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アボリショニズム

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アボリショニズム
Abolitionism
南北戦争までのアメリカにおける奴隷制度即時廃止論。奴隷制反対論は,すでに植民地時代のクェーカー教徒などによって唱えられ,アメリカ独立革命期には奴隷の数が少い北部の諸州で奴隷制の廃止が実現されたが,圧倒的多数を占める南部諸州では基本的な労働制度として維持された。しかし独立後たばこの売行きの不振などから,経済的に不利になったバージニアなどでは啓蒙思想の影響もあって,奴隷主の間にも奴隷制を漸次廃止し,自由黒人をアフリカに植民させる機運が高まった。こうして 1817年アメリカ植民協会が設立されたが,その活動は真の奴隷解放策でないという批判もあった。 1820年代に入るとイギリスにおける植民地奴隷制廃止運動の影響などからアメリカにアボリショニズムが次第に強くなり,30年代に入ると,奴隷自身による解放闘争の展開と関連しつつ,W.ギャリソンや T.ウェルドらを中心に,北東部や西部で活発な活動が展開され,もと奴隷の F.ダグラスらも参加し,40年代に入ると政治運動と結びついた。しかし多くの北部・西部人は,奴隷制の西部への拡大には強く反対したが,南部の奴隷制そのものの即時廃止を唱えるアボリショニズムにも,連邦の分裂をもたらすものとして反対し,これを危険視さえした。 59年の J.ブラウンのハーパーズフェリー襲撃事件 (→ブラウンの蜂起 ) は,このような風潮に対するアボリショニズム運動の頂点を示し,2年後南北戦争が始り,結局戦争という暴力によるしか,奴隷制そのものの即時廃止は実現できないことを示した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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