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エスペラント

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エスペラント
Esperanto
1887年 L.L.ザメンホフによって考案された人工語国際語。エスペラントの名は「希望をもつ者」の意で,ザメンホフがその最初の著書『国際語』Lingvo Internacia(1887)で用いたペンネームでもある。ザメンホフは聖書や多くの文学作品をエスペラントに訳し,『エスペラントの基礎』Fundamento de Esperanto(1905)のなかで,今日も変わらないエスペラントの構造の原則を示した。1908年に創立された国際エスペラント協会が普及を推進し,世界 100ヵ国以上に会員をもつ。10万人超と推計される話者をもち,国際間の通信や学術協力,経済活動などに使用される。また 100以上の雑誌がエスペラントで刊行され,詩や小説などの文学作品も多く書かれ,3万点以上の書籍が出版されているなど,人工国際語として第一の勢力をもつ。学びやすいように言語構造は簡単につくられている。音韻(→音韻論)としては,五つの母音(i,e,a,o,u),21の子音(p,b,t,d,k,g,c,ĉ,ĝ,f,v,s,z,ŝ,ĵ,h,ĥ,l,r,m,n),二つの半母音(j,ŭ)をもち,語のアクセントは最後から二つ目の音節にある。品詞によって語尾が異なり(名詞は-o,形容詞は-a,副詞は-e),名詞は単数・複数(-j)の二つの数と,主格・対格(-n)の二つのをもち,動詞は三つの時制(現在-as,過去-is,未来-os)が語尾で区別される直説法のほかに,-iで終わる不定法,-uで終わる命令形,-usで終わる条件法,六つの分詞がある。接辞によって派生語が規則的にできるようになっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

エスペラント
1887年、当時ロシア領だったポーランドの眼科医ザメンホフが考案した人工言語。簡易な文法で、民族の違いを超えて橋渡しとなる言語をめざした。組織は国内を含めて100カ国以上にあり、話す人は世界に約100万人、国内に約1万人いるといわれる。
(22017-05-24 朝日新聞 朝刊 岩手全県・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

エスペラント
1887年、当時ロシア領だったポーランドの眼科医ザメンホフが考案した人工言語。簡易な文法で、民族の違いを超えて橋渡しとなる言語をめざした。組織は国内を含めて100カ国以上にあり、話す人は世界に約100万人、国内に約1万人いるといわれる。宮沢賢治も学び、作品にちなむ「SL銀河」の走るJR釜石線の全24駅には、エスペラントの別称がつけられている。
(2017-06-02 朝日新聞 朝刊 群馬全県・2地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

エスペラント(Esperanto)
エスペラント語で、希望する人の意》ポーランドの眼科医ザメンホフが考案し、1887年に発表した人工の国際語。ラテン系の語彙(ごい)を根幹とし、母音5、子音23を使用する。基礎単語数は1900ほどで、造語法もあり、文法的構造はきわめて簡単である。日本では、明治39年(1906)日本エスペラント協会を設立。エス語

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

エスペラント【Esperanto】
1887年にロシア領ポーランドのユダヤ人眼科医,L.L.ザメンホフによって考案された国際補助語。16ヵ条の簡単な文法規則(アクセントの位置の規則を含む。ザメンホフにより制定されその後変更されていない)と,900余りの単語(現在では新語などの必要からもっと増えている)から成り,発音は1字1音,1音1字主義である。発表されたときの考案者の匿名が〈エスペラント博士(ドクトーロ・エスペラントDoktoro Esperanto)〉であり,〈エスペラント〉とはエスペラントで〈希望する者〉の意である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

エスペラント【Esperanto】
〔エスペラント語で「希望ある人」の意〕
1887年ポーランド人ザメンホフにより作られた国際補助語。二八の字母(母音五、子音二三)をもち、文法体系は簡単。語彙ごいはゲルマン語・ロマンス語系統のものから共通性の高いものを採り、基礎語一九〇〇。言語のちがう諸民族間の相互理解を目的とするエスペラント運動は、民族解放思想、反差別思想、平和思想と互いに影響し合い、多様な側面をもつ。日本では1906年(明治39)に日本エスペラント協会が設立された。エス語。

出典:三省堂
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世界の主要言語がわかる事典

エスペラント【エスペラント】
Esperanto(エスペラント)
ポーランド生まれのユダヤ人、ザメンホフが1887年に考案した国際語。エスペラントは「希望する者」を意味する。ラテン文字を使い、1字1音(字母は28)、名詞はo、形容詞はa、副詞はeで終わり、名詞の格は2つ、動詞はすべて規則変化とするなど、習得の容易さがめざされている。語彙(ごい)は多くがイタリア語フランス語ラテン語や、英語ドイツ語など、ヨーロッパの言語をもとにつくられている。民族や大国小国の違いを超えてすべての人々が平等な立場でコミュニケーションできるようにとの理念が共鳴者を得、今も世界各地でエスペラントの普及をめざす運動が続いている。日本では日本エスペラント学会(1919年創立)が精力的に活動し、同学会が加盟する世界エスペラント協会は国際連合やユネスコと正式な協力関係にある。

出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

エスペラント
えすぺらんと
Esperantoエスペラント
ヨーロッパのおもな言語の単語や文法を整理してつくられた国際補助語(橋渡し言語)。ポーランド生まれのユダヤ人L・L・ザメンホフが考案し、1887年に発表した。2017年時点の世界エスペラント協会Universala Esperanto-Asocio(UEA)会員は119か国、1万3071人。学習者人口はこの20倍前後とみられる。オンライン百科事典「ウィキペディア」のエスペラント版の記事数は2018年時点で24万件を超え、これは全言語版中32位である。[泉 幸男]

略史

19世紀後半からヨーロッパでは交通の発達などで一般庶民の行動範囲が広がり、単なる宮廷外交の共通語(フランス語)や地域的な共通語(民族語)を超えた国際語の必要が実感されだした。ザメンホフの生まれ育った東ポーランドのビャウィストクは当時ロシア帝国領で、ユダヤ人やドイツ人移民も多い多言語地域であった。どの民族の言語でもない習いやすい共通語があればと、青年ザメンホフは試行錯誤を重ね、1887年にワルシャワで『国際語』を刊行する。これは、ロシア語書きのエスペラント教本で、このときのザメンホフの筆名「エスペラント博士」D-ro Esperanto(希望者博士)が、言語そのものの名ともなった。
 エスペラントの理想主義は共鳴者を得た。1921年には、当時国際連盟事務次長であった新渡戸稲造(にとべいなぞう)が国際連盟総会に報告書を提出し、「外交のための言語は経済上の理由から英語とフランス語の2言語に限定されているが、世界的視野からみて、エスペラントのような共通語の採用こそ経済的で理にかなっている」と論じた。同年には、世界各国におけるエスペラント教育を国際連盟が奨励すべきとの提案を日本・中華民国など12か国が提出したが、実現しなかった。ドイツのナチス政権やソ連のスターリン政権下でエスペランチスト(エスペラント使用者)は危険思想の持ち主とみなされ弾圧を受けたが、第二次世界大戦後に活動を再開した。1954年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)がエスペラントの国際文化交流への貢献を認め、世界エスペラント協会をユネスコの諮問団体と認定した。[泉 幸男]

特徴

つづりはローマ字、1字1音素。アクセントは最後から2番目の音節と決まっている。書いてある通りに読めばよく、聞いた感じはイタリア語に似ている。単語の最後の文字を見れば、名詞か形容詞か動詞かがすぐにわかる。名詞の複数形や動詞の現在、過去、未来、命令、仮定形などは、語尾を規則的に変化させてつくられる。名詞の性の区別や動詞の人称変化はない。語順はかなり自由であるが、基本は主語―動詞―目的語―補語。前置詞、関係代名詞を使う。
 語彙(ごい)は、7割がラテン系(フランス語、イタリア語、ラテン語などからとったもの)で、そのほかはドイツ語や英語などからのものが占める。たとえば「よい」は“bona”であるが、これはラテン語“bonus”やフランス語“bon”から語根“bon”を採用し、これに形容詞語尾の“-a”をつけたものである。語尾を名詞語尾の“-o”に変えて“bono”とすると「善」という意味の名詞になる。このように語根(形態素)の形が一定に保たれることから、言語学上エスペラントは膠着(こうちゃく)語に分類される。接頭・接尾辞が40以上もあり、一つの語根から多数の単語が生まれる。2002年刊の『エスペラント絵入り大辞典』La Nova Plena Ilustrita Vortaro de Esperantoは、1万6780の語根を収録している。そのほか各種専門用語集もある。[泉 幸男]

国際運動

世界エスペラント協会は、オランダのロッテルダムに本部がある。同協会が組織する世界大会は毎年1500~4000人が集い、すべての会議はもとより演劇・余興からキリスト教のミサに至るまでエスペラントで行われる。「都市代表ネットワークDelegita Reto」という国際情報サービス網(2017年時点で、102か国、1669人登録)も設けられ、また「パスポート・サービスPasporta Servo」という国際民宿制度もある。エスペラントが盛んな地域は、ヨーロッパ諸国と中国、日本、アメリカ、ブラジルなどである。人口比からいえば、フィンランド、オランダ、スウェーデン、デンマークのような国が目だつ。弱小言語を国語とするため言語問題に関心が高く、エスペラント運動の理念が理解されやすいからである。[泉 幸男]

文化

書籍、雑誌の出版が活動の中心である。各国の文学作品のエスペラントへの翻訳やエスペラント原作の詩・小説もある。エスペラント詩は、ハンガリー人のカールマン・カロチャイKlmn Kalocsay(1891―1976)が大成した。スコットランド人のウィリアム・オールドWilliam Auld(1924―2006)のエスペラント原作の叙事詩『幼年の民』La Infana Rasoは傑作とされ、オランダ語など7言語に訳されている。おもな雑誌に、政治・文化のニュースを報道する月刊『Monato(モナート)』(Monatoは「1か月」の意)がある。[泉 幸男]

日本

世界エスペラント協会の加盟団体として日本エスペラント協会がある。同協会は1919年(大正8)に日本エスペラント学会として設立され、2012年(平成24)に現名称となった。会員は2017年時点で1115人。月刊機関誌『エスペラント』を発行している。同協会のエスペラント書籍・雑誌の蔵書は世界有数である。このほか全国主要都市に学習サークルがある。1965年(昭和40)に第50回世界エスペラント大会(1710人参加)を東京で開催した当時が、社会的ブームのピークであった。その後、海外のエスペラント関連行事への参加者が飛躍的に増えた。2007年には第92回世界エスペラント大会(1901人参加)が横浜で開かれた。カナモジ運動やローマ字運動と異なりエスペラント運動がそれなりに続いているのは、国際交流という目にみえる利便性のためであろう。[泉 幸男]
『三宅史平著『エスペラントの話』(1976・大学書林) ▽L・L・ザメンホフ著、水野義明編訳『国際共通語の思想――エスペラントの創始者ザメンホフ論説集』(1997・新泉社) ▽日本エスペラント学会エスペラント日本語辞典編集委員会編『エスペラント日本語辞典』(2006・日本エスペラント学会) ▽安達信明著『ニューエクスプレス エスペラント語』(2008・白水社) ▽田中克彦著『エスペラント――異端の言語』(岩波新書)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

エスペラント
〘名〙 (Esperanto エスペラント語で「希望する人」の意) 人工国際語。ポーランド人ザメンホフがインド‐ヨーロッパ語族の言語に基づいて考案、一八八七年に公表。日本では明治三五年(一九〇二)頃から関心が持たれ、同三八年日本エスペラント協会が設立され、月刊誌を発行した。また、二葉亭四迷がエスペラント語の教科書「世界語」を出版するなど、二、三年流行するが、その後下火になった。
※エスペラントの話(1906)〈二葉亭四迷〉「私はエスペラントの将来に就いては大のオプチミストだ」
[補注]ラテン語の espere (希望)から出た語。ザメンホフは当初、Dr. Esperanto の匿名でこれを発表した。

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