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いみじ【いみじ】

大辞林 第三版

いみじ
( 形シク )
〔「いみ(忌)」を形容詞化した語〕
程度のはなはだしいことを表す語。望ましい場合にも望ましくない場合にも用いるが、具体的内容を示す語が省略されることが多い。
(望ましい場合)たいそう…である。すばらしい。立派である。たいへんうれしい。 「 - ・じき(=スグレタ)絵師といへども/源氏 桐壺」 「 - ・じからむ(=ウレシイ)心地もせず、悲しくのみなむある/竹取」
(望ましくない場合)ひどく…である。ひどい。すさまじい。ものすごい。 「 - ・じき(=オソロシイ)もののふ・仇・敵かたきなりとも/源氏 桐壺」 「あな、-・じや(=大変ダ)、いとあやしき様を人や見つらむ/源氏 若紫
程度が普通でないことを表す語。はなはだしい。普通でない。 「清少納言こそ、したり顔に-・じう侍りける人/紫式部日記」 「 - ・じうののしりさわぐ/宇治拾遺 12」 「 - ・じく心もとなきままに/更級」

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

いみ・じ
[形シク]《「い(忌)み」の形容詞化。忌まなければならないほどひどい、というところから》善悪ともに程度のはなはだしいさまにいう。
下にくる被修飾語の程度が並々でないさまを表す。はなはだしい。著しい。
「―・じく静かに公に御文奉り給ふ」〈竹取
「―・じき色好みを、かくあからめさせ奉らぬこと」〈宇津保・俊蔭〉
被修飾語に当たる具体的内容が省略され、文脈から補わなければならない場合。
㋐(望ましいものについて)たいそうすばらしい。たいそううれしい。すぐれている。
「―・じからむ(=ウレシイトイウヨウナ)心地もせず、悲しくのみある」〈竹取
「―・じき(=スグレタ)絵師といへども筆限りありければ」〈・桐壺〉
㋑(望ましくないものについて)たいそうつらい。ひどく悲しい。すさまじい。ものすごい。
「世の中に―・じき(=悲シイ)目見給ひぬべからむ時」〈宇津保・俊蔭〉
「右近は…泣きまどふさまいと―・じ(=ヒドイモノダ)」〈・夕顔〉
[補説]上代語にはなく、中古の和文に多く用いられる。また、漢文訓読語では「はなはだ」「きわめて」が用いられ、「いみじ」の使用はない。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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精選版 日本国語大辞典

いみ
〘形シク〙 善悪ともに、程度のはなはだしいことを表わす。中古文および擬古文で用いる。
① (用言や体言を修飾して、その被修飾語の持つ属性の程度がなみなみでないことを表わす) はなはだしい。著しい。たいそう(な)。
※竹取(9C末‐10C初)「かぐや姫『もの知らぬ事なの給ひそ』とて、いみじく静かに公に御文奉り給ふ」
② (望ましくないものについて、その程度がはなはだしい意を表わす) ひどく…である。
(イ) (話し手の情緒に好ましくない影響を与える場合) ひどくつらい、苦しい、みじめである、悲しい、情けない、恐ろしい、困ったことである、などの気持を表わす。
※大和(947‐957頃)一六五「かへりごとなどもせんとする程に死にけりと聞きて、いといみじかりけり」
※源氏(1001‐14頃)若紫「あないみじや。いとあやしき様を人や見つらむ」
(ロ) (ある事柄がはげしくひどいさまにいう場合) ひどくはげしい、大変なことである、とんでもないことである、などの意を表わす。
※大和(947‐957頃)一四九「つれなき顔なれど女の思ふこといといみじきことなりけるを、かく行かぬを、いかに思ふらむ」
③ (望ましいものについてその程度がはなはだしい意を表わす) ひどく…である。
(イ) (話し手や周囲の者の感情・情緒に好ましい影響を与えた場合) たいそううれしい、喜ばしい、などの意を表わす。
※竹取(9C末‐10C初)「いみじからん心ちもせず、悲しくのみなむある」
(ロ) (ある事柄がすぐれている場合) たいそうすばらしい、りっぱである、情趣が深い、などの意を表わす。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「いみじきものぞや。さばかり乱れてはしたなかりつるに、異人の酔ひざまには似ずかし」
[語誌]上代の文献には見られず、中古においても訓点資料や歌集には使われず、多く物語や日記で用いられた。程度のはなはだしいさまを表わし、解釈上は前後の文脈から具体的に補って理解すべきことが多い。平安末期から良い意味に用いられることが多くなっていった。
いみじ‐が・る
〘他ラ四〙
いみじ‐げ
〘形動〙
いみじげ‐さ
〘名〙
いみじ‐さ
〘名〙

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