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アラビア語【アラビアご】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アラビア語
アラビアご
Arabic language
セム語族に属し,単独で南西セム語をなす言語。アラビア半島,エジプト,リビアチュニジアモロッコ,ヨルダン,シリア,レバノン,イラク,マルタ島などのアラブ諸国で母国語として話されている,互いに著しく異なる口語アラビア語と,そのうえにかぶさっていて,より広くイスラム圏全体で使われている古典アラビア語とから成る。約 8000万人の話し手をもつ古典アラビア語はイスラム教徒の聖典『コーラン』 (650年頃) の言語であるが,7世紀にイスラムの言語と定まって以来,実に保守的にその姿を維持している。上述のアラブ諸国では今日でも書き言葉はもちろん,改まったレベル (文学,政治,学術,宗教など) の話し言葉としても使われ,非アラビア語イスラム圏 (イラン,マレーシアなど) では宗教上の共通語として使われている。アラビア語のおもな特徴は,喉頭音や強勢音の多いこと,3子音を基本とする語根に母音の型が加わってその語彙的=文法的意味を表わすこと,動詞の活用体系が豊富でしかも規則的であることなど。アラビア文字を使用する。

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デジタル大辞泉

アラビア‐ご【アラビア語】
セム語族に属する言語で、アラブ諸国の共通語。イラクシリアやアラビア半島・北アフリカなどで広く使用される。長いあいだ中近東世界の国際語であったため、ペルシア語をはじめ周辺の諸言語に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典 第2版

アラビアご【アラビア語 Arabic】
セム語族中,エチオピア語と共に南セム語派に属し,広義には北アラビア語と南アラビア語に分かれるが,普通は前者のみを指す。アラビア語ではアラビーヤal‐‘Arabīya。現在,シリア,イラク以南の西南アジア諸国はもちろん,エジプト,スーダン,リビア,チュニジア,アルジェリア,モロッコ等の北アフリカ諸国で公用語と定められ,その他の北アフリカ各地,中央アジアのウズベクや地中海のマルタ島でも話されており,総人口は1億以上と推定される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

アラビアご【アラビア語】
アフロ・アジア諸語のうち、セム語派(南セム語派)に属する言語。アラビア半島から北アフリカ西岸にかけて使用される。イスラム教とともに大いに広がり、ペルシャ語・トルコ諸語・ウルドゥー語・インドネシア語などに大きな影響を与えた。

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世界の主要言語がわかる事典

アラビアご【アラビア語】
セム語族の南セム語派に属する言語。西南アジアから北アフリカにかけての広い地域で用いられ、公用語としている国・地域は24、話者数は2億3000万人に及ぶ。国際連合の公用語の一つでもある。古くは4世紀の碑文(ひぶん)が知られるが、アラビア砂漠遊牧民の共通の詩語をもとに古典アラビア語が成立。7世紀、ムハンマドに下った啓示がコーランにこの言葉で書かれたことから、聖典の言語として文法的な規範が整えられ、イスラム教の伝播によって各地に広がった。また、ギリシア古典の翻訳等を通じて高い表現能力や豊かな語彙(ごい)を獲得した。アラブ世界では今日も、多くの方言と並んで、古典アラビア語が共通の標準語として用いられている。文字は28字からなるアラビア文字が使われる。単語は、3子音からなり基本的な意味を与える語根と、接辞・母音からなり文法的意味を与える型とを組み合わせてつくられる。語順は、動詞が先頭に立つなど、日本語と逆であることが多い。

出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アラビア語
あらびあご
セム語族(アフロ・アジア語族)南西分派に属する一大語群。4世紀以降約15世紀間にわたるきわめて多数の文献をもち、また今日では一億数千万人の使用者が数えられる。アラビア語は当初アラビア半島における地方語であったが、イスラム教の興隆とともに聖典コーランの用語として尊重され、イスラム教を支える言語として発展した。その過程で用法が多様化し、使用人口が増大し、今日では全世界にわたるイスラム教徒の主要用語となっている。
 アラビア語は正則アラビア語(フスハー)と民間アラビア語(アンミーヤ)に大別される。「正則アラビア語」はコーランのアラビア語を規範としつつ、イスラム教の発展とともにつくりあげられた多少とも人工的な言語で、古典アラビア語文学の大半はこれで書かれている。きわめて複雑な文法体系をもち、イスラム諸学および外来諸学の高度の思想や科学的知識を表現することができた。また近代になると、新聞、雑誌、一般書籍の用語として用いられるとともに、ラジオ、テレビにおけるニュース、講演などにも用いられている。本来は文語であったが、口語的要素が取り入れられるようになっているため、今日では「標準アラビア語」ともよばれている。「民間アラビア語」はアラブ世界の各地で日常言語として用いられており、使用範囲の広い方言群とみなされる。大別してイラク方言、シリア方言、エジプト方言、北アフリカ方言とに分けられ、さらにこれらが細分されるが、ほかにも多数の方言群が認められる。民間アラビア語は、発音、語彙(ごい)および表現法、若干の文法の点で正則アラビア語と異なり、また方言群の間でかなりの相違がある。今日では遠隔地に住むアラブ間の交流が増大したために、共通民間アラビア語といえるものが形成されつつある。[矢島文夫]

文字

最古期アラビア語の文献としては、328年の日付をもつナマーラ刻文、512/513年の日付をもつザバド刻文、568年の日付をもつハッラーン刻文が知られているが、これらはアラム系ナバタイ文字で記されており、アラム語の影響を強く受けている。しかしイスラム以前のアラビア語刻文遺物はわずかしか知られていない。イスラム暦第1世紀(西暦7世紀)末に南イラクのクーファ地方で、クーフィー体とよばれるアラビア文字が使われるようになり、次の世紀に東方から紙の製法が伝えられるとともに、今日も用いられている筆写用の書体が生じた。一般的な書体はナスヒー体で、日常にはしばしばルクア体が使われ、ほかにも多くの書体が生じた。今日のアラビア語活字はこれらをもとにしてつくられている。他のセム諸文字と同じく、アラビア文字は主として子音のみを記し、母音およびその他の判別記号は必要に応じてのみつけ加えられる。またアラビア文字で記されるのは主として正則アラビア語であって、民間アラビア語は通常、表記されないが、最近は新聞、雑誌の会話体に使われ出している。[矢島文夫]

文法

正則アラビア語では28個の子音、8個の母音(u、a、i、u-、a-、i-、au、ai)が使われている。民間アラビア語では子音のいくつかに地方的変差が認められるほか、母音も複雑化していることが多い。
 アラビア語の本来の単語の特徴は、3個か4個の語根(子音群)が基本的意味を決定し、母音および付加的要素がその単語の意味の細部を示すところにある。たとえば、d‐r‐sは「学ぶ」という意味をもち、darastuは「私は学んだ」、yadrusは「彼は学ぶ」、darsは「学ぶこと」「学課」、madrasaは「学ぶ場所」「学校」を表す。動詞には13の人称変化があり、また各種の派生変化形があるために、理論上は一つの語根から1000個以上の語形が生じうる。それらの派生語は新語として用いられることもあり、この造語力の豊かさが正則アラビア語をラテン語と並ぶ中世の一大文語にしたといわれる。
 正則アラビア語の本来の語順は「述語+主語+補語」である(たとえば「彼は彼の学課を学んだ」はdarasa huwa darsa-hu「学んだ・彼・学課・彼の」)。しかし現代の標準アラビア語においては、語彙(ごい)とともに文法面でもヨーロッパ近代諸語の影響が増えており、この語順も厳格には守られなくなりつつある。
 西暦8世紀後半以後のイスラム諸学の興隆とともに、きわめて多くの正則アラビア語文献が学者、文人によって生み出されたが、その一部門に文法学および辞典の作製があった。ハリールの『アインの書』、シーバワイヒの『キターブ』、イブン・マンズールの『アラブの言語』などが知られている。ヨーロッパでは中世スペイン、近世オランダでアラビア学が生じ、イギリス、フランス、ドイツが主流となって今日に及んでいる。[矢島文夫]

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