Rakuten infoseek

辞書

カナート

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

カナート
Qanāt
アフガニスタン,トルキスタンではカーレーズ,シリア,イラク,北アフリカなどではフォガラと呼ばれる。西アジア乾燥地帯に行われる特殊な導水設備。自然の泉の水か,扇状地涸れ川 (ワディ) の河床など比較的地下水面の浅い部分に特別に掘った井戸の水を,必要とする地点まで導くもので,20~30mおきに竪坑を掘り,各坑底をトンネルで結んで導水する。古代ペルシアに起り,その後ペルシア,アラビア勢力圏の拡大,東西文化の交流に応じて旧大陸の乾燥地に広く普及した。単に灌漑にだけ用いられるのではなく,都市への給水も行うものであって,テヘランなどでも近年までカナートの水が利用されていた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

カナート(〈アラビア〉qanat)
アジア西部、北部アフリカなど乾燥地帯にみられる水利施設。地下水を、長い地下水路によって集落近くまで導き、利用するもの。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

カナート【qanāt】
おもにイランなど乾燥地域にみられる暗渠方式の水利施設。カレーズkarēzともいう。カナートは山麓部や谷頭部(谷の最上流部)におけるよどんでいない良質の水を水源とする。この部分に掘った井戸に十分な湧水が認められ,暗渠を掘って導水すると灌漑予定地の近くで地表に現れることが測量によって確かめられれば,この井戸を母井(マーダル・チャー)とする。母井の位置は植生・土壌の質などを調べて選定する。次いで30~50mの間隔をおいて竪坑(たてこう)を掘り,これを坑道で結ぶ。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

カナート【qanāt】
〔地下水路の意〕
イランなどの乾燥地域にみられる水利施設。山麓で得た地下水を、蒸発しないよう長い地下水路を通して遠くの集落や耕地に導き、地上に流出させて配水するもの。紀元前六世紀以前のイランに始まり、中央アジア・新疆ウイグル自治区・北アフリカに伝わった。カレーズ。北アフリカではフォガラ。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

カナート
かなーと
qanat
地下水路式灌漑(かんがい)施設で、アラビア語で地下水路を意味する。乾燥地帯では地表には水はなくても、高峻(こうしゅん)な山脈の山麓(さんろく)に発達する扇状地には、山腹から流下してきた水が地下に浸透するので、扇頂部には塩分を含まない地下水が豊富に存在する。そこで母井戸とよばれる深さ20~30メートルほどの元井戸を30~50メートルの間隔ごとに掘り、井底にわき出した地下水を、長さ数キロメートル、ときには40キロメートル以上に及ぶほとんど水平に掘られた長い地下水路で、元井戸から遠く離れた地点まで誘導して集落に良質の飲料水や灌漑水を供給する。地下水路は地表では見えないが、掘り出した土を搬出し、また通風などのために掘られた多数の竪坑(たてこう)が地下水路に沿って配列されているのがカナートの特異な景観である。カナートは紀元前のペルシアに起源をもち、東はアフガニスタン、パキスタンから中国のトゥルファンにまで及び(カレーズKarezという)、また西はアラブ人によって北アフリカに(フォガラFoggaraという)、さらにスペイン人によって南アメリカのペルーにまで伝えられたという。[織田武雄]
 2016年、イランの11のカナートが「イランの地下水路カナート」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

カナート
〘名〙 (qanat) 西南アジア、北アフリカの乾燥地でみられる地下水を得るための灌漑施設。扇状地に掘られて得た地下水を、長さ数キロメートルに達する地下水路で集落近くまで導く。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

カナート」の用語解説はコトバンクが提供しています。

カナートの関連情報

他サービスで検索

「カナート」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.