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エディアカラ動物群【エディアカラどうぶつぐん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エディアカラ動物群
エディアカラどうぶつぐん
Ediacara fauna
オーストラリア南部のアデレード北方に産する先カンブリア時代末期の化石動物群に由来する動物群。今日では北アメリカ,ロシア,アフリカ,イギリスなど世界各地でこの時代の地層から産する。クラゲ類,ウミエラ類,環虫類などに属するとみられるものや,今日知られているどの動物や植物の仲間にも属さない生物であるということから「ベンド生物」と呼ばれる単細胞でキルト構造(キルティングにより区画されているが細胞膜では仕切られていない)をもった多様な生物からなる。それゆえ動物群とは呼ばずに,エディアカラ化石群,あるいはエディアカラ生物群という呼び方をすることが多い。この化石群は先カンブリア時代と古生代の間をつなぐ時代の古生物ではあるが,特にベンド生物はカンブリア紀の爆発で生じた生物群の出現前にすべて絶滅して姿を消している。このベンド生物で特徴づけられる化石群の時代をエディアカラ紀という。期間は,隠生累代(先カンブリア時代)原生代末期である 6億3500万年前から古生代カンブリア紀の始まりの 5億4200万年前までの 9300万年間である。

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デジタル大辞泉

エディアカラ‐どうぶつぐん【エディアカラ動物群】
オーストラリア南部のトレンズ湖北岸、エディアカラ(Ediacara)ので発見された動物化石群。先カンブリア時代末、約6億5000万年前の地層から発見され、原生動物以外では最古腔腸(こうちょう)動物や原始的な環形動物などで、印象化石として産出

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世界大百科事典 第2版

エディアカラどうぶつぐん【エディアカラ動物群 Ediacara fauna】
南オーストラリアのアデレードの北,約500kmのエディアカラヒルズに産する先カンブリア時代末期の動物群。1947年に,そこに分布するパウンドケイ岩層からR.C.スプリッグによってクラゲの化石が発見されたのに始まって,現在では1400個体をこす後生動物の化石が採集され,M.F.グレッスナーらによって,エディアカラ動物群と命名された。その地質年代は原生代末にあたり,6億~7億年ぐらい前であるとされている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

エディアカラどうぶつぐん【エディアカラ動物群】
オーストラリア南部のエディアカラ丘陵から化石で産する、先カンブリア時代後期(約六億五千万年前)の海生無脊椎動物群。クラゲ型の腔腸動物や節足動物の原型と推測される動物などからなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

エディアカラ動物群
えでぃあからどうぶつぐん
Ediacara fauna
1947年に発見された、オーストラリア南部フリンダー山脈のトレンズ湖北岸にあるエディアカラとよぶ小さな丘の原生界最上部の地層から産出する動物化石群。クラゲやウミエラの仲間や鉢虫(はちむし)類などの腔腸(こうちょう)動物を主とし、ゴカイの仲間の環形動物をはじめとする無脊椎(せきつい)動物の多くの印象化石(形態の印象だけが型となって残された化石)を含む。その地質年代は約6億年前とされ、それまでに発見されたカンブリア紀初期のバージェス動物群よりも古く、最古の無脊椎動物として注目された。これを研究した古生物学者グレッスナーMartin Fritz Glaessner(1906―89)が、1950年に産地の名をとって命名した。その後52年、ウラル地方のロシア台地に位置する白海沿岸のベンド期の地層から、さらに72年には南アフリカのナミビア地方の地層からほぼ同じ内容の動物化石群が発見された。前者をベンド動物群Vend fauna、後者をクイビス動物群Kuibis faunaまたはナマ動物群Nama faunaとよんでいる。これらの動物群には、環形動物と思われるものの這(は)い跡などの生痕化石も伴っている。そのほかラテンアメリカ各地、イギリス、ポーランド、インドのヒマラヤ地方、中国、カナダ北西部およびニューファンドランド州などからも発見されている。
 いずれも腔腸動物のほかに、海綿動物、環形動物、紐形(ひもがた)動物、原始的な節足動物などの無脊椎動物の印象化石で、硬い殻(から)をもつ動物の化石は含まれていない。これらの動物群が発見されるまでは、古生代のカンブリア紀が始まる今から5億4000万年前になって、初めて大形の石灰質の殻をもつ無脊椎動物が出現したと考えられていたが、出現の時期はさらに古く6億年前にさかのぼる。これらの動物群が生息した海は、ストロマトライトとよぶ石灰岩に覆われた浅い海域で、無脊椎動物はこのような海域で発達し、カンブリア紀になって初めて硬い殻をもつことができたと考えられている。そのためグレッスナーは6億年前から5億4000万年前までの時代を始カンブリア紀Eocambrianとよんで区別している。これとは別に、ベンド動物群を産出するロシア台地の地層群の示す地層年代をベンド期Vendianとよんでいるが、その始まりは始カンブリア紀よりもやや古い。この時期の地球を囲む大気中には、自由酸素が現在に近い状態に含まれており、オゾン層も発達していたため、地球表面に対する紫外線の照射も制御されていたことが、生物の発達を促した。またこれらの無脊椎動物が発達した時代の前には、地球が寒冷気候に襲われた時期があり、世界各地に氷河堆積層が認められる。[大森昌衛]
『大森昌衛著『進化の大爆発――動物のルーツを探る』(2000・新日本出版社)』

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