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アクセント

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アクセント
accent
単語あるいは単語結合について,社会習慣として一定している相対的高低,あるいは強弱の型の体系。それぞれ「高さアクセント」「強さアクセント」という。前者は日本語,古典ギリシア語など,後者は英語,ロシア語など。中国語やベトナム語などの声調は,各音節ごとに社会習慣的型が決っているので上記のアクセントとは異なるが,やはり相対的な高低によっているので,これを「高さ音節アクセント」という人もある。アクセントは広義の音韻の一種で,意味との結びつきは必然性をもたず,各言語ごとに社会的約束として決っている。その機能は単語 (結合) の意味を区別したり,単語 (結合) にまとまりを与え,他の単語 (結合) との切れ目を示すことにある。なおフランス語や日本語の都城 (みやこのじょう) 方言 (宮崎) ,仙台方言など,アクセントの音韻的対立をもたない言語 (方言) も存在する。なお,アクセントは,アクセント記号をさしたり,もっと広く口調の意味で使われることもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

アクセント(accent)
個々の語について、社会的慣習として決まっている相対的な音の高低または強弱の配置。言語体系の違いによって、音の高低によるもの(高さアクセント)と音の強弱によるもの(強さアクセント)とがある。日本語は高さアクセント、英語などは強さアクセント。
話し方の調子。イントネーション。
音楽で、拍子の強く演奏される部分。強勢部。
デザインなどで、平板・単調なものの印象を強め、人目を引きつけるために付け加えるもの。「ベルトでアクセントをつけた服」「生活のアクセントとなる季節の行事」

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

アクセント【accent】
言語学(音声学)の用語。単語などの音形はいくつかの音素(の列)から成ると一応考えることができるが,それがその単語の音形のすべてではない。すなわち,その音形のどこが強く発音されるかとか,どこが高く発音されるかといった特徴がさらに存在しうる。そのような特徴に関する,言語ごとに決まっている状態,体系をアクセントと総称する(ただし,文全体にかかわるものであるイントネーションは除外する)。
高低アクセント強弱アクセント
 アクセントは言語によってかなり異なる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

アクセント【accent】
一つ一つの語について社会慣習的に決まっている、相対的な高低や強弱の配置。英語・ドイツ語などに見られる「強弱アクセント」と、日本語などに見られる「高低アクセント」との二種がある。音調。アクサン。
話し方の調子。語調。
〘音〙 特に強く拍を打つ部分。強調される音。
デザインなどで、全体をひきしめるため、特に強調したり目立たせたりする部分や物。 「フリルで-をつける」
強調する点。重点。 「構造改革に-を置く」

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アクセント
あくせんと
accent
もとギリシア語プロソーディアπροσωδαのラテン語訳アッケントゥスaccentusに由来する。一般には、ことばのなかでとくに高くあるいは強く聞こえる部分をいい、音楽では1小節内で強く演奏される部分をいう。転じて服飾などで中心となる目だつ部分をいうこともある。
 言語学では、単語中のある特定の音節が他に比べて際だって高く、あるいは強く、高く、長く発音され、それが単語に備わった特徴であるとき、これをアクセントという。個々の語音を分節的特徴とよぶのに対して、アクセントは超分節的特徴とよばれ、「かぶせ音素」とよばれることもある。英語ではprmit(免許証)のpr、またはpermt(許す)のmtを強くいい、東京方言ではメ(雨)の、ア(飴)のをそれぞれ高くいうとされるのが、それである。
 語源の古代ギリシア語では高さアクセントを示した。のち、ヨーロッパ近代言語のいわゆる強さアクセントに用いる。日本では、古代中国の「声(ショウ)」(四声など)を学び、これを日本語の場合に応用したが、明治以後、アクセントの用語を用い、語調、音調などとよぶ例もある。
 英語では単語アクセントをストレスstressとよぶことが多い。名詞と動詞の別を示す例は多いが、意味の区別に役だつことは比較的少ない。ドイツ語では、おもに第1音節に、イタリア語では多くは最後の一つ前の音節にあり、フランス語では末尾の音節にある。フランス語ではアクセントを単語の意味の区別に役だてない。これらの言語では、アクセントは単語、句などを一つにまとめるのに役だつ。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語などは強弱アクセントまたは強さアクセントstress accent,dynamic accentとされ、日本語は高低アクセントまたは高さアクセントpitch accent,musical accentといわれる。中国語、タイ語なども後者であるが、1母音内での音調変化があるため、声調アクセントともいう。
 しかし生理的、音響的実験の結果によれば、英語アクセントにおいても、その生成(発話)と知覚(聞こえ)にもっとも重要な要素は、声帯振動の基本周波数、つまり高さの変化である。日本語では、各単語アクセントによる高低変化は、文脈中においても保たれる傾向がある。英語などでは文中で強調される単語アクセントのある音節だけがとくに高く、強く、長く、また母音が明確に発音される。このため、アクセントは意味の伝達上とくに重要である。[杉藤美代子]

日本語のアクセント

アクセントの最小単位は拍(またはモーラmora)、大まかには、かな文字がこれを示す。近畿方言のキョダイ(兄弟)、イリョク(引力)は長音、撥音(はつおん)も単位となる例である。表1の上部は、現在の標準語とされる東京アクセントを、下部はかつての標準語であった近畿アクセントを示す。表記は高い部分を線で示し、または高低のくぎりに「印」を用いる。各拍を○印で、高い部分を●で示す場合もある。
 東京アクセントの1拍語「エ」(柄と絵)は、エガナガイ(柄が長い)、オカク(絵を書く)のように、また2拍語「ハ」(鼻と花)はハナガタカイ(鼻が高い)、ハガサイタ(花が咲いた)のように、助詞が高く、平らにつくか、または低くつくかにより、型が異なる。単語の拍数をnとすれば、各拍単語にはn+1種類の型がある。近畿アクセントには高起と低起の別があり、2n-1種類のうえに1、2拍語では上昇し、下降する絵(エ)、餌(エ)、雨(アメ)などがある。
 東京アクセントの地理的分布は広く、近畿アクセントがこれに次ぐ。ほかに九州の南西部に、多拍語まで2種の型をもつ二型アクセント地域があり、九州中央部と、東北地方の南東部および関東の北東部に、アクセントが意味の区別に役だたない無型アクセント(いわゆる一型アクセント)地域がある。
 近畿アクセントは、古文献により、1000年近い昔のそれが推定できる。表2には古代の標準語アクセントと、現代の方言アクセントを示した。各単語群が史的、地域的変化において対応関係のあることは興味深い。[杉藤美代子]
『金田一春彦著『国語アクセントの史的研究原理と方法』(1974・塙書房) ▽平山輝男著『日本語音調の研究』(1957・明治書院) ▽杉藤美代子「アクセント、イントネーションの比較」(『日英比較講座1』1980・大修館書店・所収) ▽杉藤美代子著『日本語アクセントの研究』(1982・三省堂)』

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精選版 日本国語大辞典

アクセント
〘名〙 (accent)
① 発音される個々の語がその言語連結の上でもつ強弱、または高低の配置。社会的習慣によって決まる相対的なもので、言語体系によって強さのアクセントと高さのアクセントとがある。ヨーロッパの諸言語は多く前者に属し、日本語は後者に属す。一般的にはイントネーションにもかかわる語調や抑揚、また強調の置き方についていう場合がある。また、話し手が、特に重要な意味をもつ部分を強く発音することをもいうことがあるが、これは厳密にはプロミネンスという。
※風俗画報‐一六八号(1898)言語門「是より更に進んで各声音の特質及びアクセント等をも研究せば」
② 強調して表現する点。話などの重点。また、全体のめりはりとなる点。
※己が罪(1899)〈菊池幽芳〉「どっと寄する波音の引きてはまた返せるが、冥土の消息を伝ふる如く、その合間合間に聞ゆる海鳥の声の、これに悲壮なる抑揚(アクセント)を与へつ」
③ 美術、服飾などのデザインで、全体の調子を特定の箇所や物で強調するもの。また、強調に使う材料。絵画・写真のハイライト。
※反動期に於ける文学と哲学(1934)〈戸坂潤〉「元来戯画といふものはアクセントだけを抽象して強調したものに他ならないのだから」

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