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おしどり

日本大百科全書(ニッポニカ)

おしどり
おしどり
歌舞伎(かぶき)舞踊劇。長唄(ながうた)、常磐津(ときわず)。鴛鴦(おしどり)の雌雄によって、男女のむつみ合う情の深さを描いたものは、古くから浄瑠璃(じょうるり)、長唄、地歌などに扱われ、とくに舞踊では河津三郎(かわずのさぶろう)と股野(またの)五郎の角力(すもう)の話に結び付けて脚色されていたが、ほとんど絶えていたのを、6世中村歌右衛門(うたえもん)が1954年(昭和29)3月歌舞伎座における自己の研究公演「莟会(つぼみかい)」で、『鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)』の外題(げだい)により復活上演。以来、歌舞伎でも一般でも行われている。原曲は富本(とみもと)の『四十八手恋所訳(しじゅうはってこいのしょわけ)』(1775)で、これを改曲した常磐津の『鴛鴦(いもせどり)容姿(すがた)の正夢(まさゆめ)』(1828)、さらに富本の『恋角顔競(こいずもうねやのかおぶれ)』および『鴛鴦襖聞睦(おしのふすまきいたむつごと)』(1847)などをもとに歌詞と曲がつくられた。上の巻「角力」は河津と股野が傾城(けいせい)喜瀬川の行司で相撲をとり、敗れた股野が河津を呪咀(じゅそ)するため鴛鴦の雄を射て、その血を得るまで、下の巻「おしどり」は傷ついた雄鳥の精が雌鳥とともに人間の男女の姿で現れ、股野の企てを妨げる話。古風な上の巻、幻想的で凄艶(せいえん)な下の巻、それぞれに見どころは多い。[松井俊諭]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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