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エーテル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エーテル
ether
古代ギリシア時代から 20 世紀初頭までの間に想定されていた全世界を満たす1種の物質。古代ギリシアの哲学者アリストテレスは地水火風に加えてエーテルを第5の元素とし,天体の構成要素とした。近代では全宇宙を満たす希薄な物質とされ,ニュートン力学ではエーテルに対し静止する絶対空間の存在が前提とされた。また光や電磁波媒質とも考えられた。 19世紀末,マイケルソン=モーリーの実験でエーテルに対する地球の運動は見出されなかった。この結果からローレンツ収縮仮説を経て,ついに 1905年 A.アインシュタインが特殊相対性理論を提唱し,エーテルの存在は否定された。

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エーテル
ether
(1) エチルエーテル通称。 (2) 2個の炭化水素残基 R ,R' が酸素原子に結合した R-O-R' の形をとる化合物総称。 R ,R' が同じものを単一エーテル,異なるものを混成エーテルという。たとえば R と R' が C2H5 のエチルエーテルは単一エーテル,R が C6H5 ,R' が CH3 のフェニルメチルエーテル (アニソール ) は混成エーテルである。脂肪族エーテルは天然には存在せず,アルコールから合成する。芳香族エーテルは植物中に存在する。一般にエーテルは快香のある無色液体であるが,分子量の大きいものは結晶となる。水にはあまり溶けないが,有機溶媒にはよく溶ける。多くの有機試薬アルカリに対しては安定であるが,濃硫酸,ヨウ化水素などにより分解される。

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デジタル大辞泉

エーテル(〈オランダ〉ether)
2個の炭化水素基が酸素原子1個と結合した化合物の総称。一般に中性芳香のある揮発性の液体。特に、エチルエーテルをいう。
光の波動説で光を伝える媒質として仮想され、光の電磁波説以後は電磁波の媒質とされた物質。相対性理論によって空間自体を電磁波の媒質とみなせばよいことがわかり、その存在は否定された。

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栄養・生化学辞典

エーテル
 化学的にはR-O-Rエーテル結合をもつ化合物をいうが,狭義ジエチルエーテルを指す場合が多い.

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デジタル大辞泉プラス

エーテル
ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズで使用されるアイテム。MP(魔力)を回復する。同様の効果があるアイテムはほかにエーテルターボ、ハイエーテルなど。

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世界大百科事典 第2版

エーテル【ether】
元来はギリシアの自然学における概念。月より下の世界を構成する原質としての土,水,空気,火に対して,天体の世界を構成する原質が〈アイテルaithēr〉と呼ばれた。つまり,真空を認めないギリシア的自然観にあっては,天体の世界にはアイテル(エーテル)が充満していると考えられた。こうした着想は,コペルニクス,ガリレイ,ケプラーら近代初期の自然学者にまで受け継がれている。デモクリトスに発する原子論の系譜のみが,このエーテルの存在を否定していた。

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エーテル【ether】
炭素‐酸素‐炭素結合≡C-O-C≡(エーテル結合)を有する有機化合物の総称。狭義にはジエチルエーテルC2H5OC2H5の略称にも用いられる。エーテルの語はギリシア語の,天空にみなぎる霊気を意味するaithērに由来し,古くは光,熱などを伝える媒体として仮想的に考えられた媒質の名称に用いられた。
[分類]
 エーテルは一般式R-O-R′(R,R′はアルキル基またはアリール基)で表される。R=R′のものを対称エーテル(単一エーテル),R≠R′のものを非対称エーテル(混成エーテル)とよぶ。

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大辞林 第三版

エーテル【ether】
二個のアルキル基が酸素原子によってつながれた構造をもつ有機化合物の総称。一般に中性で芳香のある液体。
のうち特に、ジエチルエーテル (C2H52O をいう。特異な芳香をもち揮発性と麻酔性のある引火性液体。有機溶媒として用いられる。エチルエーテル。エトキシエタン。
かつて、光の波を伝える媒質として仮想されていた物質。一九世紀末、マイケルソンモーリーの実験によって否定された。 亜的児とも当てた

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精選版 日本国語大辞典

エーテル
〘名〙 (ether)
① 光、熱、電波を伝える媒体として宇宙に充満していると仮想的に考えられたもの。のちに、実験的、理論的にその存在が否定された。〔舶来語便覧(1912)〕
② 二個の炭化水素基が酸素原子一個と結合した有機化合物の総称。一般式 R-O-R′ 多く芳香を有する。一般的には、エチルエーテルをいい、麻酔剤として用いる。〔植学啓原(1833)〕

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化学辞典 第2版

エーテル
エーテル
ether

ジエチルエーテル略称.溶媒などとしてもっとも広く用いられる.[CAS 60-29-7]【】酸素原子に2個の炭化水素基R,R′が結合した有機化合物R-O-R′の総称.R = R′のものを単一エーテル,R≠R′のものを混成エーテルという.R,R′の種類により脂肪族エーテル,芳香族エーテルともよばれる.慣用名では炭化水素基名にエーテルをつけて,単一エーテルはメチルエーテル,エチルエーテルなど,混成エーテルはエチルメチルエーテル,メチルフェニルエーテルなどとよばれる.エーテル中のC-O-C結合はエーテル結合という.環内にエーテル結合をもつ複素環式化合物を環式エーテルとよぶこともある.IUPAC命名法では,RO-原子団を“アルコキシ”とよび,エーテルはその誘導体とみなし,“エチルメチルエーテル”のかわりに“メトキシエタン”と命名する.フェノールエーテルは植物界に広く存在し,香料として利用されるものが多い.低位の脂肪族エーテルはアルコールに濃硫酸を作用させてつくる.とくにフェニルエーテル類は,フェノキシドにハロゲン化アルキルや硫酸メチルを作用させるか(ウィリアムソンのエーテル合成),あるいはフェノールとジアゾメタンから合成される.エーテルは,一般に中性の快香のある揮発性液体である.水に難溶,有機溶媒に易溶.化学的には安定で,金属ナトリウムも反応しないが,ヨウ化水素,五塩化リンなどで分解して,アルコールやハロゲン化物を生成する.

   ROAr + HI → ArOH + RI

   ROR′ + PCl5 → RCl + R′Cl + POCl3

エーテルは,ハロゲン化水素,フッ化ホウ素,グリニャール試薬などと分子化合物をつくる.例:R2O・HX,R2O・BF3,R2O・R′MgI.[別用語参照]クラウンエーテルポリエーテル

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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