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アルファベット

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アルファベット
alphabet
ある言語を表記するために用いられる文字全体を伝統的に決った順序に配列したもの。厳密にはその言語の音素を表わす方式の表音文字をいうので,絵文字や表意文字はもちろん,日本語の仮名のような音節文字も除外される。この狭義では音素文字と呼ばれることも多いが,普通,その言語の音素に正確に対応しているわけではないので,単音文字と呼ばれることもある。アルファベットという名は,ギリシア語のアルファベットの最初の2字,アルファ (α) とベータ (β) に由来するが,ギリシア人が最初にアルファベットを発明したわけではなく,彼らはセム族の文字を借用して発展させたのである。ギリシア文字エトルリアを経てローマに伝わり,現在多くの言語のアルファベットに使用されるローマ字になった。ロシア語のアルファベットのもとになったキリル文字も,ギリシア文字の系統をひく。ギリシア文字と同じ北セム系統の文字にアラム文字があり,それからアラビア文字ヘブライ文字が発達した。

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デジタル大辞泉

アルファベット(alphabet)
ギリシャ文字α(アルファ)β(ベータ)から》字母表。特にラテン文字(ローマ字)の字母表。本来は西ギリシャ系の文字で、それが徐々に西欧世界に使用されるに至った。ABC。→字母表ギリシャ文字
[補説]ラテン文字アルファベット26字
大文字:A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, W, X, Y, Z
小文字:a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, m, n, o, p, q, r, s, t, u, v, w, x, y, z

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世界大百科事典 第2版

アルファベット【alphabet】
広義には,起源・原理のいかんにかかわらず,伝統的な一定の配列順序をもった文字体系を指すが,ここでは通常ラテン文字と呼ばれ,現在ほとんど全世界で最も広く用いられている文字体系について述べる。アルファベットという名称は,ギリシア文字の最初の2文字の名を結合したものであるが,この文字体系はギリシア人の発明したものではない。古代ギリシア人自身この文字のことを〈フェニキアの文字〉と呼んでいたこと,〈フェニキア文字〉がギリシア文字――とくに初期のそれ――と非常によく似た字形,名称,配列をもつこと,各文字の名称が後者からは説明できないのに前者からは説明できること,などの事実から,ギリシア人が当時の海洋民族たるフェニキア人からこの文字体系を学んだものであることは,確定的である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

アルファベット【alphabet】
一定の順序に並べられた、西欧語の文字の総称。普通はローマ字をいう。 〔ギリシャ文字の初めの二字 α (アルファ)と β (ベータ)とを合わせて呼んだことから〕

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知恵蔵mini

アルファベット
グーグルを傘下に収める持株会社。各事業会社の経営責任を明確にし、多角化を進める組織再編の一環として、2015年に設立された。最高経営責任者(CEO)はグーグル創業者のラリー・ペイジ。アルファベットの設立により、グーグルに代わって同社が上場会社となった。インターネット事業はグーグルが継続し、複数のベンチャープロジェクトはグーグルから切り離され、アルファベット傘下で運営される。
(2015-8-13)

出典:朝日新聞出版
(C)Asahi Shimbun Publications Inc
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アルファベット
あるふぁべっと
Alphabet
原則として1文字が1音を表す東地中海地方起源の文字体系で、今日では英語をはじめとする多数の言語の表記に用いられている。アルファベットという名称は、この文字体系の最初の2字のギリシア名アルファおよびベータから出ているが、これらは古代セム語でそれぞれ「牛」および「家」を意味する語とつながりをもつ。
 アルファベット成立の事情については不明の点が多いが、紀元前2000~前1500年間に、東地中海地方でセム語族に属するフェニキア人によってつくりだされたと思われる。アルファベットの祖型に近いものとしては、20世紀初頭にシナイ半島で発見されたシナイ文字があり、またほぼ同じころビブロス旧址(きゅうし)でみつけられたビブロス文字は、古代エジプトのヒエログリフとフェニキア・アルファベットの橋渡しをなしているものと考えられる。
 シナイ文字およびフェニキア文字は22個からなり、子音しか表記しなかったが、この方式は今日使われているアラビア文字やヘブライ文字の用法に継承されている。この初期アルファベットはアクロフォニー(頭音)の原理によってつくりだされた。これは、ある語の図形でその語の頭音を代表させるもので、たとえば「牛」の図形でその語'alefの頭音’(一種の喉音(こうおん)を表す)を、また「家」の図形でその語btの頭音bを表した。初期のフェニキア文字刻文としては、シャパトバアル刻文、アヒラム王刻文、ゲゼルの農業暦、メシャ王刻文などがあり、前13~前9世紀のものとされる。
 フェニキア人は地中海周辺各地に移民したため、フェニキア文字は広範囲に使用された。ギリシア人はフェニキア文字を借用してギリシア語を表記したが、このとき若干のフェニキア文字を母音の表記用に用いた。こうして今日のA、I、U、E、Oなどの原型ができた。このギリシア文字は今日でも現代ギリシア語の表記に用いられている。またギリシア文字からスラブ系諸文字がつくられ、今日のロシア語、ブルガリア語、セルボ・クロアチア語などの表記に使われている。他方、中部イタリアの古代民族エトルリア人はギリシア文字を借用したが、ラティウム出身のローマ人はこの文字を借りてラテン語を表記するようになった。このラテン文字(ローマ字)は、そののち西ヨーロッパ諸語の表記に使われるようになり、アルファベット文字体系の代表とみなされるに至った。
 ラテン文字は近代のアルファベットの大半を含んでいるが、古期にはCとG、UとVの区別がなく、IとJの区別も近代になってからのものである。また、アルファベット文字体系は本来は1文字が1音(もとは単子音)を表したが、ギリシア文字のψ[ps]、ラテン文字のx[ks]、ロシア文字のщ[t]などのように複音を表すものも付け加えられている。
 フェニキア文字からアラム文字が生じて、東方における多くの文字体系に発展した。シリア文字、イラン系諸文字、モンゴル文字などがそれであり、カフカスのアルメニア文字とジョージア(グルジア)文字は今日も用いられている。またアラム文字は前5世紀前後にインドに伝えられ、インド系諸文字および東南アジア諸文字を生ぜしめた。文字の構造の点からみれば、単音表記のアルファベット文字は、ここでは母音を表す記号と組み合わされて、日本文字体系における仮名文字のような音節文字になり、文字数も数百個に増えた。同じことはフェニキア文字、南アラビア文字を介して生じたエチオピア文字についてもいうことができる。これらの音節文字はアルファベット大体系に属する文字体系ではあるが、もはやアルファベット式ということはできなくなっている。
 本来のアルファベット文字体系の特徴は、それ以前に使われていた楔形(くさびがた)文字やヒエログリフの体系に比して文字数がきわめて少ない点にあり、フェニキア文字では22個、古典期のギリシア文字では24個のみが使われた。のちに近代諸語の表音に使われるようになり、英語で26、ロシア語で33というように若干文字数が増えたが、この程度の文字数は学習が容易であり、識字率の増大、知識の普及、情報交換の能率化に貢献している。
 他方、アルファベット大体系には属さない文字体系にも、アルファベット式文字が使われていることがある。古代エジプトのヒエログリフで使われている約24個の単音文字、東地中海岸の古代都市国家ウガリットで使われていた、30個の子音のみを記す楔形文字などがあげられる。
 なお、一般に各言語がもっている基本的音韻あるいはそれを表記する文字を、その言語のアルファベットとよぶ場合もある。[矢島文夫]

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精選版 日本国語大辞典

アルファベット
〘名〙 (alphabet ギリシア文字の第一番目と二番目の字アルファとベータから) ギリシア文字を基礎としてできた、表音文字の一体系。西ヨーロッパや南北アメリカで広く用いられているラテン文字(ローマ字)の全体。そこに含まれる字の数は、国語によって異なる。また、ギリシア文字のような、ラテン文字に形が近い文字についてもいう。
※筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉三「演説はアルハベットの順にてやることと定まりゐたり」

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