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アイ(藍)【アイ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アイ(藍)
アイ
Persicaria tinctoria (Polygonum tinctorium)
タデ科の一年草。高さ 50~70cmになり,茎は紅紫色を帯びる。中国原産で古く日本に入った。葉,茎から染料をとり,東洋では古来,ムラサキ,ベニバナアカネなどとともに染料として重用された。ヨーロッパでは 16世紀に東洋から輸入して使用されるようになり,のちにはヨーロッパ諸国のアジア植民地で栽培された。日本では奈良・平安時代から栽培され,正倉院宝物中の藍染織物や『延喜式』の藍染法などの規定はその重用のさまを示している。江戸時代中期までは各地方で自給されたが,その後,阿波藩で奨励と販売統制を行い,大坂市場を独占するにいたり,阿波藍が全国的に商品として流通した。主産地は阿波と摂津。元文1 (1736) 年大坂集荷の藍玉は 48万貫 (1800t) 。 1897年頃までその生産は増加するが,明治末年,ドイツから輸入の人工藍 (アニリン染料) の圧迫によって衰えた。しかし,品質の良いところから現在でも高級品としての需要があり,生産は続けられている。

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世界大百科事典 第2版

アイ【アイ(藍) Chinese indigo】
濃青色,いわゆる藍色の染料を採るために栽培されるタデ科の一年草(イラスト)。インジゴと呼ばれる藍色の染料を採る植物には,アイのほかにリュウキュウアイStrobilanthes cusia O.Kuntze(キツネノマゴ科)やインドキアイ(コマツナギ属の数種,マメ科)(イラスト,イラスト)などいくつかあるところから,とくにアイを区別してタデアイとも呼ぶ。東南アジア原産で,中国では古くから栽培された。日本へは飛鳥時代以前に中国から渡来したとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

アイ(藍)
あい / 藍
Chinese indigo
[学]Polygonum tinctorium Lour.
タデ科の一年草。東南アジア原産。日本には飛鳥(あすか)時代以前に中国から渡来したとされる。茎の高さは50~80センチメートル。夏に、枝先に紅色または白色の小花を穂状につける。種子は長さ2~3ミリメートル、熟すと黒色、卵形で3稜(りょう)がある。葉は先のとがった卵形で、全体が赤みを帯びて黒ずんだ緑色。葉から濃青色の染料インジゴをとるために栽培される。インジゴをとる植物にはリュウキュウアイ(キツネノマゴ科)、タイセイ(アブラナ科)、インドアイ(マメ科)など数種あるところから本種をとくにタデアイとよぶこともある。日本には昔から「小上粉(こじょうこ)」「百貫(ひゃっかん)」「小千本(こせんぼん)」などの品種が栽培されたが、現在は「小上粉」だけが栽培されている。これには赤花種と白花種があり、赤花種は早生で品質、収量がよく、白花種は晩生で耐病性が強く、葉の品質はもっとも優れている。
 藍の産地として古くから京都、大阪の近郊が知られ、江戸時代中期以降は阿波(あわ)国(徳島県)が主産地となった。明治時代まではかなり広く栽培されていたが、インドアイからとったインジゴの輸入や、合成インジゴの開発で栽培は激減した。しかし、色合いや木綿などに染め付けて色もちがよいことなどから現在も高級品用に需要があり、徳島県など一部の地域で栽培が続いている。
 漢方では果実・乾葉を解熱、解毒に用い、民間では藍実(らんじつ)の煎汁(せんじゅう)や、新鮮な藍葉をもんだ汁を毒虫の刺傷に外用した。[星川清親]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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