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カオス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

カオス
Chaos
宇宙 (コスモス) が生成する以前の原古に存在したとされる混沌の状態をさすギリシア語原意は,「大きく口を開けた」虚の空間を意味したと思われるが,その中にはすでに万物の胚種が混り合っていたともいう。ヘシオドスの『神統紀』神話では,ガイアより先に万物の最初に生じた男性の神格としてなかば擬人化され,暗闇 (→エレボス ) と夜 (→ニュクス ) とはその子であるとされている。

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知恵蔵

カオス
ニュートン力学の決定論世界に現れる予測困難な非周期変動。この存在は19世紀、太陽系の天体運動など多体問題の探究でわかったが、1960年代以降、流体を扱う気象学、生物の増殖曲線を考える数理生態学などで研究が進んだ。複雑系科学の核。初期値に対して敏感で、方程式に入れる最初の値を少しずらすだけで系の未来像が大きく変わる。これは、蝶のはばたきさえも遠くの気象に影響しうるという意味で、バタフライ効果と呼ばれる。カオスの変数グラフにすると、1つの点や1つの輪に収束せず行きつ戻りつする。この軌跡がストレンジ・アトラクター
(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

カオス(〈ギリシャ〉chaos)
ギリシャ人の考えた、宇宙発生以前のすべてが混沌(こんとん)としている状態。混沌。無秩序。ケーオス。⇔コスモス
特定の規則や微分方程式に従う系に生じる、不規則で乱雑な予測不可能な挙動。系自体は決定論的だが、系の変化が初期条件に極めて鋭敏に反応し、数値計算誤差が時間の推移とともに増幅される非線形性をもつため、計算精度をいくら向上させても、事実上確に予測できない現象を指す。確率的な乱雑さとは異なるため、決定論的カオスともいう。

出典:小学館
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岩石学辞典

カオス
衝上断層に伴う巨大角礫岩[Noble : 1941].

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

カオス【chaos】
秩序としてのコスモスに対立するギリシア語。〈混沌〉と訳される。この語の初出は前700年ころのギリシアの詩人ヘシオドスの《神統記》においてである。そこではカオスは宇宙形成の原初に出現したとされるが,語義として〈口を開けた空間〉が推定され,天と地の裂け目を意味するとみられる。このように宇宙形成における分化・区分の作用力とみることができるが,他方,ローマの詩人オウィディウスのように,宇宙形成以前の万物の混沌状態を示すとする見方もある。

出典:株式会社平凡社
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カオス【chaos】
数学的現象の名称。人口や生物の個体数の時間的変化を記述する数学のモデルの歴史を考えてみよう。T.R.マルサスの法則(1780)はu(t)を時刻tでの個体数として,微分方程式du/dtAuで記し,この解としてutの指数関数exp(At)となる。Aは正のとき増殖率と呼ばれ,時間がたてば人口または個体数は無限に増えつづける。つぎに出たモデルはベルハルストP.F.Verhulstが1838年に,アメリカの人口増加のモデルとして提案したもので,ε,hを正の定数とすればdu/dt=(ε-hu)uと書かれる。

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大辞林 第三版

カオス【khaos】
混沌こんとん。混乱。
ギリシャ神話の宇宙開闢かいびやく説における万物発生以前の秩序なき状態。また、同時にすべての事物を生みだすことのできる根源。ケイオス。 ⇔ コスモス
初期条件・境界条件を定めると以後の運動が決まるような簡単な系であっても、初期条件のわずかな差で大きく違った結果を生ずるような現象。気象現象・乱流や生態系の変動などに見られる。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

カオス
かおす
Chaos
ギリシア神話で、宇宙開闢(かいびゃく)のとき真っ先に生じた「原初の巨大な空隙(くうげき)」のこと。ヘシオドスの『神統記』によれば、これに続いてガイア(大地)とタルタロス(奈落(ならく)の底)とエロス(愛)が生じ、カオスはエレボス(闇(やみ))とニクス(夜)を生んだ。カオスは、あらゆる生(な)り出(い)ずるものの素(もと)と生成へのエネルギーを内に秘めた生成の場としての空隙のことであって、中国神話における混沌(こんとん)や、無秩序という意味での混沌と同一視するのは正確ではない。[中務哲郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

カオス
〘名〙 (khaos)⸨ケオス⸩ ギリシア哲学で、宇宙発生以前の原始的な混沌とした状態。比喩的に、混沌として無秩序な状態もいう。⇔コスモス
※読書放浪(1933)〈内田魯庵〉釈迦と基督とマルクス「肝腎の教理其の物はイツマデ経っても私には混沌たるケオスであったから」

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