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アイヌ説【アイヌせつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アイヌ説
アイヌせつ
日本の石器時代人はアイヌであるという学説。江戸時代の学者は,東北地方や北海道で発見される土器,石器を蝦夷すなわちアイヌが使ったものとみなした。江戸末期に来日した P.F.シーボルトは石器時代人がすなわちアイヌであるという説を提唱したが,明治になってから,日本で初めて貝塚を発掘した E.S.モースが,それを否定した。その後,日本人学者間においても日本人起源論が論じられ,特に日本人類学の先達小金井良精は,アイヌの生体計測と骨の研究から,日本石器時代人=アイヌ説を打立てた。彼は日本石器時代人の骨のうちには,脛骨をはじめ多くの長骨が扁平である傾向を重視し,これは,現代アイヌにみられるが,日本人にはみられないと指摘した。しかし文化遺物をみると,日本石器時代のものと近代アイヌのそれとは異なっている。この説に対して長谷部言人らは日本石器時代人は現代日本人の祖先であり,両者の違いは,生活様式の違いによるとして,その点で,日本石器時代人=アイヌ説を否定した。近年になって再び,縄文時代人とアイヌとの系統関係が主張されはじめている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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