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ものから【モノカラ】

デジタル大辞泉

ものから[接助]
[接助]《形式名詞「もの」+格助詞「から」から》活用語の連体形に付く。
逆接の確定条件を表す。…けれども。…のに。…ものの。
「月は有明にて光をさまれる―、影さやかに見えて、なかなかをかしきあけぼのなり」〈帚木
理由・原因を表す。…ものだから。…ので。
「莵道(うぢ)の王(きみ)…みづから宝算(よはひ)を断たせ給ふ―、やんごとなくて兄の皇子御位につかせ給ふ」〈読・雨月・白峯〉
[補説]2は「から」からの類推により中世末に生じ近世擬古文に多く用いられる用法。

出典:小学館
監修:松村明
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大辞林 第三版

ものから
( 接助 )
〔形式名詞「もの」に名詞「から(故)」が付いたものから。上代から見られるが、上代ではまだ二語としての意識が強く、中古に至り一語の接続助詞としての用法が成立した〕
活用語の連体形に接続する。
既定の事柄を条件として示し、逆接的に下に続ける。けれども。ものの。のに。 「待つ人にあらぬ-初雁のけさ鳴く声のめづらしきかな/古今 秋上」 「月は有明にて光をさまれる-、影さやかに見えてなかなかをかしき曙なり/源氏 帚木
既定の順接条件を表す。…なので。…だから。 「さすがに辺土の遺風忘れざる-、殊勝に覚えらる/奥の細道」 「みづからよはひを断せ給ふ-、罷事やんごとなくて兄の皇子御位に即せ給ふ/読本・雨月 白峯」 〔は中世から見られるが、近世の擬古文では、この方が一般的となる〕

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

もの‐から
〘接助〙 (名詞「もの」に名詞「から」の付いてできたもの。→語誌(1)) 活用語連体形を受ける。
逆接を表わす。けれども。ものの。のに。→語誌(2)。
※万葉(8C後)六・九五一「見渡せば近き物可良(ものカラ)岩隠りかがよふ玉を取らずは止まじ」
※徒然草(1331頃)一「いたましうするものから、下戸ならぬこそをのこはよけれ」
② 順接を表わす。ので。ものだから。→語誌(3)。
※教訓抄(1233)七「只乙(かなつる)手のさきさきに、目をかけつれば魂はありて見ゆるものからともの姿も見ゆるなり」
※俳諧・おらが春(1819)「遊びつかれる物から、朝は日のたける迄眠る」
[語誌](1)「から」を助詞とする説もある。しかし、上代・中古において、このような意に用いられた「から」は名詞である。
(2)この語が逆接を表わすことについては、それを「もの」に求める考えと、「もの」を形式名詞とし、「から」に中心的意義を求める考えとがある。
(3)平安時代に盛んに用いられた①の用法は、その後次第に衰え、擬古的な文以外にはあまり使われなくなる。しかも、中世には②の順接用法が現われ、近世に至ってはこちらが一般的となる。これは接続助詞「から」の影響と考えられる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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