Rakuten infoseek

辞書

アンモニア

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アンモニア
ammonia
化学式 NH3 。無色,刺激臭の気体。粘膜を激しくおかすので危険。融点-77.7℃,沸点-33.4℃。水 100ml中に0℃で 89.9g,20℃で 50.0g溶ける。圧縮すると容易に液化して液体アンモニアになる。大気中や天然水中に微量存在し,土壌中にも存在する。微量のアンモニアの分析には,検知管か,ネスラー試薬を使う。窒素肥料硝酸の製造原料である。かつて原子時計に利用された。蒸発熱が大きい ( 55.5ΔvapH/kJ・mol-1 ) ので,冷凍機の冷媒として使われたが,今日ではフロンガスが広く用いられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

アンモニア(ammonia)
刺激臭のある無色気体。水によく溶け、アルカリ性を示す。圧縮により容易に液化する。肥料や硝酸の製造原料、冷却剤などにする。化学式NH3

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

アンモニア
 NH3 (mw17.03).独特の刺激臭をもつ気体で,水によく溶け,塩基性を示す.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

アンモニア【ammonia】
窒素と水素の化合物。化学式NH3。アンモニアの存在はその特異臭によって古くから人類に認識されており,古くは有機物のすす(煤),または塩化ナトリウムと尿とから昇華法によって,塩化アンモニウムNH4Clの形でつくられていた。アンモニアの名は,古代エジプトのアメン(ギリシア語ではAmmon)神殿の付近に産する磠砂(ろしや)(主成分は塩化アンモニウム)をアンモンの塩sal ammoniacusと呼んだことに由来する。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

アンモニア【ammonia】
鼻をつく強いにおいをもつ無色の気体。化学式 NH3 工業的には窒素と水素とを高圧下で触媒を用いて合成する(ハーバーボッシュ法)。水に溶けやすく、塩基性を示す。また液化しやすい。硝酸・肥料(硫安など)・尿素樹脂など合成化学工業の原料に用いる。液体アンモニアは冷凍・製氷用冷媒に利用する。 暗母尼亜とも当てた

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

アンモニア
あんもにあ
ammonia
窒素と水素の化合物で、常温では無色、強い刺激臭のある気体である。化学式NH3。水によく溶け(体積で約1000倍溶ける)アンモニア水となる。[中原勝儼]

歴史

古代エジプトの太陽神アモンAmonの寺院の近くから産する塩を「アモンの塩」sal ammoniacusといっていたが、当時食塩と尿とからつくられていた白色粉末(実は塩化アンモニウムNH4Cl)をさすようになり、このことばが転化して、のち、これから得られるものとしてアンモニアの名が生じた。1774年にイギリスのJ・プリーストリーが初めて合成に成功した。[中原勝儼]

存在

大気中には少量存在し、天然水中にも微量存在することが多い。また土壌中には細菌による含窒素有機化合物の分解生成物として含まれている。これが井戸水などに含まれている場合には、腐敗物質の存在を示すことになり、飲料水として不適当である。なお、地球以外の惑星、たとえば木星や土星などの大気中にもその存在が認められ、宇宙空間でも存在することが確認されている。[中原勝儼]

製法

工業的には窒素と水素とを加圧下、高温で反応させてつくる。実験室では市販の濃アンモニア水を加熱して、発生する気体を乾燥すると得られる。あるいはアンモニウム塩を水酸化カルシウムなどのアルカリと熱してつくる。これらの場合、塩基性のアンモニアガスを乾燥するのに、乾燥剤として酸性のもの(濃硫酸や五酸化二リン)、あるいは塩化カルシウムなどを使ってはならない(アンミン錯塩をつくってしまう)。通常は酸化カルシウムか水酸化ナトリウムを用いる。[中原勝儼]

性質

常温では無色、特異臭を有する気体であるが、圧縮すると簡単に液体にすることができる(たとえば20℃ならば8.46気圧)。分子構造は三角錐(すい)形で、水素原子は正三角形(1辺163ピコメートル)をつくり、その中心から38ピコメートル高いところに窒素原子がある。この水素原子のつくる平面に対し、窒素原子が上下する振動があるため、原子時計に利用される。気体のアンモニアは空気中では燃えないが、酸素中では黄色の炎をあげて燃え、窒素と水とを生ずる。このとき触媒を用いて酸化すると一酸化窒素が得られ、これをさらに酸化して二酸化窒素とし、水で処理すると硝酸が得られるので、この反応は硝酸製造に用いられる。ナトリウムやマグネシウムなどの金属とは反応してアミドや窒化物をつくり、ハロゲンとは反応して窒素を遊離する。水溶液はアンモニア水といい、アルカリ性で、酸とは塩をつくり、各種の金属塩とは反応してアンミン錯塩をつくる。気体を液化したものを液体アンモニアといい、水によく似た性質をもつ無色透明の液体で、溶媒として用いられる。[中原勝儼]

分析

気体中に含まれるときは、水または酸に吸収させ、水に溶けているときは、そのままネスラー試薬を加えると黄褐色になることによって存在が知られる。また、水溶液に水酸化ナトリウムを加えて熱すると、アンモニアの特異臭があることによって簡単に知ることができる。この臭気はきわめて強く、ごく微量でも(1立方メートル当り17ミリグラム)知ることができる。[中原勝儼]

用途

肥料としてもっとも多く用いられ、その量は日本ではアンモニア全生産量の85~90%に達する。残りが工業用である。肥料としてはこれまで主として硫安に変えられていたが、最近では尿素として用いるほうが多くなっている。工業用としては、硝酸の製造、ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム)製造のアンモニアソーダ法での使用、有機合成原料などとして用いられる。[中原勝儼]

アンモニア水

アンモニアの水溶液をアンモニア水という。アンモニアを水に溶かしてつくるが、発熱するので冷却しつつ行う必要がある。濃度が高いほど比重が小さい。たとえば15℃のとき、アンモニア9.91%で比重0.960、19.87%で0.926、30.37%で0.898である。アンモニア水中でのアンモニア分子の状態は、種々の実験事実から水酸化アンモニウムNH4OHの存在は考えられず、水分子の付加したNH3H2OとNH4OHの中間状態にあるものとされている。したがってアンモニアの水溶液を水酸化アンモニムのようによぶのは誤りである。無色透明の液体で、アンモニア臭と刺激性の味をもち、アルカリ性を示す。これは、
  NH3+H2ONH4++OH-
の平衡によるものであるが、このときの平衡定数Kbは、

であって、弱アルカリ性である。熱した場合、もしくは、強アルカリが存在する場合は、溶解度が減少してアンモニアを失う。
 沈殿剤、緩衝剤など試薬としての用途が重要であるが、衣類の洗浄や局所刺激剤、興奮剤、制酸剤、中和剤などの医薬品としても用いられる。
 空気に触れさせておくと、揮発し、また空気中から二酸化炭素その他の酸性蒸気を吸収するから、ゴム、プラスチック、ガラスなどの栓で密栓して保存する。市販品は通常、空気中の二酸化炭素を吸収して一部が炭酸塩となっているので、厳密な目的のためには、水酸化バリウムを加えて煮沸し、出てくるアンモニアを、二酸化炭素を含まない蒸留水に溶かして使用することがある。濃アンモニア水は温度が上昇すると爆発的に噴出することがあるので、冷所に貯蔵する。とくに夏は栓をあけるとき噴き出すことがあるので、目に入れることのないように、十分注意しなければならない。[中原勝儼]

液体アンモニア

アンモニアを液体にしたものを液体アンモニアという。略して液安ともいう。無色透明で、流動性が強く、水によく似た性質を示し、多くの各種化合物を溶解する。さらに電解質を溶かした溶液は、水溶液の場合と同じようなイオン反応、水素イオン濃度の変化による指示薬の変色などがみられる。このように各種化合物を液体アンモニアに溶かしたときには、水溶液中でおこす加水分解と同じように加溶媒分解をおこすが、これをアンモノリシスあるいは加安分解といっている。たとえば液体アンモニア中では、水の
  2H2OH3O++OH-
に対応した
  2NH3NH4++NH2-
があるため、重金属の塩類を液体アンモニア中に置くと、たとえば

のような反応を示す。これはたとえば水中での

の加水分解に対応している。
 また有機化合物が液体アンモニアだけでなく、アンモニア溶液と反応してアミノ基-NH2などが導入される場合もアンモノリシスということがある。たとえば、ハロゲン化物、酸無水物、エステルなどにみられる、

などがそうである。
 液体アンモニアは、非水溶媒として種々の溶液反応の研究に用いられるほか、直接に肥料としても使われる。なお蒸発熱が大きいため古く冷凍用寒剤としても用いられたが、現在ではあまり使われていない。
 取り扱う場合、粘膜を侵すので目、鼻、口などに直接触れないように注意する必要がある。[中原勝儼]
『塩川二朗編『無機工業化学』第2版(1993・化学同人) ▽金沢孝文・谷口雅男・鈴木喬・脇原将孝著『無機工業化学――現状と展望』(1994・講談社) ▽渡辺明治・佐伯武頼編著『医科アンモニア学』(1995・メディカルレビュー社) ▽日本化学会編『化学便覧 応用化学編』全2巻・改訂第6版(2003・丸善)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

四訂版 病院で受ける検査がわかる本

アンモニア

基準値

15~70μg/dℓ(酵素法)

アンモニアとは

 おもに腸管(大腸、小腸)でつくられる蛋白質の分解産物。血液を介して、おもに肝臓で尿素を合成する材料となり、腎臓から尿中に排出される。


肝臓病の進んだ人が、肝性昏睡になる可能性の有無をみる検査です。肝性昏睡は命にかかわるので、その前兆を見逃さないように!

肝性昏睡の病態把握に重要な指標

 肝性昏睡こんすいとは、重症の肝臓病によっておこる昏睡で、死にいたることもしばしばあるため、肝性昏睡がおこる可能性のあるときには、この検査を行います。

 アンモニアは、生体にとっては毒性(神経毒)があるため、通常は肝臓で尿素の材料となって無毒化されます。しかし、劇症肝炎や肝硬変、肝臓がんなどで肝臓の機能が低下すると、尿素が合成できずに血液中に増加します。

 その結果、中枢神経が障害され、手・指のふるえ、言語不明確、視力減退などの脳症状を引きおこし、ついには昏睡に陥ります。

意識障害、知能障害、けいれんなどでも高値に

 アンモニアの検査は、ほとんどが重い肝臓病の病態を把握するときに行うものですが、その他、小児では意識障害、知能障害、繰り返す嘔吐おうと、成人では、意識障害、けいれん、アンモニア臭などの症状がみられたとき、高アンモニア血症を疑って検査し、高値の場合はさらにその原因を究明することになります。

激しい運動後や高蛋白食では高値に

 酵素を用いた試薬によって測定されます。基準値は15~70μg/dℓで、成人より小児のほうが高値です。

 アンモニアは、激しい運動をしたあとや高蛋白質の食事をとったあとでは高値になります。

肝性昏睡の予防は蛋白の過剰摂取、便秘・下痢などを避ける

 肝性昏睡の治療対策は、アンモニアを中心とした中毒物質がつくられないようにすることと、血液中に存在する遊離型のアミノ酸の質的・量的な異常を是正するための薬物療法が基本になります。

 また、予防対策としては、誘因となる食事蛋白の過剰摂取を避け、便秘・下痢にならないように注意し、利尿薬の投与は行わないようにします。肝硬変などの場合は、筋肉が落ちるのを防ぐ目的で、適切な筋肉トレーニングなどを行います。

 なお、アンモニアの低値は、低栄養状態や貧血で認められますが、病的意義は少ないため、放置することがほとんどです。

疑われるおもな病気などは

◆高値→重症肝機能障害(劇症肝炎、肝性昏睡)、腎不全(尿毒症の一部)、高蛋白食、消化管出血など

◆低値→低栄養、貧血など

医師が使う一般用語
「アンモニア」

出典:法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」
(C) HOUKEN CORP. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

アンモニア
アンモニア
ammonia

NH3(17.03).大気や天然水中にも微量に存在するが,これらの多くは生物の排泄物,腐敗や分解の生成物などによる汚染起源のものであり,その存在は汚染されていることの指標とされる.実験室では,アンモニウム塩をアルカリとともに加熱して発生させる.工業的には,ハーバー-ボッシュ法で N2 と H2 から直接合成される([別用語参照]アンモニア合成).常温では無色,刺激臭のある気体.気体分子はN原子を頂点とする三方すい型構造で,N-H1.012 Å.∠H-N-H107°.融点-77.7 ℃,沸点-33.4 ℃.臨界温度132 ℃.水に易溶(52.0 g/100 cm3(20 ℃)),水溶液はアルカリ性を示す.酸と反応してアンモニウム塩を生じる.多くの金属に配位して,アンミン錯体を形成する.室温では安定であるが,約500 ℃ で分解して窒素と水素を生じる.高温では金属と反応してアミド,イミド,窒化物などをつくる.硫安,硝安,尿素などの窒素肥料や,硝酸,ナイロンなどの有機含窒素化合物の製造原料,炭酸ナトリウム製造,製氷などの冷凍機冷媒などに用いられる.アンモニア水は,アンモニアの水溶液である.水溶液中にはNH4OH分子は存在せず,

NH3 + H2O NH4 + OH

という平衡があり,見掛けの塩基解離定数は,K1 1.81×10-5 である.28% の濃アンモニア水,10% の日本薬局方医薬品などが市販されている.液体アンモニアは比誘電率が高く(25(-77.7 ℃)),プロトン解離平衡が存在し,水に似た性質をもつ.[CAS 7664-41-7]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

アンモニア」の用語解説はコトバンクが提供しています。

アンモニアの関連情報

関連キーワード

イオン化異性塩基混合原子価錯体ヨウ化窒素配位異性ルイス酸・塩基ルテニウム銀鏡反応構造異性キサント塩

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.