」の皮肉嘲笑,寓意などを誇張して表現する。起源は古く,古代エジプトのパピルスに擬人化された鳥獣画があり,ギリシア時代には風刺画家パウソンの名が伝わる。西洋では中世から近世にいたり,P.ブリューゲル,H.ボッシュ,H.ホルバインなどのすぐれた画家が寓意的作品を描いた。近代ではイギリスの W.ホガース,スペインの F.ゴヤ,フランスの H.ドーミエらが出て,近代美術の新たなジャンルをなすにいたった。日本では,古くは平安末期~鎌倉初期の『鳥獣人物戯画』,明治期に活躍した小林清親戯画的な浮世絵などが著名。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

カリカチュア(caricature)
特徴を大げさに強調して描いた風刺画。戯画。カリカチュール。文章や芝居での風刺的な表現にもいう。
[補説]語源はイタリア語のcaricaturaで、の積み過ぎ、誇張の意。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

カリカチュア【caricature】
対象の特徴を鮮明に示すために誇張・省略された形,あるいは本来の意味から逸脱して利用された形をもつ絵画(まれに彫刻)。戯画,漫画,場合によっては風刺画と呼ばれる。諧謔(かいぎやく)や風刺を目的とする点で,表現主義芸術や図式化・単純化された形,あるいは信仰や神話に関連する人獣合体した異様な姿などとは区別される。しかし,この区別は絶対的なものではない。また風刺自体は広義の社会性をもつものが多く,滑稽もまた慣習風俗によって大いに異なる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

カリカチュア【caricature】
事物を簡略な筆致で誇張し、また滑稽化して描いた絵。社会や風俗に対する風刺の要素を含む。漫画。戯画。風刺画。カリカチュール。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

カリカチュア
かりかちゅあ
caricature
風刺画、戯画、漫画などと訳されるが、それが含む意味は多様で、その作品の帯びる性質による。本来の意味は、イタリア語のcaricatura、すなわち「誇張されたもの」「歪曲(わいきょく)されたもの」であり、風刺画あるいは戯画の意味合いを強くもつ。したがって、単純な漫画は含まれない。
 人間には生来、不合理なものや不可解なものに耐えられず、批判しようとする精神があり、それを一種の笑いとして表現する場合にカリカチュアが生まれる。それはかならずしも対象を直接的に攻撃する形をとらないこともあり、比喩(ひゆ)や寓意(ぐうい)を借りることも少なくない。その場合でも、特定の対象が設定されていることがカリカチュアの要件である。無対象の笑いは、どれほど痛快であってもカリカチュアとはいえない。カリカチュアということばは、広く文学や思想の領域でも用いられ、ラブレーの『ガルガンチュワ‐パンタグリュエル物語』やセルバンテスの『ドン・キホーテ』はその種の傑作といわれている。
 美術の分野では、古くから一つの絵画形式として存在しており、エジプトの石片やパピルスに描かれた動物画に先例が求められる。中世に、免罪符を売るカトリック教会の偽善性を暴露した戯画が流布されたのは、カリカチュアの実例と考えることができる。
 ルネサンス期になると、ピサネッロやレオナルド・ダ・ビンチが人文主義的思想に立脚した戯画を描き、また、北欧の画家たち、デューラー、ホルバイン、ボス、ブリューゲルらにより具象的な作例が現れて、近代的なカリカチュアの祖型が形づくられた。この流れが発展したところに、カロ、ピラネージ、ホガース、ローランドソン、ゴヤらの優れた作品が生まれた。19世紀に入ると、新聞の普及によって、ドーミエやポール・ガバルニのようなカリカチュアに専念する画家が現れて、分野はいっそう広がり、ピカソ、グロッス、アンソール、オットー・ディックスらを代表とする現代における隆盛の基盤をつくった。
 日本でも鎌倉期の『鳥獣人物戯画』をはじめとして、江戸時代には鳥羽絵(とばえ)、そして葛飾北斎(かつしかほくさい)、歌川国芳(くによし)、渡辺崋山(かざん)などの諸作品を生み、カリカチュア史上、相当な位置を占めている。とくに北斎の『北斎漫画』の国際的評価は最高である。[瀬木慎一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

カリカチュア
〘名〙 (caricature) 特徴を誇大に表現して、滑稽さをもたせた肖像等の絵。風刺画。戯画。漫画。ポンチ絵。また、比喩的に風刺的な表現一般をいう。カリカチュール。
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉七「里見と野々宮さんの妹のカリカチュアーを描(か)いて遣らう」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

カリカチュア」の用語解説はコトバンクが提供しています。

カリカチュアの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.