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アーク放電【アークほうでん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アーク放電
アークほうでん
arc discharge
気体放電が最も進展した状態。アークまたは電弧ともいう。高温の陰極から十分な熱電子が供給され,電圧は低く,大電流が流れている。さらに電流を増してもアーク放電より他の放電形式へ移行することはない。電極間は炎状に強く光る陽光柱で結ばれ,この部分は電子と正イオンとが同数で,プラズマを形成する。アークの温度は 3000~6000Kで,電極物質の一部も蒸発して,スペクトルの光源になる。水銀アーク灯,ナトリウムアーク灯は照明に用いられ,ケイ光灯もアーク放電の1種である。金属棒を電極とし,数Ωの安全抵抗を通して約 100Vの電源につなぎ,両電極を接触してから離すとアーク放電が発生する。溶接に利用される。

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デジタル大辞泉

アーク‐ほうでん〔‐ハウデン〕【アーク放電】
弧状に見える、気体中の放電の一種。電流密度が大きく、電極間の気体と両電極が高温となり強い光を発する。電弧放電

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世界大百科事典 第2版

アークほうでん【アーク放電 arc discharge】
電弧放電,または単にアーク,電弧ともいう。放電電流が数百mA以上の場合によく見られる形式の放電。アーク放電では,陰極部が強くしぼられている(図-a)。陰極部の電流密度はふつう103A/cm2以上で,107A/cm2という測定例もある。電極間の電位(図-b)を見ると,陰極に接する厚さ10-6~10-3cm程度の陰極降下部で電位が急激に変化する。電位の傾斜の緩やかな部分が陽光柱に対応する。陽極の直前でも電位の急変する場合が多い。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

アークほうでん【アーク放電】
気体中での放電の一。弧状の強い光と高熱を発し、気体放電としては最も電流密度が大きく、電圧降下が少ない。電弧。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

アーク放電
あーくほうでん
気体放電のもっとも進展したもので、高温度の陰極から熱電子が放出されることで維持される種類の放電をいう。大気中のアーク放電では放電路が弧状(アーク)になるため、弧光放電または単にアークともいわれる。気体の圧力が高く電流が数アンペア以上と大きい放電はほとんどアーク放電となる。気体の圧力が低く電流が数百ミリアンペアと比較的低い場合でも、陰極が高温になりやすい場合とか、陰極に熱電子放射物質が塗布されている場合(熱電子を放出しやすい)はアーク放電となる。蛍光灯は後者の例である。アーク放電はグロー放電に比べて、陰極での電圧降下が少ない特徴をもつ。すなわち、グロー放電の陰極電圧降下は50ボルト以上、ときには数百ボルトに達するのに対し、アーク放電では20ボルト以下と小さい。また、陰極の温度は、十分な熱電子を供給するために一般に1000℃以上となり、3500℃に達することもある。高圧力気体中でのアーク放電では放電路のガスの温度が非常に高くなり、数万℃に達する場合もある。[東 忠利]

アーク放電の応用

大気中のアーク放電を応用した炭素アーク灯は、古く照明灯、探照灯、映画映写灯として使われ、現在は主として耐候試験用光源として使われている。水銀の高蒸気圧中のアーク放電を利用した水銀ランプ、ナトリウム蒸気中のアーク放電を利用した低圧および高圧ナトリウムランプ、種々の金属ハロゲン化物中のアーク放電を利用したメタルハライドランプなどは道路、広場、グランド、体育館、工場などの照明光源として使われている。高圧キセノンガス中のアーク放電を利用したキセノンランプは探照灯、映画映写灯として使われる。低圧水銀蒸気中の放電による紫外線を蛍光体により可視光に変換する蛍光ランプ(蛍光灯)は、照明用光源の中心で生活必需品となっている。水銀の蒸気圧が10~30気圧程度で、アーク長が数ミリメートルの高圧水銀ランプは、半導体や電子回路の製造の際の露光用光源として使われている。水銀の蒸気圧を150気圧以上にし、アーク長を1~1.5ミリメートル程度にした超高圧水銀ランプは、映像プロジェクターの光源として使われている。また、アーク放電は加熱源としても使われ、金属の溶融、溶接、切断、加工などにも利用されている。[東 忠利]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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