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【ヌ】

デジタル大辞泉

ぬ[五十音]
五十音図ナ行の第3音。歯茎鼻音の有声子音[n]と母音[u]とから成る音節。[nu]
平仮名「ぬ」は「奴」の草体から。片仮名「ヌ」は「奴」の旁(つくり)から。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
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ぬ[助動]
[助動][〇|ず(ん)|ぬ(ん)|ぬ(ん)|ね|〇]《文語の打消しの助動詞「」の連体形が口語の終止形となったもの》助動詞」「たい」を除く活用語の未然形に付く。
打消しの意を表す。「まか種は生え」「思わ叫ぶ」「勉強をしない生徒がよい成績をとれるはずがありませ
(「てはいかん」「てはならぬ(ん)」の形で)禁止の意を表す。「高山植物を採ってはいか
(「ねばならぬ(ん)」「ねばなるまい」の形で)当然・義務の意を表す。「明日は会社に八時までに行かばなら
(「ずともよい」「ぬともよい」「んでもいい」の形で)許容・許可の意を表す。「君は行かともよい」「風邪をひいているから風呂はわかさでもいい」
(文末にあって「ん」「ぬ(ん)か」の形で)催促・勧誘・依頼の意を表す。「早く起きか」「あなたも体操をなさいませか」
「三谷さんに一服さしあげて下さいませ?」〈康成・千羽鶴〉
[補説]打消しの助動詞は、共通語においては「ない」を用いるのが普通で、「ます」に続く「ん」以外の「ぬ(ん)」は、主に文語的表現や慣用句的表現に使われるだけであるが、関西を中心とする西部の方言では「ぬ(ん)」が広く用いられる。連用形「ん」は「んで」「んでも」の形で用いられる。

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ぬ[助動]
[助動][な|に|ぬ|ぬる|ぬれ|ね]《動詞「い(去)ぬ」から出た語》動詞・動詞型活用語の連用形に付く。
動作・作用が完了または実現したことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。
「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ」〈古今・夏〉
(多く「なむ」「ぬべし」「ぬらむ」の形で)動作・作用の確認または強意を表す。きっと。確かに。
「春ごとに花のさかりはありめどあひ見む事は命なりけり」〈古今・春下〉
「今度のいくさには相違なく勝ちとおぼゆるぞ」〈平家・七〉
(「ぬ…ぬ」の形で)動作・作用の並列または継続を表す。…たり…たり。…したし…した。→たり
「備中守浮き沈みし給ひけるを」〈平家・九〉

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大辞林 第三版

五十音図ナ行第三段の仮名。歯茎鼻音の有声子音と後舌の狭母音とから成る音節。
平仮名「ぬ」は「奴」の草体。片仮名「ヌ」は「奴」の旁つくり

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( 助動 ) ( ○ ・ず ・ぬ(ん) ・ぬ(ん) ・ね ・○ )
〔打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」が終止形にも用いられるようになったもの〕
動詞、助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ます」などの未然形に付く。ただし、サ行変格活用の動詞には、未然形のうちの「せ」の形に付く。
動作・作用を打ち消す意を表す。ない。 「規則を破るようなことは到底許されことだ」 「気圧配置もだいぶ春めいてきたから、近いうちに暖かい日がおとずれこともあるまい」
(「ぬ(ん)」や「ません」に終助詞「か」を付けたり、文末の「ません」に上昇調のイントネーションを付けたりして)相手に対する婉曲えんきよくな希望や、勧誘・依頼の気持ちを表す。 「僕にもその事を話してくれか」 「今夜、いっしょに映画でも見に行きませか」 「この返事、あなた、書いてくれませ
(「…てはならぬ」「…てはいかん」などの形で)不許可や禁止の意を表す。 「ここから入ってはなら」 「集合時刻におくれてはいかぞ」
(「…ねばならぬ」「…なくてはいかん」などの形で)当然や義務の意を表す。 「早急にギャンブルを規制しなくてはいか」 「被害者には十分なつぐないをせばなら
(「…ぬともよい」「んでもいい」などの形で)許容や許可の意を表す。 「ここでは、いちいち切符は切らともよい」 「今夜は帰りがおそくなるから、夕食の支度はせでもいい」 〔 (1) 現代語の打ち消しの助動詞としては他に「ない」がある。「ない」は話し言葉や書き言葉に広く用いられるが、「ぬ」は「ない」より用法が限られる。「ぬ」はやや古風な言い方や書き言葉的なものに用いられる。「ぬ」の終止形・連体形は話し言葉では「ん」の形で用いられることが多い。特に助動詞「ます」に付くときは、「ません」のように「ん」の形が一般に用いられる。 (2) 本来、古語の推量の助動詞「む」から生じたと考えられる「あらん限り」「泣かんばかり」の「ん」との混同から、「あらぬ限り」「泣かぬばかり」などの言い方がみられる。「あら限りの力を振りしぼって頑張った」「それは当然の事だと言はばかりの顔をした」〕 → ず(助動)

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( 助動 ) ( な ・に ・ぬ ・ぬる ・ぬれ ・ね )
完了の助動詞。ナ行変格型活用。用言および助動詞「る・らる」「す・さす」「しむ」などの連用形に接続する。
動作・作用が完了すること、また、すでに完了してしまったことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。 「秋来と目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる/古今 秋上」 「暁がたよりさすがに音なくなりぬるこそ年のなごりも心ぼそけれ/徒然 19
ある事柄が実現することを確信をもって述べるのに用いる。たしかに…する。きっと…する。 「見捨てたてまつりてまかる空よりも落ちべき心地する/竹取」 「命の限りはせばき衣にもはぐくみ侍りむ/源氏 明石
(命令形を用いて)確実な実行を求める意を表す。 「今宵はなほとく帰りたまひ/源氏 東屋」 「『早う立ち、立ち』とのたまへば、男這ふ這ふ立ちて去りぬ/今昔 19
(「…ぬ…ぬ」の形で)二つの動作・作用が同時にまたは継起して行われることを表す。…たり…たりする。 「あわただしかりしことども宣ひいだして、泣き笑ひぞしたまひける/平家 10」 「白波の上にただよひ、浮き沈みゆられければ/平家 11」 〔 (1) 語源は、動詞「いぬ(往ぬ)」の「い」が脱落したものかという。 (2) 古くはナ行変格活用の語に付かなかったが、中古末から中世にかけては接続した例が見られるようになる。「この若き男、にはかに倒れて死に/今昔 4」 (3) 完了の助動詞「つ」とほぼ同じ意味・用法だが、「ぬ」と「つ」との間には、次のような差異が見られる。(ア)「ぬ」は自動詞に、「つ」は他動詞に付くことが多い。(イ)「ぬ」は自然的作用・無意的動作を、「つ」は有意的動作を表す〕 → つ(助動)

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日本大百科全書(ニッポニカ)


五十音図第5行第3段の仮名。平仮名の「ぬ」は「奴」の草体から、片仮名の「ヌ」は「奴」の旁(つくり)からできたものである。万葉仮名では「奴、農、濃、怒、努(以上音仮名)、沼、宿、寐(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(奴)」「(怒)」「(努)」「(駑)」などがある。
 音韻的には/nu/で、舌先と上歯茎との間を閉じた舌内鼻音の[n]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「ぬ」もあった(「寒雲(カンヌン)」「本有(ホンヌ)」「関羽(クヮンヌ)」……)。[上野和昭]

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