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アラム語【アラムご】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アラム語
アラムご
Aramaic language
セム語族に属する言語の一つ。アラマイ語ともいう。カナーン語ウガリト語などとともに北西セム語をなす。前7世紀頃からメソポタミアアッカド語を駆逐して次第に近東の共通語となり,ペルシア帝国公用語にもなった。紀元後東アラム語と西アラム語に分れたが,西アラム語には,キリスト時代のパレスチナの民衆の言語パレスチナ・アラム語,旧約聖書の翻訳『タルグム』により知られるユダヤ人のアラム語,同じく翻訳でみられるサマリア語,さらにパルミラ語,ナバテア語などがある。東アラム語は,北部メソポタミアのシリア語が代表。この言語はエデッサを中心とするアラム文化のにない手であり,ギリシア文化をヨーロッパに伝える役も果した。その他マンデ語,バビロニア・タルムードゲマラ』の言語など。アラム語の最盛期は7世紀で終り,以後アラビア語に取って代られたが,今日でもレバノン山脈の東やイラン北西のリザーイエにアラム語の後裔,現代アラム語が数千人によって話されている。なお,文字はアラム文字と呼ばれ,北セム文字の一つ。

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デジタル大辞泉

アラム‐ご【アラム語】
Aramaicセム語族に属する言語。古代西アジアの共通語として広く使用され、イエス=キリスト母語でもあった。現在でもトルコイランイラクシリアなどに話し手がいる。

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世界大百科事典 第2版

アラムご【アラム語 Aramaic】
ヘブライ語等を含むカナン語群と並んで北西セム語派に属する大言語群。その歴史は,アラム人が前2千年紀に上部メソポタミア地方で小国家群を形成したころに始まると推定され,最古の資料は同地方から出た前9~前7世紀の碑文で,古アラム語と呼ばれる。母国がアッシリアに滅ぼされた後も,アラム語は勢力を拡大し,前7世紀ころからアッシリア王国,ついで新バビロニア王国で,前6世紀中葉以後はペルシア帝国の公用語として用いられ,北はカスピ海沿岸から南はエジプトのナイル上流地点(エレファンティネ)まで,東はインド(前3世紀のアショーカ王碑文)から西は小アジアのエーゲ海岸に至る各地から,パピルス,陶片,粘土板,墓碑,壁文など多数の資料を出しており,帝国アラム語と称される。

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大辞林 第三版

アラムご【アラム語】
アフロ・アジア諸語のうちセム語派(北西セム語派)に属する言語。紀元前一〇~前八世紀頃、西アジアで広く用いられ、ペルシャ帝国では公用語であった。文字は北セム系で、ヘブライ文字のもとともなり、アルファベットの成立やアジア諸言語の表記法に影響を与えた。イエスもアラム語を話したといわれ、旧約聖書にもこの言語で書かれた部分がある。

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世界の主要言語がわかる事典

アラムご【アラム語】
セム語族の北西セム語派に属する言語。もとはシリアとメソポタミアで紀元前1000年以前からいくつもの小国家を築いたアラム人の言語で、前7~前4世紀にはアッシリア王国、新バビロニア王国、ペルシア帝国の公用語として広大な地域で用いられた。パレスチナのユダヤ人のヘブライ語も次第にアラム語にとってかわられ、旧約聖書にもごく一部だがアラム語の箇所がある。イエス・キリストもアラム語で教えを説いたとされる。紀元後では、聖書やギリシア哲学の翻訳、豊富なキリスト教文献などで大きな影響を与えたシリア語が方言の一つとして知られる。アラム語の地域は8世紀以降アラビア語に圧倒され、現在はシリア、トルコ、イランなどのごく一部に残るにすぎない。◇英語でAramaic。

出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アラム語
あらむご
Aramaic
セム語族北西セム語派に属する言語。紀元前1000年ごろからシリア、メソポタミアに多くの小王国を建てたアラム人の言語で、現在に至る3000年の歴史をもつ。前10~前8世紀の古アラム語に続いて、前4世紀ごろまでのアッシリア、新バビロニア、ペルシア各帝国で用いられたアラム語を、帝国アラム語とよぶ。この時代、アラム人は政治的自立を失っていたが、逆にアラム語は中東一帯の共通語として、エジプト、エーゲ海、カスピ海、インダス川にわたる領域に広まった。ユダヤ人のヘブライ語もしだいにアラム語にとってかわられるようになり、『旧約聖書』の一部分のアラム語もこの時期に由来する。その後しばらくして、アラム語は東、西二つの方言に分かれる。西アラム語はナバタイ語、パルミュラ語などの北アラビア、パレスチナの方言である。東アラム語ではシリア語がもっとも重要で、ほかにメソポタミアの方言を含む。シリア語は1世紀以後の多くの資料をもつ言語で、豊富なキリスト教文献を生み出し、また翻訳を通じて、古代ギリシア文献を広く伝える重要な役割を果たした。アラム語域は、その後7世紀以降のイスラム興隆に伴うアラビア語の伸長などの理由により狭まり、現在ではシリア、イラン、トルコ、コーカサス(カフカス)地方、イスラエルなどに東、西両方言の話し手が数十万人残るだけである。[柘植洋一]

アラム文字

北セム系アルファベットの一種で、フェニキア文字と並ぶ重要な文字である。子音だけを表す22文字からなり、右から左へ書かれる。前10世紀の碑文の文字が最古のもので、以後帝国アラム語期を経て、アラム語の東、西方言への分裂に伴い、ナバタイ文字、パルミュラ文字、シリア文字などが生まれた。さらに東に伝わって、アラム語以外の言語の表記にも用いられ、ペフレビ(パフラビ)、ソグド、ウイグル、蒙古(もうこ)、満州などの各文字がつくられている。[柘植洋一]

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